いけ『ねこむすめ道草日記〈8〉』

0 Comments
serpent sea
 

 いけ『ねこむすめ道草日記〈8〉』徳間書店 2012 リュウコミックス

 雨の日の表紙が、いつもよりもしっとりとした雰囲気の第8巻。「第43話」から「第47話」までの5話と、いつも通り各1ページのおまけが5編、それから『ねこむすめ道草日記』とは別に、 短編『飛び出せ!! メカ委員長』が収録されている。「あとがき」には「喫茶狐狸狐狸」も登場する。

 もともとこの作品には季節感がしっかりと描かれてたんだけど、前巻くらいからその時々の季節が作品のテーマによりしっかり絡んでる感じになった。その傾向はこの第8巻にも引継がれていて、「第44話 蔵の鯉が泳いで道草」は5月の端午の節句、「第45話 雨の日の散歩で道草」ではとある梅雨の日が描かれている。とくに「第45話」は、雨のなかで黒菜がはしゃいでるだけという、実に「道草日記」らしい作品となっている。

 らしいといえば、「第43話 黒菜が待っていて道草」もまた、妖怪と人間の関わりを描き続けてきた「道草日記」らしいエピソードだった。ストーリーはシンプルで、黒菜と学校帰りの真由が少しだけ仲良くなる話。この真由って子は、これまでも千夏と一緒にちょこちょこ登場してたけど、今回はじめてのメイン回。大人しくて、ちょっとぼーっとしてるけど、実は結構色々考えてるってキャラだ。今後も大活躍こそはしなくても、マイペースで登場するに違いない。「友情」とかいうと、ともすると暑苦しくなったりお涙頂戴になりがちだけど、そういうの全然なくてあっさりしてるのが「道草日記」らしくてよかった。

 さて残る2話連続の「第46話 騎馬戦始まっちゃって道草」と「第47話 思い出は絵の中に…道草」は、らしさという点では、全然らしくない。この作品には珍しいわりとマジメなバトル展開があるからだ。独楽たち渋垣八幡チーム vs 再度登場した「メリーさん」チームのバトルである。いつものノリとはかなり異なっているので、狛犬姉弟のスピンオフって感じだ。
 もちろんバトル自体がおもしろくないってわけじゃなくて、著者の画力の高さが充分に発揮されていて見応えもあるし、狛犬姉弟もかっこいい。ただチームバトルとなると、キャラの結びつきが強くなりすぎて、妖怪同士、妖怪と人間のゆるい関係や、ふわっとした立ち位置が変わってしまうのが惜しい。そんななか、バトルに参加せずに、ずっと町中をうろついていた黒菜が印象的だった。


関連記事
serpent sea
Posted byserpent sea

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply