木村心一『これはゾンビですか?〈5〉ああ、マイダーリンはロクデナシ』

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 木村心一『これはゾンビですか?〈5〉ああ、マイダーリンはロクデナシ』富士見書房 2010 富士見ファンタジア文庫

 前巻で復活した最強の魔装少女リリスの弱点を探るべく、それを知っているという京子を招いての合コンが開催される。アニメでは一話の半分程度に圧縮され、規模自体かなり縮小されていた合コン回だが、原作では一冊まるまる使って合コン(と吸血忍者の会議)をやっている。舞台が合コン会場が中心になるから、いつもの居間でまったりなシーンはごく少なめ。新キャラといえばミミズクくらいで、相川勢力の四人と他のレギュラー陣とのカオスな交流がじっくりと描かれている。ストーリーよりも会場のあちこちで発生する単発的なイベントを積み重ねる構成で、モブの多さからしてこの原作通りにアニメ化するのは確かにちょっと大変そうだ。

 そんな混沌とした状況下、渦中の京子を上回る勢いで存在感を発揮したのは大先生だった。それとアンダーソン君とミミズク。大先生は「魔装少女」の無茶さをストレートに体現したようなナイスキャラだけど、立場上、普段前面に出ることがない。それだけにこの巻ではアンダーソン君とのからみ(エロい意味じゃなくて)、酔っぱらい具合、怖るべき太っ腹ぶりなど、いいシーンが多くて嬉しかった。一応戦闘シーンもある。ほんとハルナじゃないけど「アユムん家に住めばいいのにっ!」って思ってしまう。
 前巻で株を上げた平松も登場シーンは少ないものの、しっかりとフォローされている。ユーと平松の将棋対局は屈指の見せ場だと思う。あとユーがいちいち妬いてるのも実にいい。歩が合コン会場と吸血忍者の会議(宴会)を行き来するドタバタぶりも、コントみたいで楽しかった。

 という感じで思いつくままに書いてしまったけれど、この第5巻ではクリスの弱点と居場所をはじめ、大先生の弱点(?)、アンダーソン君の特殊能力と戦闘力、それから次巻への伏線となるS級メガロの存在など、重要な情報が諸々判明している。
 合コンで一冊というとどうにもアホっぽいけれど、ネタ満載で満足度は高い。好きなキャラが活躍することもあって、とても楽しく読むことができた。



『これはゾンビですか?〈5〉ああ、マイダーリンはロクデナシ』
 富士見書房 2010 富士見ファンタジア文庫
 著者:木村心一
 イラスト:こぶいち/むりりん

 ISBN-13:978-4-8291-3524-2
 ISBN-10:4-8291-3524-7

 これはゾンビですか? オブ・ザ・デッド〈4〉[Blu-ray]』角川書店 2012
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Posted byserpent sea

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