成田亨『成田亨画集 メカニック編』

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serpent sea
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 成田亨『成田亨画集 メカニック編』朝日ソノラマ 1984

 著者、成田亨は画家、彫刻家、デザイナー。『ウルトラマン』をはじめとする特撮作品において、尋常ではない数の歴史的デザインを世に送り出した。この本は1980年代に朝日ソノラマから刊行された全2巻の画集のうちの第2巻。少し前に「成田亨美術/特撮/怪獣」展のオフィシャル・カタログとして『成田亨作品集』という素晴らしい作品集(未発表作品を含む515点を収録)が出たが、それには含まれない複数の作品が収録されている。

 収録作品は『マイティジャック』『戦え! マイティジャック』『ウルトラセブン』『ウルトラマン』『ウルトラQ』『海底大戦争』(1966)『空中戦艦』(1966/企画)『アストロ5』(1966/企画)『宇宙快速船』(1961)『まぼろし探偵』他のメカニック、コスチューム、基地のデザイン。今回は『成田亨作品集』と重複してない作品を、『マイティジャック』を中心に少しだけ紹介。下の「続きを読む」から。


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 上「出撃」下「MJ号オリジナルデザイン」
『マイティジャック』関連ではカラーイラストの他、モノクロのドローイングと方眼紙に描かれた図面が20ページにわたって掲載されている。海中から飛び出した「MJ号」(マイティ号)を描いた「出撃」は、ビデオのジャケットのために描かれたもの。

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 上「怒涛を切るMJ」下「南太平洋」
 重厚な筆致で描かれたMJ号と南の海。ともに油彩画。MJ号の艦橋のデザインは、著者が大好きだったという日本海軍の重巡「愛宕」の艦橋によく似ている。

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 上「ピブリダー発進」下「攻撃するピブリダー」
 上下ともにビデオのジャケット用の作品。「ピブリダー」はMJ号に搭載された小型の単座戦闘機。でかいエンジンに跨るようなシンプルなレイアウトのデザインだが、面構成はかなり複雑。女性隊員が主に搭乗するという「エンジェルインターセプター」を思わせる設定もかっこいい。劇中では主翼の形状の異なる機体も登場している。著者によると「できるだけ小さく充実した形にしたいと思った」(p.81)とのこと。

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「総出動」
 これもビデオのジャケット用の作品。ピブリダーの後ろにいるのは水空両用特別偵察機「エキゾスカウト」。スペシャル感のあるイラスト。重なるように描かれたメインのメカもさることながら、爽快な背景の表現が素晴らしい。

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 上「ウルトラホーク1号」下「ウルトラホーク3号」
『ウルトラセブン』の看板メカ。劇中ではやや地味な存在だったホーク3号がめっちゃかっこいい。富士山のよく似合うこと。尾翼の文字を見て分かるように、なぜかこのイラストは裏焼きで掲載されている(上記の『成田亨作品集』では正しい向きで掲載)。著者はウルトラシリーズのメカをデザインするにあたって、「有効な「影」を多く作る単純な形」を意識したという。その結果、今なお色褪せないシャープで美しいデザインの数々が生み出された。

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 上「ハイドランジャー・デザイン」中「宇宙ステーション・デザイン」下「宇宙ステーションV3・デザイン」
「ハイドランジャー」はソ連の潜水艦をベースにデザインされたという。下の「宇宙ステーションV3」はウルトラシリーズに限らず、全架空の宇宙ステーションの中でも屈指のかっこよさ。劇中でも印象的に運用されていた。

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 上「S号デザイン」中「S号試作デザイン」下「ビートル、S号デザイン」
『ウルトラマン』に登場する特殊潜航艇「S号」関連3枚。セブンのメカのシックな配色と比べて、シルバーに赤の『ウルトラマン』のメカはずいぶん華やかだ。下はビートルとS号のドッキング案。中段の「S号試作デザイン」の特徴的なY字型の艦尾は、ビートルの垂直尾翼をクリアするためのアイデアだったことが分かる。しかしどうやって下ろすんだこれ。

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「永久エネルギー」
 鉛筆で描かれたシャープなドローイング。ポスター欲しい。

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「未発表、Qの潜水艦」
『マイティジャック』の敵役、秘密組織Qの潜水戦闘機のスケッチと、簡単な4面図。この画集に載せるために新たに描かれた。表紙(油彩)のメカはこの艦なのかな。

 巻末には著者によるエッセイ「メカニズムについて」が収録されている。成田亨関連では本書の上巻にあたる「ウルトラ怪獣デザイン編」、最初に書いた『成田亨作品集』、『モンスター大図鑑』、『特撮美術』などがあるので、機会があれば紹介します。



『成田亨画集 メカニック編』
 朝日ソノラマ 1984
 著者:成田亨

 ISBN-13:978-4-2570-3186-4
 ISBN-10:4-2570-3186-7


  成田亨『成田亨画集 メカニック編


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serpent sea
Posted byserpent sea

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serpent sea  
Re: No title

>>軍曹亭! さん
コメントありがとうございます!
実はこれまでCSでやってたのを飛び飛びに流し見したことしかなかったのですが、
コメントをいただいて、見直してみました(結局1話まるまる見てしまった)
いやーカッコいいですね。特撮やメカもさることながら、音楽が素晴らしい。なんとも壮大でした。
今回見たのは残念ながら二谷英明が出ないOPだったらしいのですが、引き続き続きを見たいと思います。
しかし今見ても手抜き感が全然なくてすごいですね。MJ。

2016/06/29 (Wed) 23:53 | EDIT | REPLY |   
軍曹亭!  
No title

MJと言えばOPでのハッチからスーツタイプの制服で登場する
「二谷英明」の姿は今見てもカッコ良くてシビれます!

2016/06/29 (Wed) 15:40 | EDIT | REPLY |   

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