いけ『ねこむすめ道草日記〈5〉』

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 いけ『ねこむすめ道草日記〈5〉』徳間書店 2010 リュウコミックス

 これまでとはなんとなく感触の違う第5巻。全5話+番外編を収録。そのうち三つのエピソードは連続した話になっている。

 まずはその連続する三つのエピソード(第27話~第29話)について。今回は黒菜と獅子丸がペアで行動する。この取り合わせは結構新鮮だった。衣装もかわいいし。新たに登場する「メリーさん」「塵塚怪王」などのキャラも、意外性のあるデザインでよかったと思う。ところがこの三話続きの話、せっかくなのにあまり楽しむことができなかった。1話めにあたる「第27話」については、獅子丸張り切ってるなぁとか、獅子丸姉思いだなぁって感じで、希少な獅子丸回を堪能することができたから、あれ?? ってなったのは「第28話」からだと思う。

 冒頭で黒菜たち一行は地下の「秘密基地」に潜入する。「秘密基地」といっても子供が作ったようなささやかなものではなくて(そうだったら良かったんだけど)、ガラクタで構成された巨大な地下空間である。「第28話」「第29話」はこの超常的な空間が舞台となる。好みにもよると思うけど、このすっかり異界と化した風景のなかの妖怪には、あまり魅力を感じなかった。やっぱり近所の風景のなかの妖怪の方が魅力的だ。またほぼ同様のテーマを扱った第4巻「第24話 真夜中のひな祭りで道草」と比較すると、三話続きというのは少し長過ぎるような気もする。

「第25話」は黒菜が「狸」を身代わりに立てる話。狸が出てくるだけで一気に民話っぽくなるのがおもしろい。「第26話」は前巻で登場したコックリさんと千夏の、歳の差カップルをメインにした小学校のある日の出来事。二人のギャップや、千夏にちょっかいをかけずにはいられないコックリさんが微笑ましい。「千夏は兎が好きなのかや? 女の子らしいのう」(p.44)というコックリさんのセリフは、その劫を経た感じが滲み出た名ゼリフだと思う。エロガッパ三人(匹)がせっせと盗撮に精を出す番外編では、そんなコックリさんの秘めやかな一面が明らかにされる。本編よりも少しエロ度高めで、まさに番外編って感じ。

 この巻では巻頭のカラーページが見開きのイラストになっていて、渓流っぽいところで遊んでる黒菜と狛犬姉弟が描かれている。森のなかの空気の清浄さが伝わってくるような美しいイラストで、開いた瞬間におおっ! となった。


 ※フキダシからの引用は、読みやすいように改行を調整しています。


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