伊藤潤二『うずまき 第17話 脱出』

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 伊藤潤二『うずまき 第17話 脱出』(『うずまき』小学館 2000 ビッグ コミックス ワイド 所収)

 桐絵の弟、満男の退場回。

 満男が完全にヒトマイマイ化する前に町を出なければ……ってことで脱出を決意する桐絵たち一行。トンネルや海からの脱出はできないから、仕方なく険しい山道を行く。山道から一望した町は破壊し尽くされ、すっかり更地のようになっている。破壊を免れているのは件の長屋ばかりで、その増築があちこちではじまっているようだ。
 やがて山中で行き会った知人の一団と合流するが、彼らは桐絵たちの後を追って山に入ったという。どうもおかしい。もしかすると同じ所をぐるぐる回ってるのではないだろうか。それよりも気がかりなのは、彼らがヒトマイマイ化のはじまった男に縄をかけ、引き連れていることだ。完全にカタツムリになったら「食糧」にするつもりらしい。満男の異変に気付かれないようにしなければ……。

 予想通り「脱出」する話じゃなくて、「脱出」しようと試みる話だった。そもそも脱出ルートの方角をその辺の棒切れを倒して決めている(←桑畑三十郎方式)。もうかなり適当だ。全体に無理なんじゃないかなぁって空気が漂っているなか、それでも町から出ることさえできれば……なんて言ってる桐絵の空気を読まないメンタルの強さは、さすが著者の作品のヒロインって感じ。
 この第17話はかいつまんでいうと、主人公一行が山中でうろうろしたあげく途中で弟が脱落、結局振り出しに戻るって話なんだけど、次回以降の前振りとして非常に重要で、すべての植物がゼンマイみたいにぐるぐる巻きになった山中の景観や人体など、面白い絵が多い。仕方なく引き返した桐絵たちが、高台から町を見下ろして驚嘆するところで今回は終わり。そこに桐絵たちが見たものとは??


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Posted byserpent sea

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