ARIA (アリア) 2015年 01月号 いなだ詩穂著, 小野不由美原作『悪夢の棲む家 ゴーストハント』連載第13回

0 Comments
serpent sea
 

 いなだ詩穂著, 小野不由美原作『悪夢の棲む家 ゴーストハント』連載第13回

 広田ついに改宗か!? っていう回。

 怪奇的には今回、とくに怪異は生じてないのだけれど、これまでとはまた違った意味で怖ろしく、陰惨なエピソードになった。広田が持参した当時の調書。そこにはこの家で過去に起きた「事件」の詳細が記されていた。子供を含め五人が惨殺された経緯は、抽象化された過去の殺害シーンと、SPRの面々のリアクションのカットバックで表現される。セリフが多いけど、ほぼ13ページにわたって緊張感がキープされているのは素晴らしい。調書の内容が広田によって語られるだけのエピソードだが、それでもかなり読み応えがあった。

「ゴーストハント」には、傑作ゴシックホラー「血塗られた迷宮」(原作「悪霊になりたくない!」/リライト新装版「ゴーストハント5 鮮血の迷宮」)という血まみれのエピソードがある。あの怪奇小説らしい、浮世離れしたエピソードに比べると、同じ血まみれでもこの「悪夢の棲む家」にはトイレに行けなくなる系の、実話怪談に通じる怖ろしさがある。舞台は本作には珍しいごく普通の戸建住宅だし、事件のきっかけも些細な隣人トラブルだ。作品の読者のなかにも、そうしたトラブルに巻き込まれた経験のある人がいるんじゃないかと思う。もちろんそれが常に事件に発展するわけはないのだが、発展しなくもないってところが嫌な感じだ。

 今回は久々に真砂子の出番多め。またお姉さんっぽく麻衣をいたわったりしてる。珍しく扉にも登場。あと広田は宗旨変えはしないまでも、「ニュートラル」を心掛けることにしたらしい。過去の事件にも関わりがあったと思われる、超常的な何ものかの存在を示唆したところで、つづく。後味悪い。


関連記事
serpent sea
Posted byserpent sea

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply