諸星大二郎『栞と紙魚子 何かが街にやって来る』

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 諸星大二郎『栞と紙魚子 何かが街にやって来る』朝日新聞社出版局 2007 眠れぬ夜の奇妙な話コミックス

 相変わらず突っ込みどころ満載の諸星ワールド。ゆるくて奇妙で楽しい。
 本書には収録された全6話のうち、主人公がちらっとしか登場しない「烏賊井さんの逡巡」「犬魔の秘宝」「ゼノ奥さんのお茶」といった、主にサブキャラにスポットを当てた作品が3話収録されている。各キャラクターが個性的で元気な分、ドタバタ調になりがちだけど、「ゼノ奥さんのお茶」はちょっと切ない読後感の、しっとりとした幻想譚だった。

 また上記の3話とは対照的に「井戸の中歌詠む魚」「魔術」の2話には、栞と紙魚子以外のレギュラーが全く登場しない。ともに二人がクラスメイトから相談を持ちかけられる話で、刑事事件が起こるシリーズ最初期の雰囲気。もちろんその相談というのは、怪奇系の相談である。謎解きの要素もあってとても読み応えがある。
 表題作の「何かが街にやって来る」は、雑誌『ネムキ』に3回に分けて掲載された中編。キャラクター総出演、大暴れの(町内)スペクタクルで、ガチ侵略モノ。事件の全貌が明らかになっても、全然ガッカリさせないのが著者の凄いところだと思う。

 きとらさん出ないなーと思いつつ読んでいたら、最後に大活躍を見れてよかった。


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Posted byserpent sea

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