学校の怪談編集委員会『学校の怪談大事典』

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serpent sea
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 日本民話の会 学校の怪談編集委員会『学校の怪談大事典』ポプラ社 1996

「学校の怪談」関連の用語を豊富な例話とイラスト、写真で解説するタイトルに偽りなしの大事典。執筆と編纂は「日本民話の会」の「学校の怪談編集委員会」。「はじめに」には「わが国はじめての本格的な「学校の怪談」の事典・案内書」とある。
 とにかく例話がたくさん載ってるから、大人が読んでも充分におもしろい。混沌として掴みどころのない「学校の怪談」の全貌を知るにはもってこいの本だ。

 内容は「1.こわい話」「2.霊と幽霊」「3.妖怪」「4.ふしぎなもの」「5.ふしぎな空間」「6.人体」「7.ジンクスと占い」の7章で構成されていて、112の項目が収録されている。

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 中身。これは「じんめんけん【人面犬】」の項目。図版以外のページは基本的に二段組み、解説と、カラーの枠内に例話、最後に「▶4・じんめんのかい」のように関連項目が示される。

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「よすみの かい【四隅の怪】」の項目。こんな感じで図やイラスト、関連の写真を適宜用いて解説を補完している。

 解説には『宇治拾遺物語』や『雨月物語』などの中世、近世の古典文学や説話集からの幅広い引用が見られる反面、この手の本が苦手とする現代の、子供を取り巻くメディアが関わるような事例についてはざっくりって感じで、そのうえ少々古い。例えば「めかの かい【メカの怪】」で例示されるのが、レベッカ、岩崎宏美、オフコースのCDだったりする。もちろんエロい話、差別やいじめを助長しかねない話、残酷過ぎる話は慎重に除かれている。このあたりの話を子供に読ませるのは心配、もしくは必要はないって判断は理解できるけれど、どこかにしっかり保存されているのだろうか。ちょっと心配になってしまう。
 また真偽不明の例話のなかではなく、解説の地の文に「学校の怪談でおもに語られるのは、太平洋戦争にまつわる話です」(p.146)なんて首を傾げたくなるような記述もある。

 そんな感じで少々気になるところもないではないが、大変な労作には違いなく、読み応え満点の一冊。うちにあるのは1996年6月の第3刷、映画でいうと『リング』(1998)以前、携帯やスマホの普及する前の本なので、最近の版だと色々改訂されているかもしれない。イラストは前嶋昭人。



『学校の怪談大事典』
 ポプラ社 1996
 著者:日本民話の会 学校の怪談編集委員会

 ISBN-13:978-4-5910-4964-8
 ISBN-10:4-5910-4964-7


  日本民話の会 学校の怪談編集委員会『学校の怪談大事典』ポプラ社 1996
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serpent sea
Posted byserpent sea

Comments 2

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serpent sea  
Re: No title

>>ウォーリックさん
映画のテケテケ見ました。 1も2も。いかにも低予算って感じですが、結構見応えありましたよ。テケテケがすごい速いので、ありがちな「肝心なところでもたもたストレス」がなくて良かったです。でも学校の怪談関連ってことで、子供がうっかり見たらトラウマ必至ですよね。児童書のイラストだとギャグっぽく描かれてますが、リアルにするとやばいキャラです。

>>日野日出志
もともと黒澤映画の大ファンだったそうで、そこから今昔物語の世界に惹かれたらしいです。とんでもないホラーの印象がやたら強いけど、中世を舞台にした短編に地味ながらいいのが多いです。

いつもコメントありがとうございます!

2014/02/21 (Fri) 00:50 | EDIT | REPLY |   
ウォーリック  
No title

日野日出志と今昔物語って関係あったんですね...

ところで映画はあまりヒットしなかったみたいですけど、
学校の怪談系でテケテケって地味に怖くありません?日本の
ホラーはかなり怖いと思うんですけどw


2014/02/20 (Thu) 08:41 | EDIT | REPLY |   

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