『ほんとにあった怖い話〈13〉読者の恐怖体験談集』

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ほんとにあった怖い話〈13〉読者の恐怖体験談集』朝日ソノラマ 1991 ハロウィン少女コミック館

 わりと粒の揃った印象の第13巻。中でも『幻燈の下で 他』は絵の上手さも怪異の表現も群を抜いている。ごった煮的なアンソロジーには、たまにこういう作品が混じっているのでほんと侮れない。「第一話 幻燈の下で」は兵士っぽい幽霊の出る幽霊屋敷と、祖父の死を知らせる光の玉の話。「第二話 踊り場の住人」は学校の怪談の踊り場に出る生徒の幽霊の目撃談。どちらも取り立てて特徴の無い古典的なストーリーだが、作画担当者の手腕によってその魅力が最大限にまで引き上げられている。この作画担当の時任竹是という人、全然知らなかったんだけど「鯛夢」というペンネームで現在もこのジャンルを中心に活躍中。『新耳袋』のコミカライズを買った覚えがあるので、機会があれば読み直して感想書きます。

 その他、目立ったエピソードはというと、「第四話 火の玉が来る夜」が面白かった。『13日の金曜日 完結編』(1984)と『ザ・キープ』(1983)の二本立てを彼氏と見に行った体験者が、すごいスピードの火の玉に追いかけられるという話。体験者と彼氏の他にも、大勢の友人が一緒に火の玉を目撃している。また体験者は以前に心霊スポットを訪れた際、タチの悪い霊に憑依された経験を持つ。初期の頃にはほとんどなかった心霊スポット探訪譚が、この辺からポツポツと出始めている。ところで体験者が見た『ザ・キープ』という作品、残念ながらあまりソフトには恵まれてないけれど、吸血鬼もののファン、それからWWⅡのドイツの軍装、ソフトスキンのファンには凄くオススメ。原作(『城塞』角川文庫、『ザ・キープ』扶桑文庫)も上下巻で読み応えがある。



『幻燈の下で 他』画・時任竹是 ’91『ハロウィン』増刊『ほんとにあった怖い話』VOL.13、VOL.14 掲載
 「第一話 幻燈の下で」投稿者・東京都 匿名希望さん ※幽霊屋敷・虫の知らせ
 「第二話 踊り場の住人」
  「踊り場の住人」投稿者・大阪府 矢野亜岐さん ※学校の怪談
  「踊り場の住人 (2)」投稿者・東京都 松本薫さん ※学校の怪談

『第三話 闇の中の顔』投稿者・静岡県 渡辺ゆかりさん 画・山口夏実 ’91『ハロウィン』増刊『ほんとにあった怖い話』VOL.13 掲載 ※霊感少女(主婦)

『火の玉が来る夜 他』画・丸傳次郎 ’90『ハロウィン』増刊『ほんとにあった怖い話』VOL.12、’90『ハロウィン』10月号 掲載
 「第四話 火の玉が来る夜」投稿者・東京都 太田知佳さん(仮名) ※心霊スポット
 「第五話 しのびよる足音」投稿者・大阪府 山本陽子さん

『第六話 予兆現象』投稿者・大阪府 宮崎マキ子さん 画・谷ゆたか ’90『ハロウィン』増刊『ほんとにあった怖い話』VOL.12 掲載

『義母の気配 他』画・三浦尚子 ’90『ハロウィン』増刊『ほんとにあった怖い話』VOL.11、VOL.13 掲載
 「第七話 義母の気配」投稿者・東京都 川島幸子さん
 「第八話 白猫は死神の使い」投稿者・静岡県 中村咲栄さん ※金縛り・猫
 

「※印」は各話の簡単な分類。サブタイからは内容がよく分からない話などに適当につけた。投稿者名の敬称については作中の表記通り



『ほんとにあった怖い話〈13〉読者の恐怖体験談集』
 朝日ソノラマ 1991 ハロウィン少女コミック館
 著者:時任竹是

 ISBN-13:978-4-2579-8171-8
 ISBN-10:4-2579-8171-7


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