Tag国書刊行会 1/1

大阪圭吉『幽霊妻』

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  大阪圭吉『幽霊妻』(『とむらい機関車』国書刊行会 1992 探偵クラブ 所収) 専門学校の校長、平田章次郎が殺害された。46歳だった。彼は厳格で口喧しい学者肌の男で、最近も判然としない理由から、一回りも年下の妻を離縁していた。そして元妻が身の潔白を訴える遺書を残して自殺したと聞いても、葬儀にさえ出ようとしなかったのである。そんな偏屈な平田の様子が目に見えておかしくなったのは、しぶしぶ出かけた元妻の墓参か...

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大阪圭吉『とむらい機関車』

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  大阪圭吉『とむらい機関車』(『とむらい機関車』国書刊行会 1992 探偵クラブ 所収) この作品、収録されている本の帯にはでっかく「本格派復活」なんて書いてあって、おどろおどろしいタイトルとの違和感にまず興味を持ったのだけれど、推理小説らしい骨格に怪奇趣味が濃厚に塗されたとても面白い作品だった。提示される謎は、ブタの連続轢死事件。「葬式(とむらい)機関車」と呼ばれる車輌があった。形式、番号はD50・444号。...

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三橋一夫『角姫』

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  三橋一夫『角姫』(『勇士カリガッチ博士』国書刊行会 1992 探偵クラブ 所収) トントントントンと音がして頭にツノが生える夢から覚めると、元子の頭には本当に二本のツノが生えていた。親の決めた許嫁との結婚話が、いよいよ現実味を帯びてきた矢先の出来事である。この許嫁というのが、戦後何千万も儲けて新興財閥なんて呼ばれている男で、身なりもいいし顔もそう悪くはない。実は元子には密かに好意を寄せる男がほかにあっ...

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城昌幸『その家』

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 城昌幸『その家』(『怪奇製造人』国書刊行会 1993 探偵クラブ 所収) 家にまつわる恐怖譚。この作品も先日の柴田錬三郎『恐怖屋敷』(←前の記事へのリンクです)と同様、伝統的な日本の伝統家屋の不気味さを見事に表現している。面白かった! 登場人物はたった二人。主人公と女中。7月下旬の暑い日の午後、所用でとある屋敷を訪れた主人公は、女中に座敷へと通された。ところがいくら待っても誰も現れない。邸内は静まり返っていて...

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E・L・ホワイト『夢魔の家』

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 E・L・ホワイト(E.L.White)著, 倉阪鬼一郎訳『夢魔の家』("The House of the Nightnare" 西崎憲編『怪奇小説の世紀〈1〉夢魔の家』国書刊行会 1992 所収)『こびとの呪』(←前の記事へのリンクです)の著者による幽霊屋敷もの。ストーリーはごくオーソドックスで、とくに凝った表現がなされているわけでもないのに、怖ろしく的確に不安のツボを突いてくる作品。オチはかなり早い段階で分かってしまうのだが、そういうのはあまり関...

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杉本好伸『稲生物怪録絵巻集成』

 杉本好伸編『稲生物怪録絵巻集成』国書刊行会 2004 これ凄くいい本です。前に少し引用したきりだったので、改めて紹介。「稲生物怪録」は江戸時代の中期、16歳の稲生平太郎が妖怪の来襲に耐え抜いた30日間の記録とされていて、絵本、絵巻、文章資料など様々な形態で伝えられている。 この『稲生物怪録絵巻集成』は、2004年に広島県三次市の広島県立民俗歴史資料館で催された企画展『稲生物怪録と妖怪の世界 ― みよしの妖怪絵...

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