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米田三星『生きている皮膚』

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 米田三星『生きている皮膚』(鮎川哲也編『怪奇探偵小説集〈1〉』双葉社 1983 双葉ポケット文庫 あ02-1 所収) エロいゴシップで浮名を流した女流作家「川口淳子」(34)は癌に蝕まれていた。乳房の表皮にできた悪性の腫物が右の腋窩まで這い上がり、乳房の上方で小さいイチゴほどの形で表皮を破っていた。表皮癌である。彼女は顕微鏡のレンズ越しに自らの組織片を覗き見ると、病状を告げるいとまもなく錯乱した。「顔、顔だ! …… や...

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