いけ『ねこむすめ道草日記〈1〉』

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serpent sea
 

 いけ『ねこむすめ道草日記〈1〉』徳間書店 2008 リュウコミックス

 黒菜がかわいい。人間体も猫体も、どっちもかわいらしい。個人的な好みでいえば、巻末のおまけ企画の後姿の黒菜(ワンピースにしっぽ穴がある!? )くらいの頭身がベストだと思う。三頭身くらいかな。劇中、引き気味の小さいコマでよく使われる頭身だ。女郎蜘蛛や独楽と獅子丸姉弟など、黒菜以外のキャラもやたらかわいい。

 この第1巻には本作のプロトタイプで、著者のデビュー作も含めた6作品が収録されている。ストーリーは渋垣市という地方都市を舞台に、化け猫の黒菜がうろうろ歩き回って、仲間の妖怪とじゃれ合ったり、人間と触れ合ったりするといったごくシンプルなもの。

 著者はただ気まぐれにうろつくねこむすめのために、渋垣市の風景を高い画力で描き出している。この風景の描写も見所のひとつ。カバーやカラーページもとても美しい。全編を通して視点の低いコマが多いのが特徴。

 黒菜は人間には化けれても基本猫なので、行動に脈絡もないし、恥じらいも乏しいし、遊ぶのと食べるの大好き。この巻では何カ所かにやや暗い影も見られるが、今のところそれが作中で展開されることはない。そもそもタイトルからして「ねこむすめ」で「道草」で「日記」なわけで、劇的なストーリーは期待できないと思う。

 この巻ではまだそれほどでもないが、後続巻でも引き続き新しい妖怪がどんどん出てくる。どの妖怪もありがちにならないようにデザインがひと工夫されていておもしろい。定期的に読み返したくなる作品。


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Posted byserpent sea

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