「バルタン星人(2代目)」について

 正月休みはアニメ見ながらプラモ三昧を予定していたのだが、部屋をシンナー臭くするとまずいってことになったので、プラモ三昧の企画はなしになってしまった。そこで正月休みはアニメ見ながら粘土三昧に変更。これならシンナー臭くならないし、幸い冷蔵庫には余った粘土が長期保管中。以前作っておいた「芯」もどっかにあるはず。お題は『ウルトラマン』に登場した「バルタン星人(2代目)」に決定。ポーズは胸部を展開してるとこ……。

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 ……というわけで、載せるほどのものじゃない気もするけど、正月休み四日間&そのあとヒマを見つけて、チビチビここまで作ったところで粘土がなくなりました↑ バルタンならこのくらいの量でOKかなーと考えたのが甘かった。残念。
 素材は以前半額セールで買った「ラドール」と1/4くらい残ってた「ファンド」。だいたいラドールの芯をファンドで覆う感じで作ってますが、結構適当です。粘土を混ぜてみたりもしてます。実物より多少プロポーションが良くなってますが、その辺は好みってことで。サイズは一応120ミリ。
 製作に使ったツール類はごく少ないです↑ 2本のデザインナイフは新しい刃用のと、切れ味の悪くなった刃用のです。てきとーにザクザク削る時は、古い刃を使ってます。せこい。あと他には筆と金属製のヘラ(スパチュラ)。
 主な資料はCSのファミリー劇場でやってた『ウルトラマン HDリマスター版』と、ホビージャパン刊の資料本『大ウルトラマン図鑑』(詳細は後述)。これで後頭部、スカートの裾(下の方)以外のディティールはほぼ把握できる。

 このバルタン星人(2代目)が登場するのは『ウルトラマン』の第16話「科特隊宇宙へ」で、第2話に続いて再度地球侵略を目論んだバルタンが、ロケットの開発競争に割って入る。記憶にはストーリーよりも特撮の派手さばかりが残っていたのだが、改めて見返してみるとファンタジー色の濃いシリーズの中にあって、SF色の濃いクールなエピソードだった。慎重で保守的なイメージの岩本博士のロケットが、とんでもない形状だったのが面白かった。
 特撮面では八つ裂き光輪、テレポート、光波バリヤーなどなど、多彩で見栄えのいい光学合成がてんこ盛りで、非常に見応えがある。なかでも印象的なのはR惑星と空港の抜けるような青空。怨念と光学兵器で武装した褐色の異星人と、それに対峙するシルバーの巨人(しかもBタイプ)の勇姿がよく映える。

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 ↑成田亨『成田亨画集 ウルトラ怪獣デザイン編』(←前の記事へのリンクです)朝日ソノラマ 1984 p.36

 バルタン星人と聞いてほとんどの人が思い浮かべるのが、第2話「侵略者を撃て」に登場した「バルタン星人(初代)」だと思う。青くてハサミのでかいやつ。昆虫と人間をミックスした宇宙生物というコンセプトの特撮モンスターには、有名なところで『宇宙水爆戦』(1955)の「メタルナミュータント」という先例があり(セレナイトもかな)、目と腕(ハサミ)の処理、配色、金属っぽい質感に薄っすら共通点こそ感じられるものの、やはり初代バルタンの独創性、キュラクター性はハンパない。造形は大胆で迷いがなく、もともとこんな感じの生き物なのかサイボーグなのか判然としない、まさに侵略者! って感じのキャラを見事に表現している。しかも全くグロテスクさを感じさせないのがすごい。オーソドックスなBEM像から完全に脱している。
 よく知られているように、バルタン星人(初代)の着ぐるみは『ウルトラQ』に登場した「セミ人間」の着ぐるみ(頭部)をベースに造形されており、上の成田亨によるデザイン画とはかなり差異がある。バルタン星人という希代のキャラクターが、たまたまっぽく誕生したのが面白い。

 バルタン星人(2代目)の着ぐるみは、撮影に際して初代の着ぐるみがダメになってしまっていたので新たに作られたらしい。『大ウルトラマン図鑑』には「バルタン再登場篇の特撮初日、現場ではてっきり初代バルタンが届くものと思っていたところへ、佐々木明は新造したこのバルタンを持参した」(p.132)とある。佐々木明はウルトラマンや「ウルトラセブン」のマスクを製作した造形家・彫刻家である。造形が変更された理由は明記されていないが「どうやら彫刻家の血がさわいで、デザインに忠実なバルタンをと考えていたようだ」(p.132)と推測されており、確かにバルタン星人(2代目)は造形、彩色ともによりデザイン画に近く、シャープで実にかっこいい。実は着ぐるみの頭部は結構でかいんだけど、劇中で頭でっかちな印象はない。ウルトラマンよりもスマートに感じられるほどだ。そして2代目には初代にはないギミックが備わっていた。ウルトラマンのキメ技、スペシウム光線を跳ね返すために胸部のブロックが観音開きに開閉するのだ。『大ウルトラマン図鑑』のキャプションには「その発想よりも体を改造するバルタンの無機質な神経がこわい」(p.132)とあり、全く同感なんだけど、そもそもバルタンはどこからどこまでが生身なんだろうか。腰から上が全て宇宙服のようにも見える。劇中のバルタン星人(2代目)は、いくらあがいても全然ウルトラマンに届かない感がやけに切なく感じられるが(そこでなぜ飛んだ! とか)、中身がウルトラマンみたいな形態の異星人だったらもっと切ない。以下『大ウルトラマン図鑑』について↓

 

 西村祐次, ヤマダ・マサミ共著『空想特撮美術体系 大ウルトラマン図鑑』ホビージャパン 1996

『ウルトラQ』『ウルトラマン』に登場する全93体の怪獣、怪人、宇宙人(ウルトラマン含む)を多数の画像で紹介、検証する図鑑。科特隊のメカや「イナズマ号」なども収録されている。本書のユニークなのは怪獣造形のための資料集として編集されているところで、そのため普通の怪獣図鑑では見かけない角度で怪獣を捉えた写真や、ディティール写真がずらっとびっしり並んでいる。キャラクター1体につき1~4ページが割かれていて、使用されている画像は番組宣伝用スチール写真、フィルムから抜き出した画像、着ぐるみの造形スナップなどなど。NG版ウーとゴルドンの製作スナップが初出となっている。

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 本書は『ウルトラQ』『ウルトラマン』がHDリマスター化される以前に刊行されており、フィルムから抜き出された画像は現在見られるHDリマスター版の映像の方がより鮮明である。バルタン星人(2代目)に限れば現行の映像よって、背面や側面をかなりいいところまで把握することができた。彩色に関しても同様である。本書にはカラー口絵こそついているものの本文がモノクロってこともあり、彩色についての言及はごく少ない。ただそうしたことによって、この本の価値が損なわれることはない。これだけの情報が一冊にまとまっているというのはやはり貴重だ。
 もともと自分は造形を目的にこの本を買ったわけではない。それでも長らくページを漫然と眺めたり、キャプションを読んだりしてるうちに、この怪獣作ってみたいなーと思うようになった。「ケムール人」「セミ人間」「ネロンガ」「ガボラ」「ギャンゴ」「ガマクジラ」等々、作れるかどうかはさておき、挙げればきりがない。怪獣好きだったら、造形する人にもしない人にもおすすめできる本だ。怪獣はあんまりって人でも、この本を眺めているうちに好きになるんじゃないかと思う。



『空想特撮美術体系 大ウルトラマン図鑑』
 ホビージャパン 1996
 著者:西村祐次/ヤマダ・マサミ
 監修:円谷プロダクション

 ISBN-13:978-4-8942-5109-0
 ISBN-10:4-8942-5109-4


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『ジュラシック・アイランド』


ジュラシック・アイランド

 昨日、ようやく今期のアニメ『少女終末旅行』を見終えることができた。『食戟のソーマ 餐ノ皿』「しょびっち」に続いて三作め。バッドエンドになりそうでなったようで、やっぱそうでもないかなーって感じで面白かった。で、余力があったので久々に映画を見ることにした。といってもややこしい感じのではなく、ほぼ寝ながらでもそれなりに楽しめるこの作品『ジュラシック・アイランド』を見た。

 第二次大戦中に恐竜の生息する無人島を発見した「テッド」は、終戦を待ってその島への上陸を試みた。随伴するのはフィアンセでスポンサーの「キャロル」、シンガポールで雇い入れた酔いどれ船長とそのクルー、そして島への上陸経験のある元米軍兵の「フェアバンクス」という面々である。島に上陸した彼らの眼前には驚くべき太古の世界が広がっていた。……というのが開始20分くらいまでの大まかな流れ。今なお類似した趣向の作品が作られ続けている鉄板のストーリー、設定である。
 この作品はかなり前から世界初のカラーの恐竜映画として、また史上屈指のヘボ恐竜が登場する作品として、その手の雑誌などで紹介されてきた。自分も10年ほど前に輸入盤を購入して、たまーに見返してはそのたびに脱力を繰り返していたのだが、せっかく字幕版が出てるので諸々と一緒に購入してみた。で、この作品に関しては字幕の有無はあんまり関係ないなーと思った。そのくらいの内容。しっかり比較したわけじゃないけど、映像自体、輸入盤の方が微妙に綺麗だったような気もする。ただ字幕版には簡単な解説がついていて、おかげで恐竜の名称がはっきりしたのはよかった。

 その恐竜について。本作にはブロントサウルス(アパトサウルス)、ディメトロドン、ティラノサウルス(劇中ではティラノサウルスと呼ばれているが、鼻先のツノを見るとどうもケラトサウルスっぽい)、メガテリウムの4種が登場する。ブロントサウルスはロングで複数の個体が登場、水辺でするするっと動く様がそれらしく、ヘボ恐竜って感じでもない。ディメトロドンはその見栄えの良さ故のチョイスかと思われるが、造形も悪くないし、結構活躍するので存在感がある。やはりヤバいのはジャケットにもでっかく載ってるティラノサウルスの造形&演出である。その圧倒的なダメさ加減でこの映画を有名にしてしまっただけのことはある。とにかくゆるい。動かない。複数の個体が荒地で漫然と揺れている。隣国がジュラシックなテーマパークを無断で作ったら、きっとこんな感じになるに違いない。

 しかしこの映画のアレなところは、恐竜の(とくにティラノサウルスの)ダメさ加減によるものではないと思う。なにせ恐竜のシーンは全部足しても10分程度なのだ(悲しいことに)。んじゃ残りの時間は何をしてるかっていうと、ヒロインのキャロルを巡って主要キャラ(酔っ払いの船長含む)が揉めまくるのを延々描いているのである。恋の鞘当ての合間にちらっと恐竜というのが、この映画の構成だ。役者は相当熱演してると思われるし、ヒロインも綺麗な女優さんなのだが、恐竜目当てに見ている自分にとっては退屈で仕方がない。そんなわけで恐竜が出てくるとやけに嬉しくなってしまう。その造形がどれほどヘボくても。



『ジュラシック・アイランド』(“UNKNOWN ISLAND”)
 1948 アメリカ
 監督:ジャック・バーンハード
 出演:バージニア・グレイ/リチャード・デニング/バートン・マクレーン/リチャード・ウェッセル/ダニエル・ホワイト
 映像色 : カラー
 上映時間:72分


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MODEL Art (モデルアート) 2018年 02月号 No.982

 

 MODEL Art (モデルアート) 2018年 02月号 No.982

 先月号は暇さえあればチラチラ見返すほど充実していたが、今月号もまた趣向は違えどかなり読み応えのある一冊になっている。特集は「知ってさらに納得 筆塗り塗装」。まず何と言っても表紙のデザインが面白い。ぱっと見プラモ雑誌には見えないけど(書道の雑誌みたい)、店頭でのインパクトは抜群だった。

 毎号特集の前に載ってる連載記事『地名を名に持つ船とその場所のエピソード 艦船諸国漫遊記』では、「鳥羽」「伏見」という小さな河川砲艦が取り上げられていた。この記事で見るまで知らなかった艦だけど、クラシックで独特の船影が可愛らしい。残念ながらキットが出てないってことで、作例は2艦ともにフルスクラッチである。記事には嬉しいことに各艦の2面図と作例の途中写真が2枚、簡単な解説が載っている。小さい艦だからこの機会にチャレンジするのもいいかもしれない。ただ「伏見」の壁面が斜めになった甲板室はどーみても難しそう。

 特集では陸海空の作例が4例と、数こそ少ないが一例ずつの塗装過程をじっくりと解説している。興味深かったのはエアフィックスの1/48「スピットファイア Mk.Ⅰ」の記事。好きな機体で、キットも何個か買ってしまっている。作例はGSIクレオスの「水性ホビーカラー」を使って、薄めた塗料で最初に全体をムラムラに塗っていく方法で美しく仕上げられている。最後につや消しクリヤーを軽く吹いたとあるだけで、あとは全部筆塗り。掲載された画像からは微妙なトーンの違いなどはあまり伝わってこないが、それでも筆塗り独特の濃密な質感は感じられるように思う。前も少し書いたけどこの作例のように上手な人が筆で塗った塗面って、塗料の密度が高い感じがする。めったりしてるというか。航空機の塗装にぴったりだと思う。この質感はすごく好きなので、自分もこんな感じで塗ってみたい。

 連載記事の「モデリングJASDF」ではトランペッター1/48ベースの『殲撃 10C』が完成している。そこはかとなく西側の航空機の血脈が感じられ、こう言ってはなんだけど、予想外にかっこいい機体だ。作例はいつもながらの端正な仕上がり。同じく連載記事の「FOLLOW YOUR HEART」では、先月の「オリオン号」に続いて主役メカ「ディスカバリー号」が登場した。今回は「工作編」。これもメビウスの最新キットだ。スケールは「オリオン号」と同じ1/144で、完成すると全長1mにもなるらしい。自分は今のところ購入する予定はないけど、完成が楽しみ。「シービュー号」みたいに、もうちょい小さいキットも出してくれないかな。



 - 作例リスト (掲載順) - 航空機 戦車 艦船 車/バイク ■その他

連載記事『地名を名に持つ船とその場所のエピソード 艦船諸国漫遊記 Vol.25』
『日本海軍 砲艦 鳥羽・伏見』フルスクラッチ 1/700 ※作例は2例

特集「知ってさらに納得 筆塗り塗装」
『日本陸軍九七式中戦車 “チハ” 前期型』ドラゴン 1/35
『スーパーマリン スピットファイア Mk.Ⅰ』エアフィックス 1/48
『日本駆逐艦 長波』ハセガワ 1/700「夕雲」改造
『ノースアメリカン P-51B マスタング』タミヤ 1/48

連載記事『モデリングJASDF 262回 赤い星を付けた仮想敵機を作る(2)トランペッター 1/48 殲撃 10B ヴィゴラスドラゴンを作る(3) 殲撃-10Cへのアップデート』
『殲撃 10C』トランペッター 1/48「J-10B ヴィゴス・ドラゴン」改造 ※完成

情報「World Modelers News No.7 ベッキー・ロウさんにインタビュー」
「日本海軍 航空母艦 加賀」ハセガワ 1/700 ※ジオラマ作品
「アメリカ海軍 F-14D スーパートムキャット」ホビーボス 1/72

「デジタル迷彩塗装レポート」
『ウクライナ空軍 Su-27S フランカーB』トランペッター 1/72 ※ジオラマ作品

連載記事『MA版 これだけは作ろう 第11回 1/48 タイガーⅠバリエーションを作る(2)(工作編)』
『タイガーⅠ中期型初期生産タイプ 第503重戦車大隊 第1中隊 100号車』タミヤ 1/48「ドイツ重戦車 タイガーⅠ後期生産型」+AFVクラブ「タイガーⅠ重戦車 前期型)」 ※ニコイチ改造
『タイガーⅠ中期型後期生産タイプ 第505重戦車大隊 第3中隊 313号車』タミヤ 1/48「ドイツ重戦車 タイガーⅠ後期生産型」+「ドイツ重戦車 タイガーⅠ初期生産型」 ※ニコイチ改造

特別記事「最強戦車M1エイブラムス」
『アメリカM1A2エイブラムス戦車』タミヤ 1/16
『M1A1 AIMエイブラムス近代改修型』トランペッター 1/16
『アメリカM1A2エイブラムス戦車』タミヤ 1/48 ※ジオラマ作品

NEW KIT REVIEW
『海上自衛隊 ヘリコプター搭載護衛艦 ひゅうが』ハセガワ 1/450
『イリューシン IL-76MD 大型ジェット輸送機』ズベズダ 1/144
『日本駆逐艦 朝潮』ハセガワ 1/700
『日本駆逐艦 峯雲』
『ブラバムBT52 ’83モナコグランプリ仕様』アオシマ(BEEMAX) 1/20

連載記事『日本機大図鑑 連載第153回』
「優美な曲線の転覆時保護支柱」

連載記事『北澤志朗のネオヒストリックガレージ 連載第91回』
『スバル・アルシオーネ4WD・VRターボ』タミヤ 1/24

連載記事『FOLLOW YOUR HEART 第43回 ディスカバリー号「工作編」』
■『ディスカバリー号』メビウス 1/144

連載記事『ジオラマ大作戦 NO.20 秋の公園の水辺を新発売の素材で作る (2)』
「マスターボックス」「ミニアート」などの1/35フィギュア・ストラクチャーを用いたジオラマ作品

 第9回 タミヤモデルファクトリー新橋店 1/48モデラーズコンテスト
 ジョーシン スーパーキッズランド本店 第12回プラモデルコンテスト



 次号の特集は「F-4ファントムⅡ(仮題)」。期待大。


 

スーパーマリン スピットファイア Mk. I」エアフィックス 1/72


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飛行機模型スペシャル No.19

 

飛行機模型スペシャル No.19』モデルアート社 2017

 気付けば12月も半ばってことで、書きそびれていた『飛行機模型スペシャル』最新19号の感想を書きます。毎年この時期になると同じことを書いてるんだけど、一週間が早すぎる。感想を書こうと思いつつかけないでいる本が何冊も溜まってるし、なにより録りっぱなしになってる深夜アニメを全然見れないのが辛い! とくに『少女終末旅行』と「しょびっち」の続きが見たい!

 ……というわけでこの雑誌、サイズ的に電車の中では読めないのだけど、発売から結構経つので何度もつまみ読みを繰り返している。特集は「F-16」。分かりやすくかっこいい人気機種だ。今回「ニューキットセレクション」では「Su-35」と「F-35A」が取り上げられているが、それらと並べても全く古さを感じさせないのがすごい。真正面から見たシルエットがそれらしいってことで、これをUFOと誤認したんじゃないか、なんて話が出てくるぐらいの未来っぽさである。また単にかっこいいだけじゃなくて、そこはかとなく儚げなオーラをまとってるのも米軍機としては珍しいこの機体の魅力かと思う。ハセガワのキットがスーパーのおもちゃコーナーにも置かれているので、普段あまりプラモとは縁がない人でも作ったことがあるかもしれない。
 今回の特集でもハセガワのキットは各スケールが取り上げられていて、作例、製作記事ともに非常に充実している。中には少々ハードルの高い工作もあるけど、各作例の途中写真&製作記事はどれもツボを押さえたもので、キット製作時には大いに参考になると思う。
 また解説記事「F-16 ファイティングファルコン その開発・誕生と各型変遷」「ディティールフォト集」「塗装とマーキング集」はカラー29ページに及ぶ見応え、読み応えのあるもので、知りたいことがばっちり載ってた。というのもこの機体、派生型がやたら多くて何がなんだかさっぱりなのである。「〜その開発・誕生と各型変遷」では解説記事の他に、系統図と15例の側面図で各型の発達系統と差異を説明している。これが超分かりやすかった。エッシーの1/72なんかも載ってるし、F-16好きな人にはオススメ。

 上記の通り「ニューキットセレクション」では1/48の「Su-35」と「F-35A」が取り上げられている。「Su-35」はジェット機の美味しいところをバンバン出してるキティホークの最新キットで、記事によるとアフターパーツの必要がないほどの再現度とのこと。ただし作例のように仕上げるには多少手を入れる余地が残されているようだ。記事ではそんな製作上のポイントを途中写真などで解説。また作例の他に、カラー4ページのディティール写真が掲載されている。



 - 作例リスト (掲載順) -

ニューキットセレクション
『スホーイ Su-35 フランカーE』キティホーク 1/48
『ロッキード・マーティン F-35A ライトニングⅡ』モンモデル 1/48

特集『完全攻略! F-16 ファイティングファルコン 【基本編】YF-16からF-16C Block25まで』
『F-16C Block25』ハセガワ 1/32「F-16A Plus/C」改造
『F-16C Block25』ハセガワ 1/48
『F-16C Block25』タミヤ 1/48
『F-16A Plus Block15』ハセガワ 1/48
『F-16B Block15 OCU』キネティック 1/48
『F-16 エア・コンバットファイター』タミヤ 1/48
『F-16 CCV』ハセガワ 1/48「F-16A」改造
『F-16 COCKPIT』イタレリ 1/12

「ナナニイ・セレクトモデリング」 ※作例は4例
『YF-16/CCV』ハセガワ 1/72
『F-16C Block25』ハセガワ 1/72
『F-16 ADF』フジミ 1/72
『F-16B Block1』エッシー 1/72

連載記事「TOMCAT SQUADRON’S VOL.07 VF-21 FREELANCERS」

連載記事「綿湯同院 #019 EBS-314 “Super Tucano” (前編)」
『EBS-314 “スーパーツカノ”』ホビーボス 1/72

連載記事『モデリングJASDF 見たい! 撮りたい!! 作りたい!!! Vol.017 ヨンパチでサンサンが作りたい!!』
『T-33A』グレートウォールホビー 1/48




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MODEL Art (モデルアート) 2018年 01月号 No.980

 MODEL Art (モデルアート) 2018年 01月号 No.980

 今月は本屋に行けそうになかったので珍しく通販で購入。で、ざっと目を通したのだが、めっちゃ充実してる。特集、連載記事の作例はどれも気合が入ってるし、何より好きな機体、手持ちのキットが取り上げられているのが嬉しかった。

 今月号の特集は「やっぱり攻撃機」。最初に「独断専行のザ・ベストテン」があって、その中からアイテムが選ばれるという構成で(今回1位のスカイレーダーの作例は無し)、1/48を中心に新旧のキットが取り上げられている。「攻撃機」と聞いてまず思いつくのが「A-10」。大昔に本誌の特集を見ながらハセガワの1/72を組み立てた覚えがあるが、今回の作例はイタレリの1/48最新キットだ。現役とはいえ実践配備から40年も経つのに、まだまだ新しくキットが作られ続ける人気機種である。作例は出来のいいキットをさらにブラッシュアップして、濃厚なウェザリングを施している。ほぼAFVなイメージの機体だけに、ハードなウェザリングがよく似合っている。単に汚れを描き込むだけではなく、その原因となったダメージから工作されているのがすごい。特集では嬉しいことにキネティックの1/48「シュペル エタンダール」が再び取り上げられている。作例は再掲ではなく今回の特集のために作られていて、他の作例と同様、キットのチェックポイントが丁寧に解説されている。特集に出てきた中で持っていたのはこのキットだけだったけど、アバンギャルドモデルの1/72「クフィル」は購入予定。やっぱかっこええ。

「NEW KIT REVIEW」では電飾を施された美しい「ボーイング 737-800」や大スケール(1/32)の「ポリカルポフ I-16」、童友社の「AAV7A1」などなど、興味深いキットが取り上げられているが、今回は連載記事の作例に注目したい。まず『MA版 これだけは作ろう』ではタミヤ1/48「タイガーⅠ」のジオラマが完成している。連載10回を迎えるこの連載、これまで門外漢から見ると結構ジミ目なキット改造をコツコツやってるって印象だったんだけど、今回完成したジオラマは素晴らしかった。木製のベースの上にひょうたん型の地面を配置して(アイランド型って言うらしい)、大きい方の島(地面)にタイガー、小さい方の島に米軍のジープ&フィギュアという構成で、タイガーの上には大ぶりの樹木が影を落としている。いけばなで言うところの真副体が整った格調の高い作品だ。トーンも美しくまとめられていて、部屋に飾りたくなる。
 毎回楽しみにしている「FOLLOW YOUR HEART」にはとうとうメビウスの「オリオン号」が登場。待ってました! って感じ。「オリオン号」は映画『2001年宇宙の旅』(1968)のスペースプレーンで、劇中ではフロイド博士が宇宙ステーションに向かう際に搭乗している。登場シーンこそ少ないが、個人的にはメインの「ディスカバリー号」よりも断然「オリオン号」。作例は機体全面にスジ彫りを施し、キットに付属していないパンナムのロゴを自作している。さらに今回は宇宙ステーションのシャドーボックスの作例もあって、ついにページ増量。見応えがあった。「オリオン号」、随分前に買って、軽く仮組みしたきりなので作ってみようかな。



 - 作例リスト (掲載順) - 航空機 戦車 艦船 車/バイク ■その他

連載記事『地名を名に持つ船とその場所のエピソード 艦船諸国漫遊記 Vol.24』
『日本海軍 航空母艦 赤城』フジミ 1/700 ※スケルトンキットの作例

特集「やっぱり攻撃機」
『A-10C “ブラックスネークス”』イタレリ 1/48
『スホーイ Su-25K』スマー 1/48
『トーネード GR.Mk.4』ドイツレベル 1/48
『シュペル エタンダール』キティホーク 1/48 ※比較用にエレール1/48「エタンダール ⅣM」掲載
「バリエーション充実のハリアーで行こう!!」
 「ホカーシドレーハリアー GR.3」エアフィックス 1/72
 「シーハリアー FRS.1」キネティック 1/48
 「AV-8B ハリアーⅡ プラス」ハセガワ 1/48
『IAI クフィル C2/C7』アバンギャルドモデル 1/72
『F-2A スーパー改』ハセガワ 1/48「三菱 F-2A」改造

連載記事『モデリングJASDF 262回 赤い星を付けた仮想敵機を作る(2)トランペッター 1/48 殲撃 10B ヴィゴラスドラゴンを作る(2) 殲撃-10Cへのアップデート』
『殲撃 10C』トランペッター 1/48「J-10B ヴィゴス・ドラゴン」改造

連載記事『ジオラマ大作戦 NO.19 秋の公園の水辺を新発売の素材で作る (1)』
「マスターボックス」「ミニアート」などの1/35フィギュア・ストラクチャーを用いたジオラマ作品

情報「World Modelers News No.6 Kitti Tatsumaki氏にインタビュー」
「インドネシア空軍 Su-30MK TS-3001 “サンダーフランカー”」トランペッター 1/72 ※ジオラマ作品
「ロシア海軍 Su-33 フランカー D “Red 80」トランペッター 1/72
「US NAVY VF-2 F-14D スーパートムキャット “Bounty Hunter”」ホビーボス 1/72
「USAF 173rd FW サンダーボルトⅡ “Warthog”」アカデミー 1/72 ※ジオラマ作品
「JASDF 303rd Tactical Fighter Squadron F-15J」ハセガワ 1/72

特別記事
「ランボルギーニ ウラカン ベルフォマンテ 2017」アイドロン/メイクアップ 1/43 ※完成品の紹介記事

連載記事『MA版 これだけは作ろう 第10回 1/48 タイガーⅠバリエーションを作る(1)(完成編)』
『1945年4月ドイツ南部のフェールマン戦隊 ハイブリット・ティーガーⅠ』タミヤ 1/48「ドイツ重戦車 タイガーⅠ(初期生産型)」+「ドイツ重戦車 タイガーⅠ後期生産型」 ※ニコイチ改造、ジオラマ作品

NEW KIT REVIEW
『ボーイング 737-800』ズベズダ 1/144
『日本海軍駆逐艦 冬月』ウェーブ 1/350
『ポリカルポフ I-16 タイプ24』ICM 1/32
『M113 ACAV装甲騎兵戦闘車』AFVクラブ 1/35 ※ジオラマ作品
『米軍 M3 リー中戦車(前期型)』タコム 1/35
『陸上自衛隊水陸両用車 AAV7A1』童友社 1/35

連載記事『日本機大図鑑 連載第152回』
「十二試艦戦と零戦の転覆時保護支柱」

連載記事『北澤志朗のネオヒストリックガレージ 連載第90回』
『いすゞ ピアッツァXE(JR130)』フジミ 1/24

連載記事『FOLLOW YOUR HEART 第42回』
■『オリオン号 スペースクリッパー』メビウス 1/144
■『オリオン号 スペースクリッパー』Mana Studios 1/1400 or 1/2800 ※レジンキット。シャドーボックスの作例

 ヨドバシカメラ新宿西口本店 ケーム・ホビー館 第3回お客様が制作したスケールプラモ展示会 結果発表
 第6回 AFVクラブ杯 ミリタリーモデルコンテスト
 第28回 ピットロードコンテスト 審査結果発表!



 次号の特集はまたもやハウツー系の「知ってさらに納得 筆塗り塗装 (仮題)」。今月号に負けないくらいの充実を期待。


 

スペースクリッパー オリオン号」メビウス/プラッツ 1/144


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成田亨『成田亨画集 [復刻版]BOX』について

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 今月のはじめ、百太郎の感想をグズグス書いてる真っ最中に復刊ドットコムからメールが届いた。「伝説の2大画集、奇跡の復刊実現! 「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「マイティジャック」…。稀代の天才・ 成田亨が手がけたデザイン画やカラーイラストを大集成。 特撮ファン、アートファン必携のバイブルが、35年の時空を超えてついに 復刊決定です!」とのこと。以前『成田亨画集 メカニック編』(←前の記事へのリンクです)の感想を書いたけど、あの本とこの『成田亨画集 ウルトラ怪獣デザイン編』が分売なしのBOXセットになって復刊されるらしい。

 内容は下の商品リンクに詳しいが、上の画像の「ウルトラ怪獣デザイン編」に収録されているのは『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』に登場した怪獣・宇宙人のデザイン画・ラフスケッチ、雑誌『宇宙船』に掲載されたカラーイラストなど。「成田亨美術/特撮/怪獣」展のオフィシャル・カタログ『成田亨作品集』には収録されてない絵も結構あるし、「作品集」に収録されていても小さくて見づらかったデザイン画(「アントラー」「ネロンガ」等々)も大きく収録されている。巻末には著者による丁寧な解説もついていて、見はじめたらあっという間に数時間経ってたなんてことが普通に起こり得る一冊。

 予価は税込み9,990円。もともと1,800円の本なので高すぎるような気もするが、古書価からすると欲しかった人には嬉しい復刊ではないだろうか。予約者全員特典は「成田亨デザイン画のポストカード」。BOXのデザインがもうちょい良ければなあ。

 ※「復刊ドットコム」の販売ページ↓
 http://www.fukkan.com/fk/CartSearchDetail?i_no=68326252


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