Category夢野久作 1/1

夢野久作『あやかしの鼓』

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 夢野久作『あやかしの鼓』(『夢野久作全集〈1〉』 中島河太郎, 谷川健一編 三一書房 1969 所収) 100年ほど前、名工によって作られた鼓には、一人の女性への強烈な思いが込められていた。裏切られた男が抱く激情、愛おしさや恨みつらみ、彼女の行く末の幸福を祈り、破滅を願う。そんな情念が込められた鼓は、いつしか「あやかしの鼓」と呼ばれ、幸福と災厄をもたらすと噂されるようになった。 時代は下って大正。主人公は病床の...

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夢野久作『幽霊と推進機』

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 夢野久作『幽霊と推進機(スクリュウ)』(『夢野久作全集〈2〉』 中島河太郎, 谷川健一編 三一書房 1969 所収) あとでまた変えればいいか……と思って以来、かれこれ3年以上経つこのブログのタイトル。あまりにもアレなのでこれまでに何度か変更を考えたことがある。まあ普通に読書メモなんだけど、もうちょいかっこよくしたい。傾向を反映できればなおいいかな……なんて考えてはみたものの、さっぱり思いつかない。思いつかないけど...

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夢野久作『笑う唖女』

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 夢野久作『笑う唖女』(『夢野久作全集〈3〉』 中島河太郎, 谷川健一編 三一書房 1969 所収) 村の青年医師の婚礼の宴のさなか、孕んだキチガイ女の花子があらわれた。言葉にもならない奇声を発してわめき散らし、青年医師にすがりついて離れようとしない。モルヒネを打ってどうにか引きはがすと、納屋に寝かしつけた。 実は去年の八月、性欲を抑えきれなくなった青年医師は、森のなかで出会った花子を犯していたのだった。彼女...

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夢野久作『猟奇歌』

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 夢野久作『猟奇歌』(『夢野久作全集〈7〉』 中島河太郎, 谷川健一編 三一書房 1970 所収) 先月『夢野久作全集』を引っぱり出してきてから、あちこちつまみ読みしてるんだけど、あらためて読み直してみて今さながらに面白いと感じたのは『いなか、の、じけん』と、この『猟奇歌』だった。以前は「短歌かよ」って感じで(短歌の人すみません)、スルー気味だったのだ。反省。 というわけで、短歌には短歌なりの鑑賞の仕方があるの...

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夢野久作『白菊』

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 夢野久作『白菊』(『夢野久作全集〈3〉』 中島河太郎, 谷川健一編 三一書房 1969 所収) 夢野久作の作品のなかでもとくに好きな『死後の恋』の感想を書いたので、この機会にもう一つこの作品についても書くことにした。著者の卓抜した表現力とロマンチシズムが顕著に顕われた、美しい短編だと思う。 網走刑務所から脱走して虐殺と略奪を重ねた凶悪犯が、窓から漏れる不思議な赤い光に誘われて、とある館に侵入する。侵入すると...

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夢野久作『死後の恋』

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 夢野久作『死後の恋』(『夢野久作全集〈1〉』 中島河太郎, 谷川健一編 三一書房 1969 所収) 先日「死ぬまで使えるブックガイド」という煽り文句に釣られて『東西ミステリーベスト100』という本を買ってみた。著者の代表作『ドグラ・マグラ』は見事4位にランクイン。書かれてから80年近く経つ本なのにすごい。ミステリーはあまり読んでないのだけど、1位から4位までは、意外なことにどれも読んだことのある作品だった。別のジャ...

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