ARIA (アリア) 2014年 01月号 いなだ詩穂著, 小野不由美原作『悪夢の棲む家 ゴーストハント』連載第9回

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 いなだ詩穂著, 小野不由美原作『悪夢の棲む家 ゴーストハント』連載第9回

 扉に「加速する面白さ!」とある通り、今月号ではでっかい出来事がまとめて二つも起きて、これまでになく盛り上がっている。何度か読み返す必要があったほど情報も詰め詰めだ。

 でっかい出来事の一つ目は、今回の調査対象である「家」の来歴が、ナルのオブジェクトリーディング(劇中では「サイコメトリ」と表記)と麻衣の例の「夢」によって明らかになる。この「家」ではかつて一家五人が惨殺されるという事件が起きていたらしい。「子どもじゃないの見逃してあげてよ」という犯人の声、「お願い……その子だけは」と血を吐いて哀願する家族の声を聞きながら、惨殺された男の子の絶望感はどれほどのものであったろうか。いっそ目を覚まさなければよかったのに……。真っ暗な作画で表現されるそんな「当時の記憶」が怖ろしい。

 そして麻衣が例の「夢」を見たということは、それを導く彼の存在がセットになっているわけで、第9話にしてジーンが再登場する。でっかい出来事の二つ目。起き抜けに子どもみたいに泣きじゃくる麻衣が切ない。劇中でも過去の経緯にさらっと触れられているけれど、ここはやはり『悪夢の棲む家』以前のシリーズを一通り把握しといた方がよさそうだ。それからほんの数コマの登場ながら、麻衣を案じる真砂子の様子が、普段の何割り増しかで可憐だった。髪も伸びてめっちゃお姉さんだ。

 事件の全貌が明らかになり、状況が整理されて、さらにこの「家」に潜む得体の知れない「悪い思念」の存在が示唆されたところで、続く。いやー今回はとくにおもしろかった。


  いなだ詩穂『悪夢の棲む家 ゴーストハント〈1〉特装版』講談社 2013 プレミアムKC ARIA


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