横溝正史『首』

 

 横溝正史『首』(『』角川書店 1976 角川文庫 金田一耕助ファイル11 所収)

 最近午前中にずーっと古谷一行の金田一シリーズがやっている。毎日録画してるんだけど、なかなか見れないのが歯がゆい(このすば見ました! )。昨日は『悪魔の花嫁』をやってて、レコーダーの番組内容を見てみると「おなじみ、古谷一行扮する金田一耕助が鋭い推理で事件に挑む大人気シリース! 金田一宛に届いた手紙に、次々起こる殺人、謎が謎を呼ぶ事件に巻き込まれ…」とある。めっちゃ汎用性の高い解説だ。ちなみに今日やってた『黒い羽根の呪い』は「金田一耕助が、過去の事件に絡んで起こる連続殺人事件の謎に挑む!」って感じで、これまた汎用性が高いというか、ほとんどの金田一ものに当てはまるなこれ。

 この作品も『獄門岩の首』というタイトルでしっかりドラマ化されている。舞台は岡山県の山中の集落。そこで三百年前の名主殺害を再現したかのような事件が発生した。滝の途中に突き出た「獄門岩」に男の生首が遺棄されていたのだ。胴体は下流の「首なしの淵」で発見された。犯人が逮捕されないまま一年ほどが過ぎて、「磯川警部」に連れられた「金田一耕助」が捜査に着手した矢先、再び獄門岩の上に生首が発見される。被害者は映画撮影のため村に滞在していた映画監督だった。去年と今年、二つの事件の関係者にはなんの関連もみられない。再度発生した凄惨な事件に「名主の祟りではないか」などと言い出す者までいる。同じ手口で行われた二つの犯行の関係とは??

 また生首かよ! というのはさておき、この作品は導入部の雰囲気がすごくいい。というのも金田一ものって、なかなか金田一が出てこない作品が結構あって、ヤキモキさせられることが多いのだ。しかしこの作品に関しては最初の最初から金田一が出ずっぱり。冒頭の奥歯にものの挟まったような磯川警部と、また面倒なことになりそうだなーと感じながらも、唯々諾々と観光案内されてる金田一、二人の間のなんとも言えない空気が絶妙だった。ぐたぐたしてるうちに自然に巻き込まれていってるのが面白い。三百年前の事件とその祟りが、あまりクローズアップされないのが少々物足りなかったけど、いい具合に騙されつつ楽しく読むことができた。
 で、生首について。今回の生首にはしっかり生首ならではの理由があって、自分にはわからなかったけど、推理小説をよく読む人にはすぐに犯行状況に察しがついてしまうかもしれない。それにしても金田一シリーズ、さすがに生首多すぎだろって感じなんだけど、ちょっと前に読んだ小林信彦との長い対談のなかで著者はこんな風に語っている。「ぼくは首取るのが好きなのよ。(※)」


 ※小林信彦編『横溝正史読本』角川書店 1976 p.38



『首』(旧題『花園の悪魔』)
 角川書店 1976 角川文庫 金田一耕助ファイル11
 著者:横溝正史

 収録作品
 「生ける死仮面
 「花園の悪魔
 「蝋美人」
 「

 ISBN-13:978-4-0413-0443-3
 ISBN-10:4-0413-0443-1


関連記事
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

コメント

コメントの投稿

非公開コメント


(この一行は、各ページ下部に固定表示するサンプルです。テンプレートを編集して削除もしくは非表示にしてください。)