つのだじろう『霊劇画 真夜中のラヴ・レター〈1〉』

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 つのだじろう『霊劇画 真夜中のラヴ・レター〈1〉』主婦と生活社 1983 SJコミック

『週刊女性』連載のオカルト劇画。一話完結式の短編が5話収録されている。
 基本的なストーリーは霊障に悩む女性読者から相談を受けた著者と霊能者が、それを解決したりしなかったりするというもの。心霊現象を様々な形で濃いめの恋愛模様に絡めている。全編に生々しく鬱屈したエロさが漂っていて、さすが婦人雑誌に掲載された作品って感じ。また物語の進行よりも霊障の描写に重点が置かれているため、実話怪談色が強い。

 - 各話の霊障と雑感 -

「第1章 男運のない裕美」先祖に因縁のある人形霊に憑かれた相談者が「恋人とのSEX面で必ず不協和音」を生じ、婚約を繰り返し破棄されるという霊障を受ける。プロトタイプっぽい作品で、著者はまだ登場せず、信憑性を強烈にアピールする「読者の手紙」の引用もない。

「第2章 狐狗狸の久美子」コックリさんを行った相談者が、仙人を騙る野狐に憑依される。やがて自分の肉体をコントロールできなくなり、人間関係が壊れていく。著者が得意とするコックリさんにまつわる話で、その歴史的な背景も手際よく紹介されている。

「第3章 魔女狩りの嵐子」相談者は魔女裁判で処刑された女の霊と、その霊を取り巻く「魔物」の群れに憑かれ、体のいたるところに傷をつけられるという霊障を受ける。またその家族にまで何らかの霊障が及んでいる。
 強力な怨霊を前にしていよいよ著者が登場、数ページに渡って魔女狩りに関する蘊蓄を滔々と語る。肝心の霊障の描写も、手紙の引用、著者撮影による写真、相談者による霊障の記録「傷日記」、新聞記事などを駆使して詳細になされている。

「第4章 予知霊感のめぐみ」気合いの入った前話とは打って変わって、ちょっとした心霊講座な雰囲気。相談者も前世の因縁から生じる恋人との不和に悩んではいるが、とくに顕著な霊障の受けているわけではない。著者は1コマだけ登場。

「第5章 幽体離脱の織江」過食症に悩む相談者が幽体離脱を頻繁に繰り返した末、インチキ霊能者に引っかかり肉体から分離した状態の幽体を封じられてしまう。生活に支障をきたすばかりか、生命に危機が及ぶほどの事態に。いつもの独特のタッチで描かれた「太った女性のヌード」というのは結構珍しいかも。著者はさり気なく登場して物語に合流。


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Posted byserpent sea

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