いけ『ねこむすめ道草日記〈10〉』

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 いけ『ねこむすめ道草日記〈10〉』徳間書店 2013 リュウコミックス

「道草日記」の新刊が出た。半年ぶりの新刊なんだけど、たまに読み返してるので全然久々って気がしない。今回も前巻に続いてサブキャラメインの話が多め。個人的には「コックリさん」が出てくれば結構満足してしまうのだけれど、全体の印象はかなり前巻と異なっているように思う。妖怪と人間が混ざってなくて、くっきり別チームに分かれているような感じ。初期の頃に近い雰囲気だ。ほど良く混ざっている方が話が意外な方向に広がって、より楽しく読めるような気がするが、この辺は好みの問題かも知れない。

 本書には「第54話」から「第59話」までの6話と、各1ページのおまけが5編収録されている。そのうち「コックリさん」が出てくるのは「第55話 コックリさん春の憂鬱で道草」と「第58話 蛍の夜道で道草」。「第55話」は卒業の季節、アンニュイな「コックリさん」と「学校の怪談No.01 最恐の人体模型」との、科学準備室でのひと時。この季節になると「コックリさん」は毎年沈んでいるらしい。人とは同じ時間を歩めない、それを実感するのだという。仕方のないことだと分かっていても切ない。これまでも繰り返し描かれてきた、人間に寄り添って暮らす妖怪の寂しさだ。鬱っぽい展開になりそうな話を人体模型のよく練れたキャラが上手く救っている。
「第58話」は蛍を見物に行って妖怪にさらわれそうになった千夏を、コックリさんが救出する話。すごく頼りになるんだけど、そんな頼りになるところよりも、千夏に抱きつかれて嬉々としている表情の方が印象的。所々残念な人だ。それからこのエピソードには千夏の母親が登場する。千夏をちょっとトロンとさせた雰囲気の綺麗なお母さんで、貴重な大人キャラだ。
 そのほかには「雪女」の伊吹&真白の出てくる話、漫画家の池野君がメインの話などが収録されている。あと「第56話 お化けと夜の山で道草」の扉とおまけに登場してるエロ妖怪の「川姫」がものすごく気になった。千夏のママ共々、今後出てくるといいな。

 ところでこの第10巻にはなぜか、前巻の百話を目指したいという著者の言葉を知らないで読んだら、うっかり最終巻かと勘違いしてしまいそうな微妙な空気が漂っている。それぞれのエピソードの最終回っぽい締めもさることながら、表紙からしてそんな感じだ。それから帯に「舞台は群馬県渋川市/妖怪が暮らす町♥」とあって、少し驚いてしまった。控えめながら、ついにタイアップ??


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Posted byserpent sea

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