野村哲也『イースター島 ちいさくて大きな島 月刊たくさんのふしぎ 2015年2月号』

0 Comments
serpent sea
2015012301.jpg

 野村哲也文,写真『イースター島 ちいさくて大きな島 月刊たくさんのふしぎ 2015年2月号(第359号)』福音館書店 2015

 福音館書店の月刊絵本「たくさんのふしぎ」の、これは年末くらいに出てた本。福音館書店の絵本のことは前にも書いたけど、子供だけじゃなくて大人も楽しめる内容の本が多い。この「イースター島 ちいさくて大きな島」も写真の綺麗さ、でっかさ、解説の充実ぶりからして、気軽に買えるイースター島関連の本のなかでは、屈指の一冊だと思う。とにかくコストパフォーマンスが高い。島の隅々まで熟知している著者の、イースター島大好きって感じが写真からも伝わってくる。

 ※そんな本の中身を下の「続きを読む」から少しだけ紹介します↓


2015012302.jpg

 イースター島といえばモアイ、モアイといえばイースター島というわけで、この本にはその手の雑誌のちょっとした特集ではお目にかかれないほどの、沢山のモアイ像が紹介されている。表紙に載ってる顔の長いやつが、バンビジュ(EMOTION)のDVDでお馴染みの一番メジャーなモアイだと思うけど、作者が違うのか製作年代が異なっているのか、形状のバリエーションは様々だ。
 これは最初に島にやってきた伝説の王「ホトゥ・マトゥア」の像といわれるモアイ。頭にとまった鳥がツノか耳みたいでキュート。この像はもともと倒れていたものを、『コン・ティキ号探険記』("The Kon-Tiki Expedition: By Raft Across the South Seas")で知られる人類学者のトール・ヘイエルダールが1950年代の調査の際に、昔ながらのやり方で原住民に立てさせたもので、その経緯についてはヘイエルダールの著書『アク・アク 孤島イースター島の秘密』("Aku-Aku: The Secret of Easter Island")のなかで詳しくレポートされている。

2015012303.jpg

 海岸沿いにずらっと並んだモアイ。壮観。コレクション欲が刺激されて、ちょっと持って帰りたくなるけど、実際にはひとつ何トンもあるんだよなこれ。中段5体のモアイは「下から出土した木片を年代測定した結果、紀元700年代のものとわかった」(p.7)というイースター島の最古の遺物。日本では飛鳥から奈良時代にかけて、『古事記』『日本書紀』が編纂されてたころだ。この景色、リアルで見てみたい。

2015012304.jpg

 この本ではモアイだけじゃなくて、古代文明に関連するほかの遺物をはじめ、イースター島の自然や文物についてもページが割かれている。これは島の東端の岬にある「アナ・オケケ洞窟」。壁面にペトログリフが描かれている。前述の「アク・アク」によると「アナ・オケケ」という名は「太陽の好む岩屋」って意味らしい。
 イースター島にはもともと肌の白い家系があり、とても尊敬されていたという言い伝えがある。そんな祖先にできるだけ似るように、かつてはこの洞窟に「ネル」と呼ばれる選ばれた処女たちを閉じこめて、太陽から遠ざけ肌を白くさせていたという。

2015012305.jpg

「アフ」という石積みのスロープ。いい感じで寝転がってるモアイは島で唯一の笑顔のモアイ。これ枕してるのかな。昨年飛鳥に行って色々な遺物を見学してきたんだけど、こうして見てみるとモアイの造形には、やっぱり飛鳥の「猿石」などに通じるところがあるように思う。「飛鳥の石像群と都塚古墳について その2」(←前の記事へのリンクです)
 ちなみにモアイは岩盤から寝た状態で前面から削り出されて、その状態で仕上げられ、最後にブラモデルのゲートを切り離すみたいに、背びれか船のキールのように残した背中と岩盤の繫がってる部分を切り離し、移動、設置した後に背面を仕上げる、という方法で作られたらしい。こんな巨大な石像を一体どうやって?? というのはよくあるフリだけど、まじでコツコツと作ってたのだ。

2015012306.jpg

 イースター島のお祭り「タパティ祭り」。女の子がかわいい。

 というわけで古代文明好きの人にはぜひ手にとってみて欲しい一冊。おすすめです。イースター島行ってみたい。


 

 野村哲也文,写真『イースター島 ちいさくて大きな島 月刊たくさんのふしぎ 2015年2月号』福音館書店 2015


関連記事
serpent sea
Posted byserpent sea

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply