Category小松左京 1/1

小松左京『空飛ぶ窓』

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 小松左京『空飛ぶ窓』(『夜が明けたら』勁文社 1985 ケイブンシャ文庫 113 こ01-05 所収) 今は廃業してしまったが、昔近所に双子のおっさんがやってる自動車修理工場があって、小学校への行き帰りにはその前を通った。工場の建物の隣のスペースには廃車やサビサビのドラム缶が並べられていて、なぜか年中でっかい水たまりができていた。その水たまりは当時の自分にとって、磯の潮溜まりと並ぶ絶景スポットだった。油が浮いた虹...

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小松左京『海の森』

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 小松左京『海の森』(『夜が明けたら』勁文社 1985 ケイブンシャ文庫 113 こ01-05 所収) 昔持ってた怪獣図鑑の分類を適用するなら「伝説怪獣」モノど真ん中って感じの短編。怪獣の出てくる小説のファンにはたまらない作品だ。ストーリーは怪獣映画なら自衛隊や防衛軍etcが登場する前の、プロローグのところで終わってるのだが、それでも充分なワクワク感で読み応えがあった。短い作品ながら仏像や古代のゾウに関する薀蓄がかなり...

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小松左京『秋の女』

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 小松左京『秋の女』(『ハイネックの女』徳間書店 1983 徳間文庫 所収) 四十がらみの主人公が山口から下関周辺を巡り、かつての乳母を訪ねる一人旅の途上、四人の女性(乳母、人妻、シスター、庵主さん)と再会したり知り合ったりする。だだそれだけの話。一つ怪異が生じているが、夢のように曖昧模糊として現実感はない。 ごく静かな本作、それじゃ何が書かれているのかというと、主人公が行く先々で目にする町並みや建造物など...

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小松左京『湖畔の女』

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 小松左京『湖畔の女』(『湖畔の女』徳間書店 1983 徳間文庫 201-4 所収)「憑き物」について先日の『学校の怪談大事典』には「なにものかの魂や意思が人間のからだにとりついて、その人間の意思とはことなるいろいろな行動や現象をきたさせる超自然的なもの」(※)とある。なかでも動物霊の憑き物はよく知られていて、その代表は「狐」、それから「犬神」「蛇」「猫」「狸」と続く。 この『湖畔の女』の舞台は、ちょうど今ごろの季...

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小松左京『霧が晴れた時』

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  小松左京『霧が晴れた時』(『霧が晴れた時 自選恐怖小説集』角川書店 1993 角川ホラー文庫 所収) ハイキングに出かけた家族四人が、霧を抜けて、迷い込んだ無人の土地で孤立してしまうという話。隠される側の視点から描かれた「神隠し」小説の一種といえるかもしれない。ごく短い作品だけど、完成度の高さと読後の寂寥感が、強く印象に残る。 家族が辿り着いた集落には、たった今まで人のいた形跡があった。かまどには鍋が煮...

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小松左京『黄色い泉』

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  小松左京『黄色い泉』(『霧が晴れた時 自選恐怖小説集』角川書店 1993 角川ホラー文庫 所収) 先日『今昔物語集』の感想文のために、著者の『霧が晴れた時 自選恐怖小説集』を引っぱりだしてきて『まめつま』って作品を読み返したところ、案の定そのままの勢いで他の作品まで読んでしまった。収録されているのは60年代から70年代にかけて書かれたものばかりだけど、どの作品もまったく古びることなく、とにかくおもしろかった...

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