いけ『ねこむすめ道草日記〈6〉限定版』

0 Comments
serpent sea
 

 いけ『ねこむすめ道草日記〈6〉限定版』徳間書店 2011 リュウコミックス

 この第6巻には「第30話」から「第35話」までの6話と、各1ページのおまけが5編収録されている。全体に粒揃いで、これまで感想を書いた6冊のなかでも最高の一冊だと思う。キャラと作画とストーリーとが、しっかり噛み合って、劇的な展開や感動話はないけど、充分に楽しめる作品になっている。とくに人間と妖怪との距離感が絶妙で、様々なコンタクトの形が描かれているのがすごくよかった。

 なかでも「第33話 真夜中に妖ラジオを聴きながら道草」は屈指のおもしろさ。深夜放送される妙なラジオに夢中になってる女の子の話。黒菜たちレギュラーはちらっとしか登場しない。終始人間の目線で描かれているが、同じくラジオを聴いている妖怪たちの何ともいえない表情が、細かく、効果的にインサートされている。ラジオっていうのがまた、この作品のカラーによく似合っている。

 そのほかのエピソードも楽しいものばかり。「河童」が女の子に泳ぎを教える(黒菜、狛犬姉弟も便乗)「第30話 河童の抜け道で道草」、「コックリさん」がむりやり恋愛相談に乗ろうとする「第35話 コックリさんの相談教室で道草」、どちらも人間の悩みをおせっかいな妖怪がなんとかしようとする話だけど、それぞれのキャラの個性とスタンスのおかげで、まったく異なった印象を受ける(余談だが「第30話」で「河童」を前に正座してる狛犬姉弟が実にかわいかった。この二人のフィギュア、ぜひセットで欲しい)。
「第31話 夜道に送られて道草」は「雪女」の伊吹と真白がメインの話で、レギュラーは出てこない。バイクで日本中を廻っている二人の日常から、ちょっとした出来事を切り取った感じのシンプルなエピソードだ。

 今回出番が少なめの黒菜は「第34話」の帽子姿が印象的だけど、扉絵を見ると「女郎蜘蛛」たちとの身長差がかなりあって、それもまたぐっとくるポイント。巻末で発表された人気投票の結果では、2回とも2位の独楽を大きく引き離す堂々の1位、さすが。

 それとこの第6巻の限定版には「初版限定付録 オリジナル同人誌」が付いてくる。30ページ強の小冊子に「喫茶 狐狸狐狸」という24ページの描き下ろしコミックと、「黒菜誕生秘話」が収録されている。「喫茶 狐狸狐狸」は「狐」と「狸」が女の子に化けて働いている喫茶店に、『ねこむすめよりみち日記』なる漫画の著者が来店する話。一人称が「ワシ」で語尾が「~じゃ」の「狐」の玉枝様がど真ん中だ。

 内容とは関係ないけれど、限定版だとカバーにバーコードが入ってない。イラストが綺麗なだけに嬉しい。


関連記事
serpent sea
Posted byserpent sea

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply