『ほんとにあった怖い話〈17〉読者の恐怖体験談集』

ほんとにあった怖い話〈17〉読者の恐怖体験談集』朝日ソノラマ 1992 ハロウィン少女コミック館

 全国の霊感少女、元霊感少女が続々登場して、「山ほどある」心霊体験を競うように披露している。全体の傾向は前巻によく似ているが、作画、構成はかなり向上している。構成に関しては凝れば凝るほど「ほんとにあった」感が失われていくから、痛し痒しといったところ。気になったのは霊感少女たちの霊体験がよく似通っていることで、中には相談事を持ち込まれるようなセミプロもいるのだが、霊体験自体に目立ったところはない。そんな長めのエピソードが大半を占めているため、またかよーと思うことも度々だった。投稿者の多くは主婦やOLで、対象年齢がやや上がってる感じ。

 そんな中で印象的だったのは『窓にうつる少女 他』 の2編、「第四話 窓にうつる少女」と「第五話 蛇の目がさの女」だった。「窓に〜」は旅先のホテルで、「蛇の目がさ〜」は近所の路上で、ただなにかを見ただけのシンプルな話だが(「窓に〜」には後日談がある)、それだけに「なにか」の面白さが重要になってくる。
「窓に~」で窓ガラスに映ったのは、日本人形のようなおかっぱの少女の姿だった。チラッとじゃなくしばらく映ったままだったので、不思議に思った投稿者があれこれと試しているのが面白い。「蛇の目がさ~」の投稿者はその辺の路上で蛇の目傘をさした和装の幽霊を見た。これ以上ないくらいシンプルなエピソードだが、和風情緒たっぷりで、幽霊の表現も押し付けがましくなくて実にいい雰囲気だった。作画の水準も高い。やっぱ短めの話の方がキレがあるな。



『恐怖は雨音と共に…… 他』画・黒田祐乎 ’91『ほんとにあった怖い話』11月号、’92年1月号 掲載
 「第一話 恐怖は雨音と共に……」投稿者・埼玉県 本田奈々央さん(仮名) ※霊感少女・心霊スポット・コックリさん
 「第二話 最後にひと目…」投稿者・神奈川県 仲川慈子さん ※霊感少女

『第三話 摩訶不思議母さん』投稿者・東京都 江川加奈さん(仮名) 画・天ヶ江ルチカ ’92『ほんとにあった怖い話』1月号 掲載 ※霊感少女(霊能者)

『窓にうつる少女 他』 画・佐和田知生 ’91『ほんとにあった怖い話』11月号、’91『ハロウィン』8月号 掲載
 「第四話 窓にうつる少女」投稿者・神奈川県 匿名希望さん ※旅先の怪談
 「第五話 蛇の目がさの女」投稿者・広島県 沖家美津江さん ※路上の怪

『第六話 海辺の幻視(ヴィジョン)』投稿者・神奈川県 P.N あめちゃん(文中では亜希子にしました) 画・山口夏実 ’91『ほんとにあった怖い話』1月号 掲載 ※虫の知らせ

『もうひとりの兄 他』画・渡辺杜都 ’91『ほんとにあった怖い話』1月号、’91『ハロウィン』11月号 掲載
 「第七話 もうひとりの兄」投稿者・匿名希望さん ※ドッペルゲンガー・金縛り
 「第八話 何かが部屋にやってくる」投稿者・福井県 熊谷愛子さん ※金縛り

『第九話 幻の部屋』投稿者・東京都 茂手木裕美さん 画・森須久依 ’91『ほんとにあった怖い話』1月号 掲載 ※旅先の怪談

『闇の中の視線 他』画・植松麻里 ’91『ハロウィン』8月号 掲載
 「第十話 闇の中の視線」投稿者・東京都 山本のぞ美さん ※心霊スポット
 「第十一話 封印された仏壇」投稿者・福岡県 匿名希望さん

『第十二話 辻に棲む霊』投稿者・未詳(普通の女子高生) 画・松世眞由美 ’91『ハロウィン』9月号 掲載 ※路上の怪

「※印」は各話の簡単な分類。サブタイからは内容がよく分からない話などに適当につけた。投稿者名の敬称については作中の表記通り。



『ほんとにあった怖い話〈17〉読者の恐怖体験談集』
 朝日ソノラマ 1992 ハロウィン少女コミック館
 著者:渡辺杜都 他

 ISBN-13:978-4-2579-8217-3
 ISBN-10:4-2579-8217-9


関連記事
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

コメント

コメントの投稿

非公開コメント


(この一行は、各ページ下部に固定表示するサンプルです。テンプレートを編集して削除もしくは非表示にしてください。)