MODEL Art (モデルアート) 2017年 10月号 No.974

 MODEL Art (モデルアート) 2017年 10月号 No.974

 妖怪は好きだけどプラモはなぁ、完成品のフィギュアならいいんだけど……って人には(人にこそ)、ぜひ手にとって該当ページを見ていただきたい。もちろん妖怪&プラモファンに超おすすめ。先月紹介した「河童のガジロウ」(←前の記事へのリンクです)の素晴らしい作例が載ってます。このキット↓

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 実は先月号の予告を見た時点では、色々なジャンルのキットを取り上げる連載記事の「FOLLOW YOUR HEART」でやるのかな、てことはカラー2ページか。なんて思ってたんだけど、甘く見てました。カラー4ページの暴走気味の大盤振る舞いで、盆景のような見事なジオラマが掲載されている。
 作例はいかにも湿度高そうな水辺にしゃがみ込んだ河童のジオラマだ。キットに付属する展示ベースは未使用。おまけキャラなど、異界っぽいネタが仕込まれているにもかかわらず、苔むした水辺の情景はどこまでもリアルに表現されている。キノコも生えている。和風な印象を受けるのは、繊細に表現された植生によるものだろうか。記事に「自分が思い描く河童が潜むような水辺は、現実とも空想ともつかない森の中で、底が見えないような深みのある水辺でしたので、そのようなイメージで製作を進めていきました」(p.78)とある通りの、リアルかつ幻想的な雰囲気が感じられる。ガジロウ本体の彩色には油彩が用いられていて、非常に生々しい。設定の赤色ではなく、爬虫類、両生類を参考に彩色されている。市販キットの組み立ての一例というよりも、優れた河童モチーフの作品って趣きで、妖怪ファン必見。

 今月号の特集は「結果からチェック塗装技法の手引書」という面白いものだったが、それよりも上記の「河童のガジロウ」を筆頭に見応えのある作品が盛り沢山だった。目玉作品をもう一例あげるなら、連載記事「モデリングJASDF」の「フライングバナナ」だ。以前1/72が取り上げられたことがあったが、今回のは今年イタレリから登場した1/48キットである。個人的にこの機体が好きっていうのもあるけど、記事の充実度が相変わらず素晴らしい。作例も実に端正で、キメの細かいシルバーの塗装、美しいキャノピー、自作されたデカール等々、見所が多い。今回土曜日の発売ってことで、じっくり誌面を読んだり眺めたりすることができたが、河童とバナナを漫然と眺めてる時間が多かったように思う。
 その他、レベルの1/24「ポルシェ934RSR」、ハセガワの1/24「BMW 2002 tii」(塗装がめっちゃきれい)、グレートウォールホビーの1/72「F-15E」などなど、好きな車種、かっこいい機体が多く、近年稀に見るほど充実した一冊になっている。まじで読んでてよかった。



 - 作例リスト (掲載順) - 航空機 戦車 艦船 車/バイク ■その他

連載記事『地名を名に持つ船とその場所のエピソード 艦船諸国漫遊記 Vol.22』
『日本海軍 敷設艦 沖島』フジミ 1/700

連載記事『MA版 これだけは作ろう 第7回 Sd.Kfz.251/10 Ausf.D.3.7cm (Pak35/36) 搭載車を作る(工作編)』
『Sd.Kfz.251/10 Ausf.D.3.7cm (Pak35/36) 搭載車』タミヤ「ドイツ ハノマークD型装甲兵員輸送車」+「ドイツ 37mm対戦車砲」 ※ニコイチ改造

特集「結果からチェック塗装技法の手引書」※陸海空の作例をサンプルとして掲載(再掲)。塗装の途中写真と解説で「NF-104A」を除いて製作記事は無し。
「F-4EJ改 ファントムⅡ “8SQパンサーズ”」ハセガワ 1/48 ※洋上迷彩
「F-/A-18C ホーネット」キネティック 1/48
「ヴォート F4U-1 コルセア “バードゲージ”」タミヤ 1/32
「スーパーマリン スピットファイア Mk.1」タミヤ 1/48
「マクダネル F-101A/C」キティホーク 1/48
「三菱 A6M5c 零式艦上戦闘機 52型丙」ハセガワ 1/32
「F-4J ファントムⅡ」造形村 1/32
「グラマン F-14A トムキャット」タミヤ 1/48
「Su-33 フランカーD」キネティック 1/48

『ロッキード NF-104A』ハセガワ「F-104G/S ワールドスターファイター」+モデルアート製コンバージョンキット 1/32

「T-14 ロシア主力戦車 “アルマータ”」ズベズダ 1/35
「ソビエト軍 KV-5 超重戦車」トランペッター 1/35
「ガールズ&パンツァー Ⅳ号戦車D型 プチあんこうチーム付き限定版です!」プラッツ 1/35
「アメリカ陸軍 M48A3 Mod.8 パットン主力戦車」サイバーホビー 1/35
「アメリカ 155mm自走砲 ビッグショット」タミヤ 1/35 ※ジオラマ作品
「現用米 1A2SEP エイブラムス TUSKⅠ/TUSKⅡ/M1A1TUSK(3in1)」ライフィールドモデル 1/35
「イギリス主力戦車 チーフテン Mk.11」タコム 1/35
「WW.Ⅱ日本帝国陸軍 四式軽戦車ケヌ」ドラゴン 1/35
「T-44 ソビエト中戦車」ミニアート 1/35 ※ジオラマ作品

「海上自衛隊 イージス護衛艦 あたご」ハセガワ 1/450
「日本海軍航空母艦 飛鷹 昭和19年」フジミ 1/700
「日本戦艦 三笠」ハセガワ 1/700

連載記事『モデリングJASDF 257回 イタレリ1/48 H-21を作る3』
『H-21 ショウニー “フライングバナナ”』イタレリ 1/48 ※完成

情報「World Modelers News No.3 Chan Yong Joo氏に聞く」
「F-104S-CB スターファイター」イタレリ 1/32

特別記事
「ランボルギーニ アヴェンタドールS 2017」アイドロン・メイクアップ 1/43 ※完成品の紹介記事

NEW KIT REVIEW
■『福崎町妖怪プラモデル 河童のガジロウ』福崎町観光協会 ノンスケール ※ジオラマ作品
『Ⅳ号戦車C型/B型(VK36.01)w/インテリア2in1キット』レボシスホビー 1/35
『アメリカ空軍 F-15E 戦闘爆撃機』グレートウォールホビー 1/72
『ポルシェ934 RSR ヴァイラント』ドイツレベル 1/24
『BMW 2002 tii』ハセガワ 1/24
『MiG-29A ファルクラムA型』トランペッター 1/32

情報「Mr.カラー祝40周年」
「ランボルギーニ アヴェンタドール LP750-4 SV」アオシマ 1/24 ※塗装サンプル
■「メカトロウィーゴ」ハセガワ 1/35 ※塗装サンプル3例

連載記事『日本機大図鑑 連載第149回』
「九六艦戦の座席 (背面)」

連載記事『北澤志朗のネオヒストリックガレージ 連載第87回』
『マツダ PG6SA AZ-1 ’92』アオシマ 1/24

連載記事『LED大作戦 VOL.23』
『JMSDF DDH-184 かが』『JMSDF DDH-144 くらま』『JMSDF SS-501 そうりゅう』ピットロード 1/700 ※埠頭を再現したジオラマ作品

連載記事『ジオラマ大作戦 NO.16 光を塗装で描写するジオラマを作る(1)』
『シトロエン 11CV スタッフカー』タミヤ 1/35 ※ミニアート1/35「フィギュア」「街灯」などを用いたジオラマ作品

・2017 東武タミヤモデラーズコンテスト



 次号の特集は「艦船模型の進化論 (仮題)」。他にソードの1/72「川崎キ102甲」、キティホークの1/48「UH-1D」などが予定されている。久々にヘリの特集が見たい!

河童のガジロウ」福崎町観光協会 ノンスケール


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SCALE AVIATION (スケールアヴィエーション) 2017年 09月号 Vol.117

 

 SCALE AVIATION (スケールアヴィエーション) 2017年 09月号 Vol.117

 何回めかの零戦特集号。今回は新旧の1/32キット限定の特集で、作例はハセガワの新旧「五二型丙」、タミヤの「五二型」(ジオラマ作品)の3例のみ。作例の数としては少々寂しいけれど「HOW TO BUILD」とあるだけに、お題のハセガワ新キットの製作過程をじっくり見せる、初心者や今まさにこのキットに取り掛かろうって人向けの構成になっている。一日目の胴体内部から始まって、三日目で完成(はやっ! ! )。途中写真はカラー4ページ。
 ハセガワ旧キットは連載記事の『改造しちゃアカン リターンズ!』で取り上げられていて、こちらはプラ板を駆使した途中写真と味わい深いイラストで製作上のホイントが示されている。このキット、以前書いたように海軍機しか買ってくれない祖父に買ってもらったことのある思い出深いキットだ。当時(小学生の頃)はブリスターに入ったメタルパーツが付属していて、高級感たっぷりだった反面、手の着けようがなかったことを思い出す。作例はコクピットの自作、外板の凸凹(リベットラインのうねり)の再現など、全体に手が入った凄みのある仕上がりで、完成品の画像が多いのもよかった。

 今回、特集記事の作例は少なかったが、全面にアルミのテープを貼られたハセガワ1/48改造「NF-104A」や、ハセガワ1/32「雷電」などかっこいい、見応えのある作例が多かった。特に鮮やかな緑で塗られた雷電が印象的だった。この有名な352-20号機、自分も1/72で作ったことがあるんだけど、途中まではまずまず感じよく出来てきてたのに、イナズマのデカールを貼った途端に俄然オモチャっぽくなってしまった。で、実機写真を見てみたら、実機もそんな感じだったという……。作例は細部の繊細な工作もさることながら、このイナズマのマーキングと、機体の緑、日の丸の赤のバランスが絶妙で、実機よりもリアルでスマートな感じに仕上げられている。



 - 作例リスト (掲載順) -

特集「1/32 ZERO」
『三菱 A6M5c 零式艦上戦闘機 五二型丙』ハセガワ 1/32

連載記事『改造しちゃアカン リターンズ!』
『三菱 A6M5c 零式艦上戦闘機 五二型丙』ハセガワ 1/32 ※旧キット

『三菱 A6M5 零式艦上戦闘機 五二型』タミヤ 1/32 ※ジオラマ作品

『Red Bull Air Race Team Yoshi Muroya Commemorative Aircraft Model 2017Ver.』グッドスマイルカンパニー ノンスケール ※塗装済み完成品改造

連載記事『夢見る翼 NO.55』
『ダグラス DC-3』エッシー 1/72

連載記事『ちっちゃいことは、いいことだ!』
「日本海軍 艦上攻撃機 流星」エフトイズ(ウイングキットコレクション) 1/144 ※モノクロ記事

連載記事『Alternative modeling garage Vol.15 小物製作編 その1』
『椅子&テーブルetc』セミスクラッチビルド 1/32 ※モノクロ記事

連載記事『飛ぶ理由 連載第35回』
『大日本帝国特務艦エピメテウス』フルスクラッチビルド 1/1000 ※小林誠によるオリジナルメカ

『ロッキード NF-104A』ハセガワ「F-104J」+モデルアート製コンバージョンキット 1/48

『三菱 J2M3 局地戦闘機 雷電 二一型』ハセガワ 1/32

『川西 H8K2 二式大型飛行艇 一二型』ハセガワ 1/72

『NOSE ART QUEEN Vol.57』森園れん



 次号の特集は「林周一の世界」。

 

日本海軍 三菱 A6M5c 零式艦上戦闘機 52型 丙」ハセガワ 1/32


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『魔の巣 MANOS』

 魔の巣 MANOS

 どこかに向かってドライブしてる家族(夫婦と娘と犬)が道に迷った。場所はアメリカ南部のどこか。幼い娘はグズるし、母親はうるさいし、「俺はこれまで道に迷ったことがない」なんて言い張ってた父親の面目丸つぶれである。ぼちぼち日も暮れかけ、やばい状況になってきたかなーって頃、砂漠の道無き道を行き着いた先で建物らしきものに行き当たった。玄関らしきところにはみすぼらしい風体の男が立っている。この建物の使用人のようだ。とりあえず一夜の宿を求めてはみたが、男はシンプルな受け答えさえ覚束ない様子。精神と身体と言語に問題があるらしい。そこで家族はコレ幸いと勝手に宿泊を決めてしまうのだが、実はその建物は「マノス」なる邪神を信仰するカルト教団の本拠地だったのである。家族ピーンチ!

 久々に録りっぱなしになってたドラマや、積んであった映画をまとめて見ることができた。この藤子不二雄Aチックなタイトルの作品は、ずいぶん前にまとめて買った中の一本だったと思う。ジャケットがかっこいい。で、なんで今まで見ないでいたかというと、パッケージの裏に書いてあるちょっとした解説や煽りが、ことごとく視聴意欲を萎えさせたからである。言わく「カルト過ぎて、ご免なさい。こんな凄い映画はもう遭えない!」「ハロルド・P・ウォーレン監督のエド・ウッドを超えるカルトな演出を観れる唯一の作品」「トラッシュ・ムービーの傑作」。今回見てみる気になったのはひとえに上映時間のおかげだ。

 画質は著しく悪い。拾ったVHSに入ってたアメリカンポルノのような画質だ。ノイズがオーブのように入るシーンもある。変色もある。しかしその画質の悪さが、かえってプラスにはたらいている。そんな作品である。カメラアングルは不安定で、不必要にアップになったり引いてみたりする。カットの繋ぎもあまり見たことのない感じで不自然だ。無茶なことに舞台となった「とある怪しい建物」の外観を全然映さずに最後まで押し切っている。エロいシーンはせいぜい美人妻の着替えくらいで、グロいシーンは皆無である。思うにこの映画には、積極的に「映画を撮りたい」というスタッフがいなかったのではないだろうか。ノリノリで自ら館の主人を演じてる監督でさえ、映画の成功は露ほども信じてなかったに違いない。真面目に見れば見るほど、なぜこれを作ったのか?? という疑問が浮かんでくる(1966年といえばアメリカでは『ミクロの決死圏』が公開され、日本ではガメラとバルゴンが大坂を舞台に大暴れしていた)。作品の存在自体が怪しく、いかがわしく感じられる。この映画の美点を挙げるとするなら、作品全体が濃厚に醸し出すその怪しさ、いかがわしさだろう。拾ったVHSに入ってたアメリカンポルノのような。

 自分はトラッシュ・ムービーが好きってわけではないけれど、その手の映画が好きな人にはたまらない作品だと思う。きっともう見てるだろうけど。



『魔の巣 MANOS』(“Manos:the Hands of Fate”)
 1966 アメリカ
 監督:ハロルド・P・ウォーレン
 出演:トム・ネーマン/ジョン・レイノルズ/ダイアン・マーハ/ハロルド・P・ウォーレン/ステファニー・ネイルソン
 映像色 : カラー
 上映時間:68分


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『死霊館』

 死霊館

 アメリカ、ロードアイランド州、ハリスヴィル。「ペロン夫妻」と五人の娘たちが、広大な敷地に建つ古びたその屋敷に越してきたのは1971年のことだった。家族の新しい生活には引越しの当日から不吉な影がさした。まず閉ざされた地下室が見つかり、翌日には決して室内に入ろうとしなかった愛犬が死亡する。屋敷中の時計は午前3時7分で停止していた。さらに娘の一人はベッドで足を引っ張られ、妻の身体には覚えのない痣が浮き出した。腐臭が鼻をつき、亡霊の姿がかいま見えることもあった。
 屋敷に巣食う邪悪なモノの存在を確信した妻は、著名な心霊現象の専門家「ウォーレン夫妻」に調査を依頼する。すると時を置かずして屋敷の凄惨な来歴が明らかになった。屋敷は悪名高いセイラムの魔女裁判に関わりのある物件で、後年、殺人事件が発生していた。かつてここで暮らしていた母親が、自らの生後間もない赤ん坊を殺害したのである。ウォーレン夫妻の調査をきっかけに、怪奇現象は苛烈さを増していく。

『アナベル 死霊館の人形』(2014)との2枚組「ツインパック」を購入。約29分の映像特典(「体験者が辿る過去の恐怖」「専門家が語る悪霊の世界」「背筋も凍るホラー映画の舞台裏」)がついている。監督は『ソウ』(2004)シリーズのジェームズ・ワン。てことでどんなきっつい幽霊屋敷かとワクワクしながら見てみたら、びっくりするほど真っ当な幽霊屋敷ものだった。実話が元になっていることから関係者への配慮があったのか、こういうのも撮れるのよ! って感じなのかはわからないけど、『ソウ』のイメージからはかけ離れた作品になっている。もちろんへぼい映画ってわけではなくて、その真逆。このジャンルの作品としては、近年稀に見るほど丁寧に作られた上質な作品である。グロいシーンも不潔なシーンもないし、テーマもザ・家族愛って感じの美しさなので、家族で見ても割と大丈夫な気がする(PG12指定)。少々残念だったのは神父が活躍しないこともあって、オカルティックなアイコンが乏しいところ。それから可愛い五人姉妹のそれぞれの個性的な設定があまり生かされてないように思う。

 上記の通り実話ベースのこの作品、誠実そのものの登場人物も全て実在の人物をベースにしている。当然可愛い五人姉妹も実在した。ゴーストハンターな役どころの「エド」と「ロレイン」の「ウォーレン夫妻」は、世界的に著名な心霊・悪魔研究の専門家で、1950年代から1万件以上の心霊事件に関わっている。最もよく知られたケースは映画『悪魔の棲む家』(1979)のモデルになった「アミティビル事件」だろう。並木伸一郎の本でも夫妻は「全米一のデーモン・ハンター」なんて紹介されていて、古くからなじみ深い。呪いのアイテムてんこ盛りの資料館(死霊館)も「オカルト・ミュージアム」として実在し、全米はおろか世界中から集められた呪物が収蔵されている。劇中の資料館では立派な鎧兜がやけに目立っていたが、実際のミュージアムにも日本産のアイテムがちらほら混在しており、どんな謂れがあるのかめっちゃ興味深い。

 また劇中では「悪魔祓い」を行う際の教会とのやりとりが、いかにも面倒臭そうな感じで描写されている。実は1973年に映画の『エクソシスト』が公開されるまで、カトリック教会としては悪魔祓いは「無しの方向で」ってことになっていたのだ。『エクソシスト』をきっかけに「悪魔憑き」の症例が爆発的に増え、それに追随する形で「古代の野蛮な儀式」として封印されつつあった悪魔祓いが見直されたのである。この作品の案件が発生したのは1971年、まだ教会が悪魔祓いに否定的だった頃の出来事である。
『エクソシスト』以降、悪魔祓いのための典礼は改訂され、先代のローマ教皇ヨハネ・パウロ2世は自ら三度の悪魔祓いを行なったという。



『死霊館』(“The Conjuring”)
 2013 アメリカ
 監督:ジェームズ・ワン
 出演:ヴェラ・ファーミガ/パトリック・ウィルソン/リリ・テイラー/ロン・リビングストン/シャンリー・カズウェル
 上映時間:112分


 死霊館&アナベル 死霊館の人形 ツインパック


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伊藤三巳華『スピ☆ヲタ子ちゃん〈1〉』

 

 伊藤三巳華『スピ☆ヲタ子ちゃん〈1〉』講談社 2017 ヤンマガKCスペシャル

 主人公は著者の少女時代「ミミカ」。「オバケ団地」と噂される千葉県N市の某団地で暮らしていた。本人によるとあまり裕福な家庭ではなかったらしい。幼い頃からミミカには人に見えない不可思議なモノが見えた。そして三日に一度という頻度で「幽霊に襲われて」育ったという。長じるにつれて、彼女は自身の体質をひけらかすことのリスクを自覚し、霊感アピールを封印する。しかし彼女には他人に知られてはならないもう一つの顔があった。昼間こそはバレーボールに励む健全な部活少女だったが、夜な夜な自作マンガに没頭する「ゲーム、アニメ、マンガヲタク」だったのである。当時、ヲタクへの風当たりは今以上に強く、「イケてる青春」を送りたいなら「霊感」共々封印必至という状況なのだった。自らの本性を隠し、他人を傷つけ他人に傷つけられながら、スクールカーストでのし上がろうとする主人公の日常は、まさにサバイバルである。←こういう感じの話が全9話収録。

『視えるんです。』『スピ☆散歩』などの霊感エッセイ漫画で知られた著者が、自らの少女時代をセキララに描く。って帯にあったから、霊感少女の日常とか興味深いなーなんて思いつつ読み始めたのだが……。印象は全然違ってた。「霊感」は二の次三の次で、ひたすら著者の痛々しい子供時代(小学校から高校入学くらいにかけて)と贖罪の思いが切々と描かれた懺悔マンガだった。デフォルメ調の絵柄で随分緩和されているが、内容はかなりヘビー。霊感、心霊、怪奇的にじゃなくて、残酷な人間関係的に。
 作品の紹介には「ミミカの周りには、個性的な友達がいっぱい」と楽しげな感じで載ってるけど、その友達が一筋縄ではいかない。極道の息子と噂される「タグチ」、パーマ屋の娘でヤンキーの「アケ」、猟奇的恋愛脳「くき(く)」、BLマンガに救いを求める悲劇の美少女「ちさとちゃん」などなど、個性的どころじゃない壮絶なメンツ。それぞれのエピソードもいちいち濃い。とりわけ家に帰りたがらないちさとちゃんの話「生霊になりたいですか?」は、その救い難さで印象に残った。子供には荷が重すぎる。
 前述の通り霊感よりも人間関係に重きが置かれているが、ほとんどのエピソードで霊感が人間関係の構築(と後悔)のとっかかりになっているところがスピリチュアルマンガらしい。ミミカはやや自意識過剰な少女で、幽霊そのものよりも、それが見えることで他人にキモいと思われることの方を怖れているようだ。繰り返し出てくる「見えるけど、全てが自分の妄想かも……」的なセリフは、成長したミミカが社会との折り合いをつけるために編み出したフレーズなのだろう。怖いシーンは少ないけど読み応えは充分なので、霊感少女の生い立ちに興味がある人にはおすすめ。



『スピ☆ヲタ子ちゃん〈1〉』
 講談社 2017 ヤンマガKCスペシャル
 著者:伊藤三巳華

 ISBN-13:978-4-0638-2969-3
 ISBN-10:4-0638-2969-3


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読書メモ まとめ (2016年08月11日~2017年08月10日)

 下の画像はアメリカのメーカー、BARCLAY(バークレー)の「ARMY TANK TRUCK」です。安価なアクセサリーやおもちゃなどで用いられたポットメタルという製法で作られています。レトロフューチャーなデザインと、造形の素朴な味わい、1936年に発売されたアイテムですが、塗装やタイヤの状態を見る限りレストアされてるような気がします。このメーカーは1930年代から50年代にかけて、自動車、軍用車、フィキュア(鉛の兵隊)などの幅広いラインナップを誇っていました。日本ではあまり見かけませんが、コレクター人気は高くebayには多くの商品が並んでいます。

 というわけで、今日でこのブログもまるまる5年経ちました。残念ながら今年度に入ってからというもの、なかなか自分の好きなペースで記事が書けてません。この記事を書くにあたっても、自分で作ったミニカーを載せようと思って、スターターのポルシェ904を作りはじめていたのですが、早々と諦めてしまいました。忙しいのはしょうがないとして、早く生活のペースを整えたいです。
 あとこのブログのリンクですが、リンク先の大半のブログの方には、断りなしに勝手に張ってしまってます。もしも管理者の方がご覧になられて、問題あるようでしたら、お手数ですがご一報ください。今後ともよろしくお願いします。

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 下の「続きを読む」からは「読書メモ まとめ 2016年08月11日~2017年08月10日」になってます。自分用に作成しています。長くて超見辛いです。


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(この一行は、各ページ下部に固定表示するサンプルです。テンプレートを編集して削除もしくは非表示にしてください。)