並木伸一郎『世界UMA事件ファイル』

 

 並木伸一郎『世界UMA事件ファイル』学習研究社 2005 MU SUPER MYSTERY BOOKS

 最近少し沈静化してきたが、一時のコンビニUMA本の勢いには凄いものがあった。最初のうちは全然買ってなかったのだけど、この一冊→『【決定版】最強のUMA図鑑』(←前の記事へのリンクです)をきっかけにぼちぼち買うようにしていたら、いつの間にか20冊ほどになっていた。一口にコンビニ本といっても玉石混淆で、この機会に! って感じでやけに気合いの入ったものもあれば、明らかに適当に作った感が滲み出てるもの(フェイクって知れ渡っている写真を未だに真物としてたり)も少なくない。共通点といえば紙質がイマイチなことと、カラーページが多く、イラストや写真がメインで文章が少ないこと。
 そんな感じのコンビニUMA本事情だが、なにより驚かされるのはUMA本にこれほど需要があったのかってことだ。コンビニの本って本屋の本に比べて、ついふらふらっと買ってしまうことが多いと思う。なにより必要なのは、ぱっと見でいかに客を誘うか。そこにUMAってことは、UMAにはコンビニにぽや~っとやってくる人を惹きつける、扇情的な魅力があるらしい。

 この本はコンビニUMA本が攻勢をかける真っ只中に出た、コンビニ本ではないUMA本「MU SUPER MYSTERY BOOKS」の一冊である。同じシリースの『未確認動物UMAの謎』(←前の記事へのリンクです)から数年経っているが、直近の情報が盛り込まれているのが良心的だ。カラー口絵4ページ、本文は6章に分かれていて文章中心の構成。

「第1章 水棲獣UMA編」
 最初の章はUMAの中でも代表的な水中に生息するUMA、「ネッシー」「テンシー」「キャディ」「セルマ」「クッシー」「ホラディラ」など、とくに湖で目撃されたものを中心に構成されている。聞きなれないUMAが混ざっているが「テンシー」は中国の白頭山にある「天池」で目撃されたUMAで、ワイドショーなどでも取り上げられて一躍有名になった。「ホラディラ」はアマゾンの湖に棲む謎の生物で、その呼び名は原住民の言葉で「地獄の牙」を意味するらしい。ギザギザのついた体の一部がカラーで撮影されていて、一時複数の関連本で目にすることができた(本書はモノクロで掲載)。「ネッシー」については刊行時の最新(2004年)の目撃情報が紹介されている。著者はネッシー=プレシオサウルス説をまだまだ堅持しているが、反対意見もしっかりと紹介していくスタンス。

「第2章 獣人UMA編」
「イエティ」「スカンクエイプ」「グラスマン」「オラン・ペンディク」など、獣人系UMAが取り上げられている。最も扱いの大きいのがスマトラ島の小型獣人「オラン・ペンディク」。これまでにもちょこちょこ書いてきたが、実在する可能性の高い獣人型UMAとして知られている。本書ではオラン・ペンディク≈「ホモ・フローレシエンシス」説一押しで、その解説に多めにページを割いている。「ホモ・フローレシエンシス」(“Homo floresiensis”)は2003年にインドネシアの「フローレス島」で化石化していない頭骨が発見された身長1メートルそこそこの生物で、ヒト属の新種ではないかという説がある。インドネシア火山の爆発で絶滅したとも言われているが、頭骨の発見場所がオラン・ペンディクの生息域にごく近いのが面白い。ただこの生物については、サンプルの少なさから現在ほとんど研究が進んでいない。

「第3章 未確認飛行生物UFC編」
 聞きなれない言葉だが「UFC」は格闘技団体とかじゃなくて、「Unidentified Flying Creature」の略語らしい。この章では「スカイフィッシュ」を筆頭に、翼竜っぽいのから妖怪、都市伝説キャラまで、飛行する謎の生物を一括して取り上げている。とくに「スカイフィッシュ」には力が入っていてかなり読み応えがあった。最近ではスカイフィッシュの正体は、カメラのモーションブラー現象によるものって考え方が主流になっているが、著者は果敢にもそれに反証を掲げている。その反証に用いられたのがカラー口絵に掲載されている一連の画像だ。画像は飛んできて自動車にぶつかったスカイフィッシュが、地面にベチャっと落下して再び飛び去るまでを収めたVTRから抜かれたもので、神戸の「六甲山」で撮影されたものだという。何でも六甲山はスカイフィシュのメッカなのだそうだ。
 またこの章では複数の翼竜っぽいUMAも取り上げられている。もしも古生物が現存するなら、湖沼やジャングルで目撃されるUMAではなく翼竜こそが本命だと思う。小型の翼竜の群れがアナツバメ(食材の「燕の巣」の)のような場所に巣をかけているとすれば発見は困難だろう。もちろん大本命は海棲の爬虫類だけど。

「第4章 怪獣モンスター編」
「チュパカブラ」「エイリアン・ビッグ・キャット」など何となく哺乳類っぽいUMAをまとめた章。メインは「チュパカブラ」の最新情報で、2004年アメリカ、テキサス州のチュパカブラ射殺事件を紹介している。この一件は確かヒストリー・チャンネルの『未確認モンスターを追え!』で繰り返しやってた覚えがある。最初はとんでもない姿だった「チュパカブラ」も、時代が下るに連れて随分と普通の哺乳類っぽい姿になった。

「第5章 妖怪型UMA編」
 UMA自体がそもそも得体の知れないものなんだけど、それに輪をかけて得体の知れない、情報量の少ないUMAに関する章。インドの「ムノッチワ」、ヘルメットを着用した目撃イラストが有名な「モンキーマン」、アメリカの人狼「シャギー」、アメリカ、ルイジアナ州「ハニーアイランド沼」の「ハニー・スワンプ・モンスター」(『モンスター・パニック』(1980)に出てきた半魚人みたいなUMA)などなど、かなり尖ったUMAの数々が紹介されている。日本からは「河童」が参戦。

「第6章 ミステリー珍動物編」
 雑誌『ムー』の二色刷りのページに初期の頃から登場し、続報無しでお馴染みの「翼ネコ」がここに来て大きく取り上げられた。古くは1899年のイギリスの雑誌に写真が掲載された翼ネコから、最近では2004年のロシアにおける目撃例まで、幅広く紹介されている。1800年代からイギリスを中心に138件もの目撃例があるらしい。中には単に翼っぽいパーツがくっ付いてるだけではなくて、その翼で浮かんだり滑空したものまでいたという。
 他にアマゾンの「ピンクイルカ」や体長40メートルの「ジャイアント・スネーク」などが並ぶ中、変わりダネ、というか明らかに浮いてる感じで「ケサランパサラン」が取り上げられている。「ケサランパサラン」はタンポポの綿毛みたいな見た目の謎の物体で、名前の由来も正体も不明。生物なのかどうかも分からない。ごくたまに捕獲されることがあるが、それが本当に「ケサランパサラン」なのかも定かではない。以前ワイドショーのヒマネタになっていて、当の持ち主(飼い主)がなかなか見せたがらないのが面白かった。人に見せると幸運が逃げてしまうのだとか。また白粉を食べて増殖するとも言われていて、それについて本書では写真を用いて解説している。あと熊倉隆敏の『もっけ』にこの生物の出てくる雰囲気のいいエピソードがあった。

 ……という感じで「第3章」「第6章」がとくに面白かった。UMA関連の本を寝る前にぼやーっと眺めるのってなんか幸せだ。



『世界UMA事件ファイル』
 学習研究社 2005 MU SUPER MYSTERY BOOKS
 著者:並木伸一郎

 ISBN-13:978-4-0540-2800-5
 ISBN-10:4-0540-2800-4


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

並木伸一郎『最新 禁断の異次元事件』

 

 並木伸一郎『最新 禁断の異次元事件』学研パブリッシング 2014

 今年の春頃に発売された雑誌『ムー』の関連本。この「ムー認定」のシリーズはほかにも何冊か出てるんだけど、どれも有名なオカルト系の画像を用いたカバーのデザインが実にかっこいい。とくに本書のカバーは古今東西キャラクターオールタイムベストテンに楽々ランクインの「3メートルの宇宙人」こと「フラットウッズ・モンスター」。深夜のコンビニで見かけて、うっかり表紙買いしてしまうほどのかっこよさだ。

 本書の紹介記事には「タイムトラベラーから幽霊屋敷、ケムトレイル、人体自然発火現象まで、世界中で起こった超常現象と未確認飛行生物や妖精、爬虫類型異星人、ロボット型エイリアンなど、地球上に現れた異形モンスター事件の数々をムー編集部が厳選し、オールカラーで紹介する」とある。「ケムトレイル」は欧米を中心に多発している飛行機雲に似た形状の雲で、UFOとの関連が指摘されている。「ロボット型エイリアン」とは上記の「3メートルの宇宙人」のことだろう。

 構成は「1章 火星」「2章 超常UFO」「3章 タイムトラベラー」「4章 のろい」「5章 巨人伝説」「6章 超常UMA」「7章 地球空洞説」「8章 怪事件・怪現象」「9章 妖精」「10章 幽霊ヒッチハイカー」「11章 人体発火」「12章 奇跡・聖痕」の12章に分かれていて、各章には3~10の項目が含まれている。オカルト幕の内弁当、もしくは寄せ鍋って感じ。各項目は1ページの解説に数ページのキャプション付きの画像で、表紙にある通りオールカラーだ。使用されている画像は、この手のネタを扱ったwebサイトや書籍のファンにとっては、おそらく見慣れたものが多いのではないかと思う。
 前述の「3メートルの宇宙人」は「毒ガス怪物「フラットウッズ・モンスター」」という項題で「6章 超常UMA」に分類されている。「毒ガス怪物」というのは目撃者の「怪物は刺激臭を発していた」との報告に基づくもの。本書に限らずこの手の本には意外としっかり記載されているのだが、見た目のインパクトが強過ぎてつい忘れてしまいがちな設定である。

 12の章のうちとくに面白かったのは「5章 巨人伝説」「9章 妖精」「8章 怪事件・怪現象」の各章だった。じっくり読んだり補足的な情報(他の本とか)も合わせれば「4章 のろい」「7章 地球空洞説」などは非常に興味深いのだが、やはり画像のインパクトは大きい。それもなんだかよく分からないシミュラクラなものではなくて、そのものズバリがドドーンと写ってるやつ。『イレイザーヘッド』(1977)のアレみたいなレプティリアンの胎児や、『ミクロイドS』のヤンマ似の妖精、「ベアラ半島で発見された妖精の靴」、おなじみ巨人の化石などなど、フェイクかどうかの判断の前の「うわわっ!」って気分、この手の本の醍醐味の一つはそんな気分を楽しむことにあると思う。

 それにしても、p.179の森のなかの全裸の少女とミニ妖精の写真とか、まさに「禁断の異次元事件」って感じなんだけど、一体全体どういう設定なんだろうか。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

並木伸一郎『未確認動物UMAの謎』

 

 並木伸一郎著『未確認動物UMAの謎』学習研究社 2002 MU SUPER MYSTERY BOOKS

 出版されてからすでに10年ほど経っているが、雑誌『ムー』のUMA関連の別冊としては最近の本。以前取りあげた『世界の未確認動物』(←1984年初版、前の記事へのリンクです)が30年近く前の本だったから、その差は20年だ。それじゃ20年のあいだに、どのくらい新しい情報が増えたかというと、総ページの1/3強くらい。新キャラの「スカイフィッシュ」と「チュパカブラ」で、増量分のほとんどを占めている。
 またモノクロで文字主体の『世界の未確認動物』と、画像主体となった本書とでは編集方針が大きく異なっている。見て楽しいのは断然本書の方。文字情報はほんの少しで、カラーページも多く、録画機器の発達を如実に感じることができる。ただ、画像が増えたのは大歓迎なんだけど、疑似科学的な考証が減ってしまうのは寂しい。

 内容は7章に分かれていて、各章の最初に4ページの解説、あとは画像、イラスト+キャプションという構成。それぞれの章をざっと紹介する。

「第1章 スカイフィッシュ編」
 最近ではすっかり下火になってしまった「スカイフィッシュ」、より新しい本ではまったく触れられてなかったりするのだが、本書の目玉だ。まさに録画機器の発達によって生み出されたUMAの代表格だといえるだろう。本書には刊行時点で公開されていた東西の数多くのスカイフィッシュの画像が掲載されている。解説ではスカイフィッシュの正体を「スペースクリッター = 宇宙からのプラズマ生命体」かもしれないとしている。

「 第2章 チュパカブラ編」
 スカイフィッシュと並んで盛り上がりを見せていた「チュパカブラ」に関しても、当時あちこちで目にした画像の数々と、犠牲になったとされる家畜の画像などが掲載されている。チュパカブラのものとされる画像や死骸の、どれもが同じ生物には見えないのがご愛嬌。反対に目撃者のイラストはほぼ同じ生物を描いたように見えるのがおもしろい。解説では「UFOから放出されたエイリアン・アニマルか!?」(p.48)なんて書いてるけど、UFOとUMAは混ぜるとリアリティが相殺されてしまうように思う。そんななかでもp.55の樹上のチュパカブラの画像には、これならいるかもと思わせるリアリティがある。

「第3章 ネッシー編」
「ウェブカメラが捉えたネッシー」というのが目新しいところ。解説は例によって聖コロンバ伝からはじまって、プレシオサウルス説を堅持している。「外科医の写真」がフェイクだったことについては、さすがにしっかりと言及されている。

「第4章 水棲獣編」
 当時ニュースでも取り上げられた、トルコのヴァン湖の「ジャノ」が大きく紹介されている。しかしもとは家庭用ビデオの映像である。静止画にすると画像が荒く、あの映像のインパクトがスポイルされてしまっている。
 ジャノ以外では「オゴポゴ」などメジャーな水棲UMAの画像がざっと掲載されているほか、謎の漂着物「グロブスター」についての言及もある。

「第5章 獣人編」
 かつては「ネッシー」とともににUMA業界を牽引してきた「イエティ」「ビッグフット」をはじめとする獣人系UMA。本書では新規の情報の乏しさからか、随分と地味な扱いになっている。一応新しいものではフロリダの「スカンクエイプ」の扱いが大きく、ビッグフットについても本書の刊行時点で最新のものが掲載されている。

「第6章 珍獣・奇獣編」
 世界各地で目撃されたマイナーめなUMAの数々を紹介。「エイリアン・ビッグ・キャット」や「ドーバー・デーモン」など。古代生物の生き残りっぽいUMAと、UFO関連の本に出てくる謎の生物、奇形がごちゃ混ぜになっている。

「第7章 日本のUMA編」
「ツチノコ」と「イッシー」を中心に、カラーページでは日本各地の妖怪のミイラを「地獄から来た妖怪・鬼は実在した!」(p.216)というノリで紹介している。

 この本が刊行された2002年の時点では、内容が先行するweb上の情報の後追いになってしまっていた。そのためこの手の本をしばらく買わなくなってしまっていたのだった。それでも改めて見直してみると、流行の画像が一塊になっているというのは嬉しいし、ごろ寝しながら読める手軽さも捨て難い。画像のサイズや情報の早さの点では、どうしてもネットの方が有利なのは仕方ないことだから、考証の充実など何らかの付加価値が欲しい。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

並木伸一郎『世界の未確認動物』

 星香留菜, 並木伸一郎, 志水一夫, ジョン・ホワイト共著『世界の未確認動物』学習研究社 1984 学研ポケットムー・シリーズ

 1984年初版だから、雑誌『ムー』の別冊としてはかなり初期の本だと思う。内容もかなりクラシックで味わい深い。カラーページは口絵の4ページのみで、本文はすべてモノクロ、画像や図も少なめで文章主体の構成となっている。似たようなのが色々あるからややこしいけれど、青いカバーの本だ。



・第1章 進化にとり残された高度な霊長類か「中国の野人、ヒマラヤの雪男」
※「ヒマラヤの雪男」については1921年英国の第1回エベレスト探検隊の目撃報告から、エリック・シプトンによる足跡の写真撮影、1970年ごろの目撃報 告までをざっと紹介している。「中国の野人」は1972年の人民解放軍による野人の射殺事件や、1983年の体毛の鑑定結果など、3ベージほどに多くの情報が詰まっている。

・コラム UMAって何?
※「UMA」とは未確認生物のなかでも「なるべく最近のもので、たしかに目で見て手で触れることのできる可能性のあるもの」(p.17)としている。また語源について動物研究家の實吉達郎が1976年の著書のなかで提唱したことが解説されている。
・コラム 巨大なミミズ、ミニョコン
※古めのUMA本を見てると、たまに出てくる「巨大ミミズ」。19世紀ブラジルでの2例が紹介されている。

・第2章 北アメリカ山中をさまよい歩く毛むくじゃらの獣人「ビッグフットは異星人か」
※パーターソン・フィルムをメインに、「ミネソタのアイスマン」(文中では「ミネソタの氷人」と表記)など。超能力者ピーター・フルコスの提唱した「ビッグフット異星人説」を結構マジに紹介している。

・コラム 大ダコ・大イカ
※十八世紀末、西アフリカ沖で船を襲った「大タコ」の話など。
・コラム ユニコーン
※「ユニコーン」の伝説について。

・第3章 科学調査にとらえられた“動く巨大な物体”「ネス湖の怪獣ネッシーを追う」
※聖コロンバ伝から、地上での目撃談など。メインは1972年のMITによる音波探知機と水中カメラを用いた調査について。

・コラム ニュー・ネッシー
※有名な事件の概要。ここでは「ウバザメ」説を押している。
・コラム オゴポゴ
※カナダのUMA「オゴポゴ」に関する伝説と三つの目撃例。

・第4章 アフリカの奥地にひそむUMA「モケレ・ムベンベ」
※原住民の伝説などにもにさらっと触れつつ、ロイ・マッカル博士の二度にわたる現地調査を紹介している。

・コラム 恐竜は絶滅してしまったか
※恐竜の絶滅理由についての諸説を挙げ、アマゾンや海にはまだ生存している可能性があるという。
・コラム ドラゴン
※「ドラゴン」の伝説について。もとになった生物が実在していた可能性はあるが、確証はないとのこと。

・第5章 船を転ぷくさせ、すごい力でしめつけた「大洋の怪物大ウミヘビ」
※1817年アメリカのグロスター港の「大ウミヘビ」、有名なデイダラス号の事件、1964年オーストラリアのホワイトサンデー島における目撃例を主に紹介している。オーストラリアのものは、手こぎボートが一緒に写ってる有名なカラー写真が撮影されたときの状況。

・コラム アマゾンの大ヘビ
※体長40〜60メートルに達するといわれる「ジャイアント・ボア」と、20メートルの「ジャイアント・アナコンダ」についての伝承と目撃談。2ページ。

・第6章 高空にひそむ未知の生命体「プラズマ生物スペース・クリッター」
※成層圏から上で生息するというSFチックな発光生命体について。UFOの写真の多くはこの生物を捉えたものであるという。

・コラム ホダニック
※19世紀にアメリカで捕獲され見世物にされたというフェイクの怪物。興味深い記事だった。

・第7章 人間か魚か─未知の海洋生物を見た人びと「“人魚”目撃記録」
※前章からの振り幅がすごい。童話のなかの出来事ではなくて、実際の目撃談。17世紀から18世紀にかけての目撃例をいくつか。「オラン・イカン」など20世紀に入ってからのものも紹介されているが、「人魚」というよりも「カエル人間」といった雰囲気。

・コラム ジェニー・ハニバース
※有名なエイを用いたフェイクの怪物について。以前国内で同様のものが、スルメなんかを売ってる露天商の店頭に吊り下げられているのを見たことがある。

・第8章 屈斜路湖に出現した湖底怪獣クッシー「日本の未確認生物」
※「クッシー」「イッシー」「ヒバゴン」「ツチノコ」について。1971年頃、和歌山県の山中で目撃された「ライオン」にも触れられている。

・コラム 絶滅した鳥たち
※「ドードー鳥」と「モア」について。2ページ。

 以上各章見出しの「」内は大文字。



 センセーショナルに煽るようなスタイルをとってないから、良くいえば全体的に落ち着いた感じ、悪くいえばごく地味な印象の本だった。とはいうものの「ビッグフット異星人説」や「プラズマ生物スペース・クリッター」など、考えてみれば(考えなくても)じわじわくるネタを散見することができる。UFOとUMAはやっぱ混ぜない方がよさそう。
 突っ込みは浅めで、扱っているUMAの種類も少ないから、入門書としても微妙な感じだけど、随所に挿入されているコラムはなかなか読み応えがあった。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

並木伸一郎『ムー特別編集 世界UMA(未知生物)大百科』

 並木伸一郎監修『ムー特別編集 世界UMA(未知生物)大百科』学習研究社 1988

 部屋をあさって見つけたUMA関連本。雑誌『ムー』本誌と同じB6サイズで、カラー23ページ。数多くの図版を収録していて、古い本だけど内容は充実している。



・カラーUMA現地レポート1 早稲田大学コンゴ探検隊が1か月にわたって調査! アフリカ、テレ湖には恐竜(モケーレ・ムベンベ)がいる!?
※かつて結構な盛り上がりを見せたテレ湖の恐竜。この早稲田の探検部による調査もTVなどで取りあげられていた。カラーページをたっぷり使って調査の様子をレポートしているが、とくになにかが写ってるというわけでもなく、記念アルバムっぽい雰囲気。

・カラーUMA現地レポート2 幻のツチノコを求めて…!!
※カラー8ページ。『ムー』編集部による山形での調査と、奈良の目撃談を中心に、全国各地の目撃談、各地に見られる「ツチノコの骨」などを手際よく紹介。力の入った記事。

・森林にうごめく謎の獣人
※「カラー写真がとらえた世界の獣人」には、カラー4ページに「雪男」「ビッグフット」の画像と、各地で採取された足跡や足形を掲載。

 ・ビッグフットフィルムを分析する!
※パターソン・フィルムについて。分析の結果やはり本物の可能性が高いとのこと。
 ・ビッグフット
※2匹のビッグフットに襲われた親子の体験談。正体の最有力説は「大型猿人の生き残り」
 ・野人(イエレン)
※いくつかの目撃証言と、採取された毛髪や足跡について。『捜神記』などにも触れられていて読み応えがある。正体の最有力説は「ギガントピテクスが進化した」
 ・イエティ(雪男)
※1986年の3月に撮られた世界初の「イエティ」の写真について。正体の最有力説は「ギガントピテクスの生き残り」
 ・ヨーウィ
※オーストラリアの獣人。正体の最有力説は「メガントロプスか」
 ・ヒバゴン・ヤマゴン/他
※「ヒバゴン」「ヤマゴン」の他、「アルマス」「モノス」「インドネシア獣人」「アイスマン」「オリバー」が紹介されている。オリバーはあの「オリバー君」。フェイクだったこともしっかり書かれている。

・湖に潜む巨大水棲獣
※「カラー写真がとらえた水棲獣」として、カラー2ページに「ネッシー」「チャンプ」などの画像が掲載されている。

 ・ニュー・ネッシーの正体を探る
※「ニュー・ネッシー」事件の概要。正体は依然不明とのこと。
 ・ネッシー
※ジェット推進研究所で分析された例の写真に関する記事。正体の最有力説は直球で「プレシオサウルス」
 ・チャンプ
※あの有名な写真が撮影された状況と考察。正体の最有力説はまたしても「プレシオサウルス」
 ・オゴポゴ
※1974年の接触事件の詳細。正体の最有力説は「ゼウグロドン」
 ・モケーレ・ムベンベ
※1980年に撮影された写真について。正体の最有力説は「アパトサウルスの小型種」
 ・シーサーペント
※1985年のサンフランシスコ湾での目撃談。アザラシを追いかけてたってやつ。一つに絞るのはどうかと思うけど、正体の最有力説は「モササウルス」
 ・モーゴウル
※イギリス南西部、ファルマス湾近辺で目撃された水棲獣。正体の最有力説は「太古の巨大水棲獣」
 ・タキタロウ
※正体の最有力説は「古代魚の末裔か」
 ・モラーグ/他
※「モラーグ」「イッシー」「モッシー」「クッシー」「ホワイトリバーモンスター」「タウポモンスター」「チェシー」「リーン・モンスター」「マニポゴ」を簡単に紹介。モッシーは富士五湖の一つ、本栖湖で目撃された水棲獣、その正体は巨大ウナギではないかと言われている。

・UMAの正体を探る!
※世界各地で目撃されるUMAの正体についての考察。ここではネッシー、「モケーレ・ムベンベ」の正体は、未知の哺乳類ではないかとしている。

・不思議動物がいっぱい!
※「翼ネコ」「鹿のツノを持つウサギ」「アメリカのカンガルー」などについて。

・伝説の "幻獣" は実在する!?
※『ムー』らしい二色刷りのページ。日本各地の「河童」「人魚」「龍」「鬼」「牛鬼」のミイラの他、「鵺」(鵼)、「雷獣」などの妖怪と、「伝説の幻獣[西洋編]」として「バジリスク」や「ケンタウロス」「ユニコーン」などを紹介している。

・絶滅動物が生きていた!!
※「シーラカンス」や「イリオモテヤマネコ」を枕に、「テラトルニスコンドル」「マンモス」「タスマニアタイガー」「翼竜」「モア」「ジャイアントカンガルー」「デスモスチルス」「ニホンオオカミ」のイラスト付き目撃談。

・世界のUMA研究家・研究書
※「研究者編」にはベルナール・ユーベルマン、ロイ・マッカルを筆頭に11名、「研究誌編」には『インフォー・ジャーナル』『フォーティアン・タイム ズ』など国内外のUMA関連の雑誌や機関誌9誌、「文献編」にはスチュアート・キャンベル著『THE LOCH NESS MONSTER』など9冊が紹介されている。



 特記のない場合はモノクロページ。「森林にうごめく謎の獣人」「湖に潜む巨大水棲獣」では、それぞれのUMAの記事に、想像図、地図、各種画像や、目撃者による図が掲載され、さらに「目撃の歴史」「その正体を探る」という項目を設けるなど、大きめの紙面を上手くいかした丁寧な構成がなされている。また「世界のUMA研究家・研究書」に書かれた情報は、当時のUMA好きの小中学生にとっては、とても貴重なものだったのではないだろうか。

 絶版になってる本だけど、ぜんぜん見かけないというわけでもないので、雑誌『ムー』のバックナンバーを扱っている古書店やオークションで見つけられれば、かなり安く、それこそ数百円から高くても千円くらいで入手することができるはず。眺めているだけでも楽しい本なのでおすすめ。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

並木伸一郎『【決定版】最強のUMA図鑑』

 

 並木伸一郎『【決定版】最強のUMA図鑑』学研パブリッシング 2011 ムーSPECIAL

 実は最近、この手の本はあまり買わなくなっていたのだが、黒の背表紙に黄色の「UMA」の文字が、コンビニの棚ですごく目についたので、思わず手にとってしまった。さすが警戒色。
 買わなくなっていた理由は単純で、掲載されている画像などの多くを、過去に出版された本や、web上、ヒストリーチャンネルの『未確認モンスターを追え!』などで見ることができるからだ。特にweb上には、すげーって感心するしかないようなサイトがいくつもあって、UMA分はもっぱらそういうサイトを巡回することで補充してきた。そういう緩めのUMAファンの人って、結構いるんじゃないかと思う。

 ところがこの本を買って帰ってみたところ、予想以上に気に入ってしまった。当たり前のことのようだけど、CMの合間にぱっと手に取れるし、読みながら寝てしまってベッドから落としても全然大丈夫なのが切実に嬉しい。もちろん内容も図鑑というだけに、画像や図が盛り沢山で、眺めているだけでも楽しかった。この本で見て気になったものを検索してみる、なんてインデックスっぽい使い方もできる。そしてなにより、懐かしいような、ほんわかした気分に浸れるのが良かった。

 カラー148ページ、「厳選した未確認生物約200種+」を誇る、その内容を目次でざっと追ってみると↓



・最新! 未確認動物FILE
 ※本文とは違ってツルツルの紙質の巻頭カラーグラビア。「サスカッチ」「モスマン」以前ネットでも話題になった沖縄の「グロブスター」などの画像が紹介されている。カラー。

・カラーSpecial これが氷漬けの獣人だ!
 ※「ミネソタのアイスマン」のアップの画像。氷越しとはいえ、標本の生々しさがよく伝わってくる。この本の発売以降に解凍済みの画像が見つかったらしいけど、その後の展開はどうなったんだろう……。カラー。

・Part 1 陸の未確認生物
 ※「ビッグフット」「サスカッチ」をはじめとする新旧の各種獣人をメインに、定番の「チュパカブラ」など。日本からは「ヒバゴン」と「ツチノコ」がエントリー。ちょっと場違いな気がしないでもないが「ユニコーン」「ドーバーデーモン」も載ってる。カラー。

・Part 2 日本の妖怪ミイラ
 ※有名な伊万里の「カッパ」のミイラ、大分県宇佐市の「鬼」のミイラ、「人魚」のミイラなど。標本の信憑性については一切触れられていない。カラー。

・Part 3 獣人学データ
 ※「イエティ」探検隊の軌跡、世界の主な獣人地図、少し前に話題になった「冷凍ビッグフット」捏造事件の経緯など。「野生児」に関してもここ。モノクロ。

・Part 4 陸のUMA事件
 ※ツチノコ探索のすべて、「モンゴリアン・デスワーム」、「ジェヴォーダンの獣」について。モノクロ。

・Part 5 水の未確認生物
 ※「ネッシー」「ニューネッシー」「オゴポゴ」など定番のUMAのほか、扱いは小さめだけど世界各国の水棲UMAを数多く紹介。あの「ウモッカ」もしっかり押さえている。数が多いので画像は小さめ。カラー、モノクロ。

・Part 6 水棲獣データ
 ※ネッシー、「モケーレ・ムベンベ」探索のすべて、有名なオゴポゴ接触事件など。「奇怪なことに、こうした漂着UMAたちは、専門家に調査・分析されること なく、なぜか “行方知れず” になる、という運命をたどってしまうのだ」(p.181)とはグロブスターについての一節。モノクロ。

・Part 7 空の未確認生物
 ※「ジャージーデビル」や「モスマン」、翼龍タイプのUMA各種に、「スカイフィッシュ」「翼ネコ」まで。スカイフィッシュについては、残像であるという説が主流であるとしながらも、「当てはまらない異常なケースも報告されている」(p.193)とある。カラー。

・Part 8 異次元の未確認生物
 ※「シャドウ・ピープル」「ナイト・クローラ」など、比較的新しめのものが多い。「フラットウッズ・モンスター」(3メートルの宇宙人)はここに分類。「妖精」や「天使」などもここに収められていて、よく分からないもの全般をまとめた感じ。カラー。

・Part 9 空のUMA事件
 ※アメリカ、イリノイ州で発生した巨大な鳥による子供の連れ去り未遂事件、「プテラノドン」生存説、モスマンの呪いなど。モノクロ。

・Part 10 巨大獣データ
 ※「ジャイアント・アナコンダ」「ジャイアント・カンガルー」などの巨大生物。インパクトのある画像が多いので、カラーがよかった。モノクロ。



 ……こんな感じの錚々たるラインナップ。目次を見てるだけでもわくわくしてくる。コストパフォーマンスは高いと思う。ただweb上の動画のキャプらしい画像は、さすがに荒くて少々見辛かった。

 それとこの本を読んだ後、土日を利用して部屋中を捜索したところ、ツチノコ本を含めて昔買った『ムー』のUMA関連本を4冊ほど発見することができた↓

 星香留菜, 並木伸一郎, 志水一夫, ジョン・ホワイト共著『世界の未確認動物』学習研究社 1984 学研ポケットムー・シリーズ
 並木伸一郎監修『ムー特別編集 世界UMA(未知生物)大百科』学習研究社 1988
 山口直樹著, 並木伸一郎監修『幻のツチノコを捕獲せよ!!』学習研究社 1989 MU SUPER MYSTERY BOOKS
 並木伸一郎『未確認動物UMAの謎』学習研究社 2002 MU SUPER MYSTERY BOOKS

 本書の著者並木伸一郎が、これらすべての本に関わっていることに驚かされる。画像や図には同じものが用いられている場合が多いが、キャプションにはしっかり手が入っていて良心的。これらの本も改めて読み返してみようと思う。


にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
(この一行は、各ページ下部に固定表示するサンプルです。テンプレートを編集して削除もしくは非表示にしてください。)