奥本大三郎, 岡田朝雄『楽しい昆虫採集』

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 奥本大三郎, 岡田朝雄共著『楽しい昆虫採集』草思社 1991

 毎年梅雨が明けるころになると、「この夏はクワガタ採りに行こう」って思う。で、思うだけで実行しない。すっかり忘れてしまってるってこともあるんだけど、なにかのはずみで思い出しても、暑いからとか、忙しいからとか、遠いからとか適当な理由を付けてつい先送りしてしまう。そしてまた忘れる→思い出す→先送り→……と繰り返してるうちに夏が終わる。たまに街灯に甲虫が飛んできてるのを見かける。高確率で「アオドウガネ」というコガネムシの仲間だ。緑色が綺麗な可愛い虫なんだけど、さすがに「アオドウガネ」ばかりだと飽きる。クワガタ飛んで来てないかなーなんて期待してみても、未だに見つけたためしがない。たまに「アオドウガネ」以外の甲虫を見つけると採って帰る。例えば「ヤマトアオドウガネ」や「ヒメコガネ」など。やっぱりコガネムシの仲間ばかりだ。

 採ってきた甲虫は瓶の中にいれて酢酸エチルで殺す。この酢酸エチルは「緑色の甲虫や鱗粉をもつ甲虫を黄褐色や黒っぽい色に変色させることがある」(p.199)らしいのだけれど、今のところそうしたトラブルは生じてない。茶色のガラス瓶に入った薬品(500ml)が、全然減らないのが悲しい。数日間放置した後、ほど良い頃合いを見計らって展脚(足のポーズ決め)をする。展脚には10センチ角のコルクの板にトレーシングペーパーを貼付けたものと、待ち針を使っている。なにせ小さい甲虫ばかりなので、これで充分間に合っている。タトウを使った展脚は、何度かやってみたんだけどあまり上手くいかなかった。そしてまた数日間放置。その間に図鑑を見て標本の名前を調べたり、ラベルを作ったりする。これが結構楽しい。図鑑は30年近く前に刊行された、北陸館の『原色昆虫大圖鑑 第2巻 甲虫篇』に頼り切り。古さはともかく写真が分かり辛いので、そろそろ新しい本が欲しい。数日後、ラベルをつけた標本を小さい標本箱に入れて完成。こんな感じで「近所で見かける甲虫のコレクション(泣)」は計らずも充実してきている。来年こそクワガタを採りに行きたい。

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「近所で見かける甲虫のコレクション(泣)」の中から上記のものを。左から「ヤマトアオドウガネ」「アオドウガネ」「ヒメコガネ」、標本にしてからかなり経ってるのもあるけど、ピカピカのままで嬉しい。ラベルは住所が載ってるので、一応外してから写真を撮りました。そろそろ角の生えた黒いのも欲しい。

 というわけで、あまり本の感想とは関係ないことばかり書いてしまったが、この本には昆虫の採集から、上記のような標本の作成、保存まで、昆虫採集関連の様々なノウハウや情報が詰まっている。児童向けの本ではないので、ルビはほとんど振られてないけど、中学生くらいなら普通に読めると思う。写真は少なめ、その代わり説明には図が多く用いられている。どのページを開いても著者の経験に基づく行き届いた解説がされていて、採集標本はこれ一冊あればまず大丈夫って感じ。この本がなかったら、きっと標本を作ってなかったんじゃないかって気がする。ただ「昆虫の飼育」についてのことは書かれてないので注意が必要。
 巻末には「昆虫関係器具の店・標本商・専門書店」「昆虫の図鑑類と雑誌」「昆虫関係の学会と学会誌」「研究会・同好会と会報」「博物館・昆虫館一覧」のリストも付いている。昆虫の標本作りたいって人にはすごくおすすめの本。


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