『原始獣レプティリカス 冷凍凶獣の惨殺』

0 Comments
serpent sea
 原始獣レプティリカス 冷凍凶獣の惨殺

 現在絶賛公開中の『シン・ゴジラ』(2016)、いつになったら見に行けるのか不安な数日を過ごしてたのだが、ようやく今週中に劇場に行けそうなメドが立った。めっちゃ楽しみ! きっとすごい作品に違いない。見もしないうちになに言ってんだ、と思われるかもしれないが、とにかくあの「シン・ゴジラ」のデザイン&造形が好きなので、アレにOKを出したスタッフならきっと素晴らしい作品を作ってくれると信じているのだ。
 CSではそんな話題作のおかげで美味しい関連作品が何本も放映されている。先日は『原子怪獣現わる』(1953)『パシフィック・リム』(2013)『怪獣ゴルゴ』(1961)を連続でやってて、円盤持ってるのにダラダラと見てしまった。あとこれに『キング・コング』(1933)と『プルガサリ 伝説の大怪獣』(1998)あたりを加えれば、「ゴジラ」周辺の主要な作品がとりあえず出揃う感じのラインナップだ。

 てことで昨日寝る前に、珍しいデンマーク製の怪獣映画『原始獣レプティリカス 冷凍凶獣の惨殺』を見た。

 ラップランドの鉱山から凍り付いて化石化していない古生物の体の一部(尻尾)が発掘され、コペンハーゲンの研究所へと送られた。研究所では管理ミスから標本を解凍してしまうが、その結果生物がまだ生きており、傷口が再生しつつあることが判明する。そこで研究所では標本を水槽に移し、栄養を与え続けることにした。
 やがて標本(古代の爬虫類)は科学者たちの予想を上回る成長を遂げ、雷の鳴り響く夜に水槽から逃走する。尻尾から再生し巨大モンスターと化した生物は、調査の結果、水中に消えたらしいことがわかった。警戒を強めた軍は、陸上に現れた怪獣「レプティリカス」を攻撃、さらに海中に逃れたところに爆雷攻撃を敢行する。
 結局、トドメを刺すことができずに数日が過ぎ、再び白昼のコペンハーゲンの街に現れたレプティリカスは、数百メートルのサイズまで成長しており、狂ったように街を破壊しはじめた。
 この水陸両生の巨大爬虫類「レプティリカス」は、これまで確認された古生物とは全く異なった生物である。口から緑色の「酸性粘液」を吐き、人を喰らう。めっちゃ凶暴だ。バラバラになった体の断片からも全身を再生する可能性があるため、爆薬を用いた攻撃ができない。さて、そんな厄介な怪物を軍は撃滅することができるのだろうか。

「特撮のチャチさでZ級怪獣映画と長年云われてきた」なんて解説に堂々と書いてあるから、バカ映画なのかなーとか思いつつ見始めたが、デンマーク人の気質によるものか、非常に真面目に作られたまっとうな怪獣映画だった。まずプロローグがよかった。ボーリングのドリルの先端を調べてみると、土砂に混じってリアルな組織片(グロい)と血液が見つかる。冷凍マンモスの話なんかも出てきて、興味をそそられる導入である。それから軍隊が一方的に攻撃する第一回戦もよかった。ギョエェーとか叫びながら緑の毒液を吐き散らかす怪獣の姿が印象的で、まさに「凶獣」って感じ。

 怪獣の発見から攻防までをぶれずに描ききった本作では、怪獣が成長しきるまでの「間」がネックになっている。そのため中盤で怪獣が逃走するまではかなりぐだぐだで、次々に登場する人物の挨拶で時間を使ったり、どうでもいいようなコメディっぽいシーンが挿入されたり、長々とコペンハーゲンの観光地が映し出されたりする。
 レプティリカスが白昼堂々と登場してからの展開は、科学者チーム→軍隊へのバトンタッチがスムーズに行われないこともあって、多少のもたつきこそあるものの、ものすごい数のエキストラによるパニックシーンや、コペンハーゲンの大破壊(大ってほどでもないかな)など見どころが多い。特撮も「酸性粘液」の表現以外は思ったより悪くなかった。コペンハーゲンの美しい街並みが再現されたミニチュアもよくできていたし、そこで体をくねらせて暴れまわる怪獣も気持ち悪くてよかった。このレプティリカス、見た感じは「ヘビ」……というか『海底軍艦』(1963)の「マンダ」をクシャっとしたような形態で、劇中では操演とパペット(手踊り)により表現されているように見える。パペットだとすると撮影に用いられた怪獣はかなり小さいはず。またモノモノしい軍隊の客演も見どころの一つになっているが、怪獣と軍隊(戦車、歩兵)との距離感や目線がまるでデタラメなあたりに、製作者の不慣れさ、手探り感がにじみ出ている。それでも最後の「お約束」まで真面目に作られてるのには好感が持てた。



『原始獣レプティリカス 冷凍凶獣の惨殺』(“REPTILICUS”)
 1961 アメリカ/デンマーク
 監督:シドニー・ピンク
 出演:ベント・メディング/アズボーン・アンダーソン/アン・スミルナー/ミミ・ハインリヒ/カール・オットーセン
 上映時間:81分


関連記事
serpent sea
Posted byserpent sea

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply