Archive2015年05月 1/1

M・R・ジェイムズ『ポインター氏の日録』

No image

  M・R・ジェイムズ(Montague Rhodes James)著, 平井呈一訳『ポインター氏の日録』("The Diary of Mr.Poynter" ブラックウッド他著, 平井呈一訳『怪奇小説傑作集〈1〉』東京創元社 1969 創元推理文庫 所収) たまに古書店で個人の日記帳が売られていることがある。有名人でもなんでもない個人の日記。ためしに中身を覗いてみると、本当にただの日記らしい日記で、達筆すぎて読めそうにないのも多い。野坂昭如はこういった他人の...

  •  0
  •  0

MODEL Art (モデルアート) 2015年 07月号 No.920

No image

  MODEL Art (モデルアート) 2015年 07月号 No.920 ひと月が速い! というかあまり記憶がない。せいぜいTVでポワロの最終回見たかな……とかそのくらい。なんだこれ。 昨日今月号を買いにいったら、『モデルアート』とはちょっと離れたコーナーに置かれてる『電撃ホビーマガジン』が「最終号」になってた。少し前からそんな話が出てたけど、ほんとに終わるんだ。理由はKADOKAWAの組織再編の都合で、今後は「電撃ホビーウェブ」で...

  •  0
  •  0

堀田吉雄, 水谷新左衛門『蛤の話』

No image

 堀田吉雄, 水谷新左衛門共著『蛤の話』光出版 1990 先日、ハマグリと蜃気楼について書いたが、本書には生物学、民族学、書誌学など様々な分野の資料からピックアップされた古今のハマグリに関する蘊蓄がぎっしりと詰まっている。タイトルに偽り無しのハマグリオンリー本で、ハマグリの工芸品やハマグリ料理のレシピまで載っている。詩歌をはじめ説話集や類書からの引用も数多く、ハマグリのエンサイクロペディアって感じ。ただ...

  •  0
  •  0

末広恭雄『魚の風物誌』

No image

 末広恭雄『魚の風物誌』雷鳥社 1971 鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』のなかに「蜃気楼」という絵がある。波打ち際のでっかいハマグリの口から、ポワーンとフキダシのような気体が広がって、そのなかにおぼろげな風景が見える。どうやら山水を背景にした中国の建物のようだ。説明書きにはこうある。「史記の天官書にいはく、「海旁蜃気は楼台に象る」と云々。蜃とは大蛤なり。海上に気をふきて、楼閣城市のかたちをなす。これを蜃気...

  •  0
  •  0

『今昔物語集 巻第二十四 本朝 付世俗』より「第九」そこのヘビ、なにやってんの! って話 その2

No image

『今昔物語集 巻第二十四 本朝 付世俗 嫁蛇女醫師治語 第九』(山田孝雄, 山田忠雄, 山田秀雄, 山田俊雄校注『日本古典文学大系〈25〉今昔物語集 四』岩波書店 1963 所収) ちょっと前の記事で書き漏らしたエピソードを補完。この話、内容自体はとても面白いものなんだけど、知識や読解力の乏しさから、解釈する上で色々迷ったり、疑問に思うことが多かった。そのあたりのことも下の方にごちゃごちゃ書いてます。 さてこの話に登場...

  •  2
  •  0

『ほんとにあった怖い話〈6〉読者の恐怖体験談集』

No image

『ほんとにあった怖い話〈6〉読者の恐怖体験談集』朝日ソノラマ 1989 ハロウィン少女コミック館 突然作画レベルが爆上げした第6巻。作画はこれまで徐々に向上してきてはいたのだが、この巻は別格な感じ。無性に突っ込みたくなるような作画はほとんどない。今回は「わたしだけが見た」「わたしだから見れた」「霊感がある」「予知能力がある」という投稿者のオンパレードで、霊感少女スペシャルといった趣き。心霊現象の主体をあっ...

  •  0
  •  0

A・ブラックウッド『メディシン湖の狼』

No image

 アルジャノン・ブラックウッド(Algernon Blackwood)『メディシン湖の狼』("Running Wolf" 岡達子編訳『イギリス怪奇幻想集』社会思想社 1993 現代教養文庫 1623 所収) 知人から絶好の釣りスポットを教えられた主人公のハイドは、休暇を利用してカナダの広大な森林地帯に向かった。目的地はメディシン湖。「野営地は東側に選びたまえ」という知人の忠告に従って、キャンプを湖の東岸に設けたが、どう見ても魚影は西岸に濃い。そ...

  •  0
  •  0

川島のりかず『みな殺しの家』

No image

 川島のりかず『みな殺しの家 恐怖の都市へ』ひばり書房 1987 ヒット・コミックス 怪談シリーズ 217 いかがわしさ満点。悪意の塊のような侵略SF。おもしろかった! ある朝ポニーテールの小学生、紫音(しおん)が目覚めると、家の真上に巨大な球体が浮かんでいた。普通の戸建て住宅くらいのサイズのでっかい黒い玉だ。原因不明の怪現象に、マスコミや近所の住民が昼夜の区別なく詰めかけ、球体に触れようとした警察官はその場で感...

  •  0
  •  0

森由岐子『私は地獄の島を見た』

No image

 森由岐子『私は地獄の島を見た 顔のくずれる女たち』ひばり書房 1988 ヒット・コミックス 206 怪談シリーズ 精神病院に収容された老人の「私がまだ十六才だということを、誰も信じてくれない……そして私が恐しい地獄の島にいたということも……」というモノローグから物語は始まる。 一年前、セーリングを満喫していた主人公の「ヨッコ」とボーイフレンドの「久人」は、突然発生した暴風雨に巻き込まれ海に投げ出されてしまう。漂...

  •  0
  •  0