並木伸一郎『世界の未確認動物』

0 Comments
serpent sea
 星香留菜, 並木伸一郎, 志水一夫, ジョン・ホワイト共著『世界の未確認動物』学習研究社 1984 学研ポケットムー・シリーズ

 1984年初版だから、雑誌『ムー』の別冊としてはかなり初期の本だと思う。内容もかなりクラシックで味わい深い。カラーページは口絵の4ページのみで、本文はすべてモノクロ、画像や図も少なめで文章主体の構成となっている。似たようなのが色々あるからややこしいけれど、青いカバーの本だ。



・第1章 進化にとり残された高度な霊長類か「中国の野人、ヒマラヤの雪男」
※「ヒマラヤの雪男」については1921年英国の第1回エベレスト探検隊の目撃報告から、エリック・シプトンによる足跡の写真撮影、1970年ごろの目撃報 告までをざっと紹介している。「中国の野人」は1972年の人民解放軍による野人の射殺事件や、1983年の体毛の鑑定結果など、3ベージほどに多くの情報が詰まっている。

・コラム UMAって何?
※「UMA」とは未確認生物のなかでも「なるべく最近のもので、たしかに目で見て手で触れることのできる可能性のあるもの」(p.17)としている。また語源について動物研究家の實吉達郎が1976年の著書のなかで提唱したことが解説されている。
・コラム 巨大なミミズ、ミニョコン
※古めのUMA本を見てると、たまに出てくる「巨大ミミズ」。19世紀ブラジルでの2例が紹介されている。

・第2章 北アメリカ山中をさまよい歩く毛むくじゃらの獣人「ビッグフットは異星人か」
※パーターソン・フィルムをメインに、「ミネソタのアイスマン」(文中では「ミネソタの氷人」と表記)など。超能力者ピーター・フルコスの提唱した「ビッグフット異星人説」を結構マジに紹介している。

・コラム 大ダコ・大イカ
※十八世紀末、西アフリカ沖で船を襲った「大タコ」の話など。
・コラム ユニコーン
※「ユニコーン」の伝説について。

・第3章 科学調査にとらえられた“動く巨大な物体”「ネス湖の怪獣ネッシーを追う」
※聖コロンバ伝から、地上での目撃談など。メインは1972年のMITによる音波探知機と水中カメラを用いた調査について。

・コラム ニュー・ネッシー
※有名な事件の概要。ここでは「ウバザメ」説を押している。
・コラム オゴポゴ
※カナダのUMA「オゴポゴ」に関する伝説と三つの目撃例。

・第4章 アフリカの奥地にひそむUMA「モケレ・ムベンベ」
※原住民の伝説などにもにさらっと触れつつ、ロイ・マッカル博士の二度にわたる現地調査を紹介している。

・コラム 恐竜は絶滅してしまったか
※恐竜の絶滅理由についての諸説を挙げ、アマゾンや海にはまだ生存している可能性があるという。
・コラム ドラゴン
※「ドラゴン」の伝説について。もとになった生物が実在していた可能性はあるが、確証はないとのこと。

・第5章 船を転ぷくさせ、すごい力でしめつけた「大洋の怪物大ウミヘビ」
※1817年アメリカのグロスター港の「大ウミヘビ」、有名なデイダラス号の事件、1964年オーストラリアのホワイトサンデー島における目撃例を主に紹介している。オーストラリアのものは、手こぎボートが一緒に写ってる有名なカラー写真が撮影されたときの状況。

・コラム アマゾンの大ヘビ
※体長40〜60メートルに達するといわれる「ジャイアント・ボア」と、20メートルの「ジャイアント・アナコンダ」についての伝承と目撃談。2ページ。

・第6章 高空にひそむ未知の生命体「プラズマ生物スペース・クリッター」
※成層圏から上で生息するというSFチックな発光生命体について。UFOの写真の多くはこの生物を捉えたものであるという。

・コラム ホダニック
※19世紀にアメリカで捕獲され見世物にされたというフェイクの怪物。興味深い記事だった。

・第7章 人間か魚か─未知の海洋生物を見た人びと「“人魚”目撃記録」
※前章からの振り幅がすごい。童話のなかの出来事ではなくて、実際の目撃談。17世紀から18世紀にかけての目撃例をいくつか。「オラン・イカン」など20世紀に入ってからのものも紹介されているが、「人魚」というよりも「カエル人間」といった雰囲気。

・コラム ジェニー・ハニバース
※有名なエイを用いたフェイクの怪物について。以前国内で同様のものが、スルメなんかを売ってる露天商の店頭に吊り下げられているのを見たことがある。

・第8章 屈斜路湖に出現した湖底怪獣クッシー「日本の未確認生物」
※「クッシー」「イッシー」「ヒバゴン」「ツチノコ」について。1971年頃、和歌山県の山中で目撃された「ライオン」にも触れられている。

・コラム 絶滅した鳥たち
※「ドードー鳥」と「モア」について。2ページ。

 以上各章見出しの「」内は大文字。



 センセーショナルに煽るようなスタイルをとってないから、良くいえば全体的に落ち着いた感じ、悪くいえばごく地味な印象の本だった。とはいうものの「ビッグフット異星人説」や「プラズマ生物スペース・クリッター」など、考えてみれば(考えなくても)じわじわくるネタを散見することができる。UFOとUMAはやっぱ混ぜない方がよさそう。
 突っ込みは浅めで、扱っているUMAの種類も少ないから、入門書としても微妙な感じだけど、随所に挿入されているコラムはなかなか読み応えがあった。


関連記事
serpent sea
Posted byserpent sea

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply