『ほんとにあった怖い話〈12〉読者の恐怖体験談集』

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serpent sea
ほんとにあった怖い話〈12〉読者の恐怖体験談集』朝日ソノラマ 1991 ハロウィン少女コミック館

 オール霊感少女、霊感主婦大進撃回。1エピソードに複数の体験談が含まれていて、その分収録数は全9話と少なめ。「まず私の子供の頃の話から聞いて下さい……」って感じで、みんな生い立ちから語り始めるから一つの話が長い。典型的なのは小学校6年生の頃の心霊体験から、心霊スポット探訪、思春期に憑依されて霊能者にお世話になったことなどを語り尽くす霊感主婦の投稿「第二話 深淵から……」。「第三話 闇の人形」「第七話 深夜勤務」も同様の霊感少女による体験談である。どの作品もかなり整理されているけど、もとの投稿文は相当の長さだったはずで、作画担当者の苦労がしのばれる。またこうして霊感少女の投稿をまとめて読んでみると、それぞれの体験談が似通っていることに驚かされてしまう。同じように過ごしてきてるんだから、そこで体験する現象も似たようなものになるってことだろうか。あとこの巻に限らず「霊感少年」が全然出てこないのも不思議だ。掲載誌が少女向けとはいえ、これまでにも男性読者からの投稿は少なからずあったのだが。

 そんな似た感じの話が並んでいる本巻だが、間に挟まってるほんの短いエピソードが効いていて、退屈になりそうなところをよく緩和している。「第四話 三つの不思議」では女子高生が伐採される木の声を聞いたり、飼っていた小鳥が逃げ出したことを離れた場所から知覚する。「第九話 幼い私に見えたモノは!?」で、投稿者が見たのは白無垢を着たキツネの姿だ。これら短い(最短3ページ)エピソードにはヤマもオチもない。一つの場面を切り取っただけって感じで、それが実に実話怪談らしい。読み応えって点ではさすがに物足りないが、イメージは鮮やかに印象に残る。



『深夜の訪問者たち 他』画・黒田祐乎 ’90『ハロウィン』増刊『ほんとにあった怖い話』VOL.11、VOL.12 掲載
 「第一話 深夜の訪問者たち」投稿者・埼玉県 桂木まりあさん(仮名) ※霊感少女(主婦)
 「第二話 深淵から……」投稿者・大阪府 匿名希望さん
  「Part1 白蛇様」 ※蛇
  「Part2 霊園墓地にて」 ※心霊スポット
  「Part3 深淵から……」 ※霊感少女・エクソシスム

『闇の人形 他』画・ひとみ翔 ’90『ハロウィン』増刊『ほんとにあった怖い話』VOL.11 掲載
 「第三話 闇の人形」投稿者・北海道 匿名希望さん ※人形・霊感少女・金縛り
 「第四話 三つの不思議」投稿者・静岡県 田中祐子さん

『父の想い 他』画・植松麻里 ’90『ハロウィン』9月号、12月号 掲載
 「第五話 父の想い」投稿者・福島県 ゲゲゲのたかこさん
 「第六話 水泳部部室の怪」投稿者・表記なし ※学校の怪談

『第七話 深夜勤務』投稿者・大分県 久保由美子さん 画・市川みなみ ’90『ハロウィン』増刊『ほんとにあった怖い話』VOL.11 掲載 ※霊感少女・病院の怪談

『無人部屋からの声!? 他』画・春海幸子 ’90『ハロウィン』11月号 掲載
 「第八話 無人部屋からの声!?」投稿者・茨城県 小原身知子さん ※旅先の怪談
 「第九話 幼い私に見えたモノは!?」投稿者・静岡県 藤田愛さん ※狐
 

「※印」は各話の簡単な分類。サブタイからは内容がよく分からない話などに適当につけた。投稿者名の敬称については作中の表記通り



『ほんとにあった怖い話〈12〉読者の恐怖体験談集』
 朝日ソノラマ 1991 ハロウィン少女コミック館
 著者:植松麻里

 ISBN-13:978-4-2579-8164-0
 ISBN-10:4-2579-8164-4


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Posted byserpent sea

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