南山宏『謎の未確認生物 UMAミステリー』

 

 南山宏監修, オフィスJ.B 他編集『謎の未確認生物 UMAミステリー』双葉社 2011 双葉文庫 V-01-06

 この本は2009年に出た同タイトルのコンビニ本を再構成したもので、元の本を持ってるからスルーするつもりでいたのだが、もうちょいで送料無料になるよってことで購入。こういう時は色々迷わずに、持ってないUMA本を買うことにしている。で、買ってみるとやっぱ電車で読むには文庫サイズは最適で、丸々二日も楽しませてもらった。コンビニ本と比べて紙質がいいのと、縮小された画像がクリアに、生々しく見えるのも良かった。
 内容は下記の通り全部で五つの章に分かれている。一般的?なUMA本では大抵「海のUMA」「陸のUMA」といった生息地域や、「シーサーペント」「獣人」って感じのおよその見た目、もしくは両方のいいとこ取り(混合)による分類が定番なんだけど、本書の場合は自由というか大雑把というか少々変わっていて、それが大きな特徴になっている。各項目は基本1項目につき3ページ、細かくキャプションの付いたグッとくる(かっこいい・グロい)画像を中心に、あと付随情報が載っている。掲載されてる画像にはネット上に出回っているものも多く、フェイクだろうと何だろうと、ほぼ「真物」の体で押していくスタイル。

「口絵」
「巨人」「グロブスター」「妖怪ミイラ」などのいい感じの画像を掲載。

「第一章 異界からの訪問者? 不気味な怪物たち」
 第一章から微妙な怪物のオンパレード。「ドーバーデーモン」から「人魚」まで16項目、14種が紹介されている。空飛ぶ怪獣「ジーナ・フォイロ」や、オーストラリアの水陸両棲獣「バンイップ」といった正体不明の怪獣もこの章に収録されている。また雑誌『ムー』とその別冊の読者にはおなじみの「翼猫」が、ここに堂々と取り上げられている。大出世だ。『化物語』のヒットを受けての抜擢だったりして。あとコティングリーの妖精写真が未だに現役。「ほとんどフェイクだが1枚だけはマジで本物」という撮影者の証言を紹介している。

「第二章 伝説なんかじゃない! 日本の幻獣たち」
 ノスタルジックな日本のUMA「イッシー」「ツチノコ」「ヒバゴン」と、妖怪「河童」×2「鬼」「烏天狗」の7項目、6種が収録されている。「鬼」「烏天狗」は各地に残る「妖怪ミイラ」を紹介。「鬼」については我々が考える以上に実在していた可能性が高いとのこと。日本産の怪物を取り扱う場合、UMAと妖怪がごちゃまぜになるのはよくあることなんだけど、UMA本なだけに妖怪の方が多いのはどーかと思う。ただ近年の日本産UMA事情を考えてみると、メジャーなのは「スカイフィッシュ」と「グロブスター」くらいで、非常に寂しいことになってるのだが……。

「第三章 世界各地で目撃! ナゾの巨大生物の正体は?」
 最も収録項目の多い章。22項目、21種が収録された本書のメインである。「ネッシー」「モケーレ・ムベンベ」「チャンプ」「ミゴー」などの主だった水棲UMAをはじめ、コンゴの一角獣「エメラ・ントゥカ」ノルウェーの「セルマ」など、生息域、マイナーメジャーは問わず、とにかくでかいUMAが集められている。中には小さめの「タッツェルヴルム」なんかも混ざっているが、「大蛇」や「グロブスター」もこの章。
「タッツェルヴルム」については、1934年に撮られた有名なフェイク写真が掲載されていて(p.137)、偽物と断じられたこともきちんと解説されている。UMAファンの人なら一度は見たことがあると思うが、妙に表情のある白いコイみたいな生き物が写った白黒写真である。自分はこのとぼけた写真が大好きなのだ。パッと見てこりゃ偽物だろ?? と思いつつも、ほんの少し(超少し)だけ「もしかすると……」って可能性も感じさせる。見事な出来栄えである。同様にとんでもサイズの大蛇が写り込んだモノクロの空撮写真(p.135)も素晴らしい。

「第四章 原人か? エイリアンか? 遭遇多数! 巨人・獣人」
「イエティ」「ビッグフット」「ヨーウィ」などなど、獣人タイプのUMAが一通り収録されている。15項目、13種。このブログでも何かにつけて触れてきた「オラン・ペンデク」もここ。最近新たに展開があった「ホモ・フローレシエンシス」についてもしっかり解説されている。突然「狼男」が紛れ込んでいて、なんだこりゃ?? って思ったけど、確かに獣人だ。変身するけど。それから「アルマス」の雌の想像図が腰まで垂れる勢いの巨乳でインパクトがあった。

「第五章 遺伝子組み換え・プラズマなど 新型UMA登場!」
 登場したかと思ったら、あっという間に退場してしまった感のあるUMAも含まれているが、とりあえず2011年の時点で最新のUMAが集められている。収録されているのは「フライング・ヒューマノイド」「チュパカブラ」「スカイフィッシュ」「クリッター」「怪生物」の5項目。「怪生物」にはロシア(←名指し)の遺伝子組み換え実験によって誕生した生物が紹介されている。この系統の生物をUMA扱いするのって、なんかちょっと違うなーと思う。もしその辺を歩いてるの見かけたら、うお! UMA?? ってなるかもしれないけど、それ作ってる博士にとっては完全に「確認済み生物」なわけで、「未確認生物」って括りからは盛大に外れてしまっている。

 上記の各章の他に「宇宙のUMA! 火星にビッグフット出現?」など3編の「UMAコラム」も収録されている。
 色々思うところはあったものの、雑多な感じが楽しかった。子供のころ以来UMA本買ってないなーって人には、まずはオススメできると思う。中身の変わってなさに驚くかもしれないけど。



『謎の未確認生物 UMAミステリー』
 双葉社 2011 双葉文庫 V-01-06
 監修:南山宏
 編集:オフィスJ.B 他

 ISBN-13:978-4-5757-1377-5
 ISBN-10:4-5757-1377-0


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