いなだ詩穂著, 小野不由美原作『悪夢の棲む家 ゴーストハント〈2〉』

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 いなだ詩穂著, 小野不由美原作『悪夢の棲む家 ゴーストハント〈2〉』講談社 2014 プレミアムKC

 この7日に出たばかりの第2巻を買ってきた。表紙はナルと広田でちょっと地味。でも裏表紙の真砂子がかわいいのはよかった。

 毎回感想を書いてるけど、一話読み切りの要素が全然ない作品だから、やっぱりこうやってまとめて読むと読みやすい。とくに連載だとある回は真っ黒、ある回は真っ白って感じで、くっきり分かれすぎていて作品全体のトーンも掴みづらいし、あれ前回どんなだったっけ? なんて感じることも多かったのだけれど、まとめて読むと黒い回と白い回バランスがよく、自然に繋がるように構成されていることがよく分かる。

 で、その怖いシーン担当の黒い回は、あらためてみてもやっぱ素晴らしい。ナルのサイコメトリ、布団のなかで呟きはじめる依頼者の母親などなど、印象的な場面がいくつもある。なかでも冒頭の笹倉さん一家の気味の悪さは格別だ。なんら怪異が生じてないにも関わらず、異様に不穏な雰囲気を醸し出している。

 それからこの第2巻では満を持して真砂子が登場するので、そのことについてもちょっと書いておこうと思う。
 知っての通り本作は狭い(一般的な)住宅に入ったきり、登場人物が一歩も屋外に出ないという特殊な展開を見せている。閉鎖空間における密室劇だ。前に各話の感想でも書いたけど、画面作りの困難さは半端ないと思う。そこで著者はカメラを上に向けたり下に向けたり、アングルを工夫して画面に変化をつけているのだが、真砂子に関しては微妙に見下ろすようなアングルが多用されている。また麻衣と対面するシーンが多いからか、後ろ姿で描かれることも多い。ちょっと後ろから彼女を見守っているかのような視点だ。動きの少ないキャラクターながら、デザイン的なかわいさや台詞だけに依ることなく、そういった特定のアングルが真砂子の華奢で繊細なイメージを形成しているように思う。まぁ本作の真砂子は落ち着いてるとは紙一重の、なんとなく茫洋としてる感じや、麻衣に対するお姉さんっぽい振舞いのおかげで、これまで以上に魅力的なんだけど。

 この第2巻には下記の通り第6話から第10話までが収録されている。雑誌掲載時からの大きな変更点はないが、背景と画面効果の追加が目立つ。ページ数にしてだいたい全体の1/3くらいか。とくに直近第10話のジョンの除霊のシーンには大幅に手が入れられていて、白かった画面が黒くなっている。台詞は漢数字の「一」が「1」になってる程度の変更だけで、キャラの作画にも目立った変更はないが、第10話のp.145の中段のコマは新規にぼーさんと広田が追加されている。スケジュールの大変さを反映してか、後ろの方の話ほど手が入れられているように思う。

 あと本誌との連動企画「いなだ詩穂描き下ろし暑中見舞い」の応募券(コピー不可)が帯についてます。全プレだけど応募するには今月の『ARIA』についてる分も必要。次の巻が読めるのはまた来年かぁ。

 第2巻収録分の各話の記事へのリンクはこちら↓
 ARIA (アリア) 2013年 07月号 いなだ詩穂著, 小野不由美原作『悪夢の棲む家 ゴーストハント』連載第6回
 ARIA (アリア) 2013年 09月号 いなだ詩穂著, 小野不由美原作『悪夢の棲む家 ゴーストハント』連載第7回
 ARIA (アリア) 2013年 11月号 いなだ詩穂著, 小野不由美原作『悪夢の棲む家 ゴーストハント』連載第8回
 ARIA (アリア) 2014年 01月号 いなだ詩穂著, 小野不由美原作『悪夢の棲む家 ゴーストハント』連載第9回
 ARIA (アリア) 2014年 03月号 いなだ詩穂著, 小野不由美原作『悪夢の棲む家 ゴーストハント』連載第10回



『悪夢の棲む家 ゴーストハント〈2〉』
 講談社 2014 プレミアムKC
 著者:いなだ詩穂
 原作:小野不由美

 ISBN-13:978-4-0638-0686-1
 ISBN-10:4-0638-0686-3
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Posted byserpent sea

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