『ほんとにあった怖い話〈22〉読者の恐怖体験談集』

ほんとにあった怖い話〈22〉読者の恐怖体験談集』朝日ソノラマ 1993 ハロウィン少女コミック館

 金縛りと予知夢をテーマにした第20巻(21巻は芸能界編)は至極じみーな印象だったが、この22巻のテーマは「妖怪」。カバーのソデのリードには「“幽霊見ちゃった!!” というのはよくある話。でも“妖怪” は、めったに見られない。今回は、得体の知れない奴に出会った体験集。」とある。幽霊見ちゃった!! がよくある話かはさておき、とりあえずめっちゃ期待させられるのだが……、実はこの巻、全くテーマに沿ってないのだ。読了後、カバー外して中身を確認してしまうくらいのレベルで妖怪分が足りない。下の収録リストの※マークの通り、メインは幽霊屋敷もの、それから霊感少女だ。

 とはいえ、全然ダメダメかというと、そうでもない。似たようなモチーフが多いのに退屈な感じがしないのは、それぞれのエピソードが色々な意味でバラエティに富んでいるからだろう。異様な幽霊が次々とあらわれる金縛りもの「第一話 呪縛の夜」、幼い頃から特殊な能力に目覚めた霊感少女もの「第二話 折れた護符」は、実話怪談らしい支離滅裂な怪奇現象を暗いトーンで描いた好編。体験者の身長や体勢をしっかり踏まえた上で、その視点からの怪異を的確に表現している。とくに第二話は少ないページ数ながら構成も巧みで、効果的な回想シーンがごく自然に挿入される。妖怪不足のガッカリ感は拭いがたいが、この2編を読めるだけで充分にモトがとれた気分になる。それにしてもなんでテーマを幽霊屋敷か霊感少女にしなかったかなぁ。



『呪縛の夜 他』画・時任竹是 ’92『ほんとにあった怖い話』11月号、’93年1月号 掲載
 「第一話 呪縛の夜」投稿者・群馬県 匿名希望さん ※金縛り
 「第二話 折れた護符」投稿者・東京都 上田美津子さん ※霊感少女

『第三話 真夜中の侵入者』投稿者・東京都 坂本敦子さん 画・塚田さとみ ’92『ほんとにあった怖い話』9月号 掲載 ※予知夢

『第四話 霊夢住宅』投稿者・千葉県 神保杏子さん 画・丸傳次郎 ’92『ほんとにあった怖い話』9月号 掲載 ※幽霊屋敷

『夢の探し物 他』画・神谷和巳 ’92『ほんとにあった怖い話』9月号、’92『ハロウィン』9月号 掲載
 「第五話 夢の探し物」投稿者・山形県 平由美さん ※不思議な夢
 「第六話 白昼夢の街」投稿者・静岡県 匿名希望さん ※異世界

『第七話 K住宅怪奇談』投稿者・青森県 匿名希望さん 画・谷ゆたか ’92『ハロウィン』10月号 掲載 ※幽霊屋敷

『恐怖の訪客 他』画・山口夏実 ’92『ほんとにあった怖い話』11月号、’92『ハロウィン』11月号 掲載
 「第八話 恐怖の訪客」投稿者・奈良県 たまちゃん ※幽霊屋敷
 「第九話 私って霊感少女?」投稿者・北海道 KEY-KEYさん ※霊感少女

『誕生日がこわい 他』画・茶々丸 ’92『ほんとにあった怖い話』11月号、’93年1月号 掲載
 「第十話 誕生日がこわい」投稿者・宮城県 高橋和美さん ※霊感少女・妖精
 「第十一話 霊からの警告」投稿者・大阪府 由宇さん ※金縛り



『ほんとにあった怖い話〈22〉読者の恐怖体験談集』
 朝日ソノラマ 1993 ハロウィン少女コミック館
 著者:神谷和巳 他

 ISBN-13:978-4-2579-8254-8
 ISBN-10:4-2579-8254-3


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成田亨『成田亨画集 [復刻版]BOX』について

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 今月のはじめ、百太郎の感想をグズグス書いてる真っ最中に復刊ドットコムからメールが届いた。「伝説の2大画集、奇跡の復刊実現! 「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「マイティジャック」…。稀代の天才・ 成田亨が手がけたデザイン画やカラーイラストを大集成。 特撮ファン、アートファン必携のバイブルが、35年の時空を超えてついに 復刊決定です!」とのこと。以前『成田亨画集 メカニック編』(←前の記事へのリンクです)の感想を書いたけど、あの本とこの『成田亨画集 ウルトラ怪獣デザイン編』が分売なしのBOXセットになって復刊されるらしい。

 内容は下の商品リンクに詳しいが、上の画像の「ウルトラ怪獣デザイン編」に収録されているのは『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』に登場した怪獣・宇宙人のデザイン画・ラフスケッチ、雑誌『宇宙船』に掲載されたカラーイラストなど。「成田亨美術/特撮/怪獣」展のオフィシャル・カタログ『成田亨作品集』には収録されてない絵も結構あるし、「作品集」に収録されていても小さくて見づらかったデザイン画(「アントラー」「ネロンガ」等々)も大きく収録されている。巻末には著者による丁寧な解説もついていて、見はじめたらあっという間に数時間経ってたなんてことが普通に起こり得る一冊。

 予価は税込み9,990円。もともと1,800円の本なので高すぎるような気もするが、古書価からすると欲しかった人には嬉しい復刊ではないだろうか。予約者全員特典は「成田亨デザイン画のポストカード」。BOXのデザインがもうちょい良ければなあ。

 ※「復刊ドットコム」の販売ページ↓
 http://www.fukkan.com/fk/CartSearchDetail?i_no=68326252


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『ほんとにあった怖い話〈21〉芸能界編』

ほんとにあった怖い話〈21〉芸能界編』朝日ソノラマ 1993 ハロウィン少女コミック館

 第2巻以来の「芸能界編」、前回は寡聞にも知らない人ばかりで困ってしまったが、今回はおそろしく豪華!!
 まず霊感ミュージシャンとして名を馳せた「池田貴族」、この本が刊行された頃から怪談にどっぷりの「つまみ枝豆」、説明不要の「人間椅子」。錚々たるメンツだ。さらに池田貴族の体験談には「宜保愛子」が、つまみ枝豆の体験談には「稲川淳二」が、それぞれに霊的なアドバイスをするゲストとして登場。豪華!! 残念ながら女子の中には知ってる人がいなかったのだが、さっき検索してみたところ、こちらもなかなかの顔ぶれのようだ。とはいえ、体験者のメンツが豪華だからといって、アンソロジーとして面白怖いとは限らない。芸能人編だけに、ホテルなどの宿泊施設、レコーディングスタジオ、TV番組の収録中といった、似たようなシチュエーションが重複してしまっており、ここまでの既刊分と比較して、やや水準を下回る出来となっている。

 それぞれの体験談には複数の霊体験が含まれていて、人から聞いた話はごく少なく、実際に話者が体験した話がメインである。収録されたエピソードの中で特に面白かったのは、つまみ枝豆の『怪奇ホテル』。作画はやや物足りなかったが、ダントツで面白かった。閉まりかけるエレベーターのドアの隙間から真っ赤なマニキュアをした腕がチラッと見える、その手がホテルのドアの下の隙間から入り込み絨毯を掻きむしっているなど、おどろおどろしい幽霊を登場させるのではなく、パーツの嫌なチラ見せで恐怖シーンをうまく盛り上げている。他のエピソードと比較してモダンな印象を受けた。
 深夜怖い話をしてた人ってイメージの池田貴族の体験談は、ライブハウスの機材トラブルにまつわる話や高校生の頃の心霊体験。作画はこのジャンルの大御所山本まゆり。人間椅子の体験談は初期メンバーでドラムスの「上館徳芳」が語る、金縛り、レコーディングスタジオにまつわる怪談。目新しいところはないが、少女漫画タッチで美化されたねずみ男スタイルの鈴木研一が見所。「みなさんイカ天って知ってますよね。僕たちはそこからデビューした人間椅子です」という冒頭のモノローグが時代を感じさせる。



『AM4:00の怪現象』語り・池田貴族 画・山本まゆり ’91『ほんとにあった怖い話』Vol.16 掲載 ※ライブハウスの怪談

『怪奇ホテル』語り・つまみ枝豆 画・林正之 ’91『ほんとにあった怖い話』Vol.13 掲載 ※金縛り・ホテルの怪談・TVの怪談

『人形は見ていた』語り・本田理沙 画・美濃みずほ ’92『ほんとにあった怖い話』1月号 掲載 ※人形の怪談・レコーディングスタジオの怪談・金縛り

『四人目の声』語り・人間椅子 画・丸傳次郎 ’91『ほんとにあった怖い話』Vol.14 掲載 ※金縛り・ホテルの怪談・レコーディングスタジオの怪談

『階段の怪談』語り・島崎和歌子 画・山口夏実 ’91『ほんとにあった怖い話』Vol.12 掲載 ※コックリさん・ホテルの怪談

『夢のお告げ』語り・麻倉未稀 画・山口夏実 ’91『ほんとにあった怖い話』Vol.15 掲載 ※ライブハウスの怪談・ホテルの怪談・レコーディングスタジオの怪談



『ほんとにあった怖い話〈21〉芸能界編』
 朝日ソノラマ 1993 ハロウィン少女コミック館
 著者:山本まゆり 他

 ISBN-13:978-4-2579-8249-4
 ISBN-10:4-2579-8246-7


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『ほんとにあった怖い話〈20〉読者の恐怖体験談集』

ほんとにあった怖い話〈20〉読者の恐怖体験談集』朝日ソノラマ 1993 ハロウィン少女コミック館

 20代後半?のOLのKさんからちょっと不思議な話を聞くことができた。こっちからは全然尋ねてもないのに、「昔、この辺に住んでたんですよねぇ」って感じで、勝手に話しはじめてくれたのだ。ありがたい。ここのところゲロ出そうなくらい忙しかったのだが、捨てる神あれば拾う神あり、ごくまれにいいこともある。

 水田が所々潰されて、新興住宅地になりつつある地域である。Kさんは学生の頃、この辺のアパートから電車と徒歩で片道30分かけて、隣の市の大学まで通っていたのだそうだ。アパートはKさんが入居する直前にリフォームされて、やけに小綺麗だったらしい。しかも家賃が格安。彼女の友人の同じような部屋が月4万円、彼女の部屋は1万8000円だったというから、半額以下だ。
 ただ、さすがに安いだけあって、アパートの作り自体は安っぽく、壁は薄いし、二階への外階段はよほど気をつけても足音が「バインバイン」と響く無骨な鉄骨製だった。で、ある朝、外が騒がしいので廊下に出てみたら、その階段が無くなっていた。正確には根元から4本の鉄骨がポッキリ折れて、綺麗に横倒しになっていたらしい。「あんなの倒れたら絶対気付きますよ。風が吹いてたわけでもないし、どうして倒れたのか……」
 二階の住人だったKさんと隣室のお姉さんは、その日、「小さい消防車」のハシゴを使ってようやく下に降りることができた。家賃からして何らかの曰くがあったのかもしれないが、このこと以外、怪しい出来事は全く無かったとのこと。

 というわけで、全然怖くないけど、念願のちょっと不思議な話でした。嬉しかったのは、Kさんがオカルト関連に全く興味がなさそうな人柄だったこと、「ただそれだけの話」とはいえオリジナリティが感じられたこと。実はこれより少し前に他の人から、もうちょい怪談らしい話を聞いたのだけど、地方の出来事ながら新聞沙汰になった投資詐欺ががっつり絡んでいて、検索してみたらまだまだ関連情報が出てきたので書くのやめてました。

 さて本題。今回この第20巻には珍しい趣向がある。カバーのソデには→「多少霊感のある人ならば、かならず経験があると言っていい“金縛り”と“予知夢” —この2大テーマの恐ろしい体験を収録!!」とある。
「金縛り」と「予知夢」、業界的にはかなり地味なこれらのネタが選ばれたのは、体験を共有する読者が多そうとか、そんな感じの理由からだと思われるが、テーマを絞っただだけあってまとまりのある一冊になっている。ただ当たりかというとそうでもなくて、ややハズレ寄りというのが正直なところ。やっぱ地味だった。
 収録されたエピソードの中で、ガチで「予知夢」って感じの話は「第十話」。身の回りの小さな予知だけじゃなくて、湾岸戦争の予知までしてる。メインの現象の前兆として生じることの多い「金縛り」は、それだけで面白くするには難しいテーマなので、それに付随して生じる現象がメインになっている。印象的だったのは予知夢・金縛りのそれぞれの体験者が、いやよいやよと言いながら、かなりはっきりと優越感を持っているところで、これまでもそんな風に感じることはあったが、この巻ではそれがより顕著な感じ。上記のカバーのリードを信じるなら、金縛りにも予知夢にも無縁な自分には、霊感は全く備わっていないようだ。



『明け方の報せ 他』画・佐和田知生 ’92『ほんとにあった怖い話』7月号、『ハロウィン』8月号 掲載
 「第一話 明け方の報せ」投稿者・東京都 茂手木裕美さん ※虫の知らせ
 「第二話 台風の夜」投稿者・埼玉県 P.N北野椿さん ※学校(塾)の怪談・金縛り

『第三話 母が見ている』投稿者・大阪府 匿名希望さん 画・ひとみ翔 ’92『ほんとにあった怖い話』7月号 掲載 ※不思議な夢
 
『妖かしの桜 他』画・七色虹子 ’92『ほんとにあった怖い話』9月号、12月号 掲載
 「第四話 妖かしの桜」投稿者・宮城県 高橋知美さん ※不思議な夢
 「第五話 闇からの呪文」投稿者・大阪府 高松朋美さん ※コックリさん・金縛り

『第六話 霊現象は睡魔と共に…』投稿者・栃木県 星樹綾さん(P.N) 画・南地裕子 ’92『ハロウィン』5月号 掲載 ※心霊写真・不思議な夢

『第七話 幽霊テレビ』投稿者・岡山県 匿名希望さん 画・植松麻里 ’92『ハロウィン』4月号 掲載 ※金縛り

『夢の中の絵 他』画・谷ゆたか ’92『ほんとにあった怖い話』7月号、9月号 掲載
 「第八話 夢の中の絵」投稿者・愛知県 Miss味子さん(P.N) ※予知夢
 「第九話 死霊の足音」投稿者・宮城県 佐藤浩子さん(P.N) ※虫の知らせ

『夢なら夢でも… 他』画・黒田祐乎 ’92『ほんとにあった怖い話』9月号、11月号 掲載
 「第十話 夢なら夢でも…」投稿者・長崎県 中村和子 ※予知夢
 「第十一話 伝染性怪現象」投稿者・千葉県 常夏娘さん ※金縛り・伝染する怪談



『ほんとにあった怖い話〈20〉読者の恐怖体験談集』
 朝日ソノラマ 1993 ハロウィン少女コミック館
 著者:ひとみ翔 他

 ISBN-13:978-4-2579-8246-3
 ISBN-10:4-2579-8246-2


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『ほんとにあった怖い話〈19〉読者の恐怖体験談集』

ほんとにあった怖い話〈19〉読者の恐怖体験談集』朝日ソノラマ 1992 ハロウィン少女コミック館

 さすがにこのあたりまで読んでくると、目次の段階で当たりハズレの見当がつくようになってくる。カバーのソデには「ほんとに、ほんとに、ほんと〜に体験しちゃった恐怖の体験、不思議な体験をマンガ化するシリーズ。ゾクゾクパワー、ますますアップ。」なんて書いてあったけど、見たところまずまずかなーって感じで、実際にそうだった。
 この巻の特徴は建物や土地にまつわる怪異譚が目立つこと(「第一話、第三話、第五話」など)。また下のリストの通り長めの作品も多い。前巻に続いて学校の怪談系のネタは皆無である。この時期、姉妹シリーズの『ほんとにあった怖い話 作家編』がスタートしていることからも、マンネリ回避のための試行がなされていたのかもしれない。

 ソデにあったゾクゾクパワーを存分に感じられるのは、収録作の中では「第五話 悪霊住宅」が唯一だった。もうタイトルからして並々ならぬ気合が感じられるが、トビラ含めて24ページの中に比較的地味な「手の怪」、ラップ音から、布団の上に乗ってくる系の複数の幽霊、逆柱(?)っぽい怪異まで「うちで起きたら嫌なこと」が詰め込まれている。作画も上々で、ページのめくりの効果もしっかり計算されている。ささやななえこ(ささやななえ)の名作『空ほ石の…』を彷彿とさせる怖いシーンもある。もともと絵の上手い人らしいが、マジで読者をビビらせてやる!! って気合がひしひしと感じられた。

 その他に印象的だったのは「第一話 ゆうれい居酒屋」と「第八話 最後の買物」。「第一話」はタイトルの通り霊的な現象が頻発する居酒屋の話。怪異自体はごくスタンダードなものだが、投稿者が一人だけ徹底して何も感じないのが面白かった。「第八話」は信楽焼のでっかいタヌキを買いに幽霊が骨董市に来る話で、なんとなく幸田露伴っぽいネタ。絵柄は淡白でホラー漫画としてはどーかと思うが、ほっこり系の話によくはまっていた。ここに出てくる骨董市に多分行ったことがある。



『第一話 ゆうれい居酒屋』投稿者・大阪府 高松明美さん 画・七色虹子 ’92『ほんとにあった怖い話』5月号 掲載 ※職場の怪談

『第二話 会いたくて淋しくて』投稿者・東京都 山崎悦子さん 画・黒田祐乎 ’92『ほんとにあった怖い話』7月号 掲載 ※家族の心霊体験

『第三話 異界の客達』投稿者・栃木県 松本裕子さん 画・山口夏実 ’92『ほんとにあった怖い話』5月号 掲載 ※霊感少女・職場の怪談

『第四話 のびる腕』投稿者・宮崎県 匿名希望さん 画・渡辺杜都 ’92『ほんとにあった怖い話』7月号 掲載 ※霊感少女(主婦)

『第五話 悪霊住宅』投稿者・大阪府 匿名希望さん 画・浅野まいこ ’92『ほんとにあった怖い話』3月号 掲載 ※幽霊屋敷

『真夜中の泣き声 他』画・三浦尚子 ’92『ハロウィン』3月号 掲載
 「第六話 真夜中の泣き声」投稿者・北海道 須佐邦子さん ※水子
 「第七話 下校時の遭遇」投稿者・千葉県 匿名希望さん ※路上の怪

『最後の買物 他』画・天ヶ江ルチカ ’92『ほんとにあった怖い話』5月号、7月号、’92『ハロウィン』1月号 掲載
 「第八話 最後の買物」投稿者・東京都 柴田貴代さん ※骨董の怪談
 「第九話 午後の訪問者」投稿者・奈良県 中尾有香子さん ※ドッペルゲンガー
 「第十話 最後の別れ」投稿者・山形県 五十嵐理恵さん(P.N) ※家族の心霊体験



『ほんとにあった怖い話〈19〉読者の恐怖体験談集』
 朝日ソノラマ 1992 ハロウィン少女コミック館
 著者:七色虹子 他

 ISBN-13:978-4-2579-8233-3
 ISBN-10:4-2579-8233-0


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竹河聖『おさわがせ幽霊(ゴースト)』

 竹河聖『おさわがせ幽霊(ゴースト)』朝日ソノラマ 1989 ソノラマ文庫〈497〉

 今年は31日と1日しか休めなかったので、のんびりプラモでも作りながら買ったきりになってる映画や、ハードディスクを圧迫してるアニメでも消化するか……なんて目論見はもろくも崩れ去り、結局隙間の時間に読書する通常営業になってしまった。ただ一応正月ってことで重めのはやめといて、楽しめの本を何冊か出してきて読んだ。竹河聖『おさわがせ幽霊(ゴースト)』、櫛木理宇『ホーンテッド・キャンパス 幽霊たちとチョコレート』、キャロリン・キーン『幽霊屋敷の謎』、ウェン・スペンサー『ようこそ女たちの王国へ』など。『〜女たちの王国へ』は今2/3くらいまで読んだところ。なかなか面白い。『おさわがせ幽霊』は多分数十年(十数年じゃなくて)ぶりの再読で、ほとんど初読ってレベルまで内容を忘れていた。

 主人公は高校生でつのだリスペクトなネーミングの「一太郎」、それから一太郎のいとこの美人姉妹「華藻」「玉緒」。華藻は一太郎と同学年で、玉緒は一つ年下、二人合わせて玉藻前姉妹である。この三人が旅先や近所や学校で、やたらに幽霊に遭遇する。収録されているのは「第一話 首なし美女でございます」「第二話 幽霊屋敷でございます」「第三話 学園七不思議でございます」「第四話 背後霊でございます」の四話。それぞれ独立した短編だが、相互にゆるーく繋がっている。
 全体は幽霊の描写と三人のリアクションと、あと睦月影郎の本に出てきそうな「甘い少女の匂いが鼻腔をいっぱいにし、柔らかい胸が身体に密着してくる」って感じの微妙なフェチ描写で占められていて、それで全253ページ。セリフが多いし描写もなんとなくト書き調なので、アニメのシナリオでも読んでる気分になる。昨今のライトノベル以上にライトな作品である。書き忘れてたけど、コメディ作品だ。

 で、超久々に読み返してどうだったかというと、これが結構楽しめた。なんといっても主人公の美人姉妹がいい。普段人前では深窓の令嬢のように振舞っているのだが、一太郎の前でだけ本性をあらわして彼を虐待する。まあ虐待といってもプロレス技をかける、言葉で攻める、という非常に羨ましい虐待なのだが。この二人のお転婆ぶりのさじ加減が絶妙。話が進むにつれて微妙ながらじわっとデレてくる。
 肝心の幽霊は出るべき場所に出るべくして出たって感じのが出る。幽霊出る→主人公遁走の繰り返しだが、幽霊自体は各話ごとに工夫が凝らされていて(グロ描写はない)、そこだけ見ればコメディ作品とは思えないほど充実している。タイトルは最後の最後でしっくりとくるが、それまで「おさわがせ」なのはどう見ても主人公側。



『おさわがせ幽霊(ゴースト)』
 朝日ソノラマ 1989 ソノラマ文庫〈497〉
 著者:竹河聖
 イラスト:橘田幸雄

 ISBN-13:978-4-2577-6497-7
 ISBN-10:4-2577-6497-X


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