Tag出版芸術社 1/1

山田正紀『少女と武者人形』/『壁の音』

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  山田正紀『少女と武者人形』 山田正紀『壁の音』(『夢の中へ』出版芸術社 1993 ふしぎ文学館 所収)『少女と武者人形』 別荘の屋根裏の武者人形。それを誰にも内緒で確認するのが少女の日課になっていた。彼女は叔母と、多分父親と一緒に別荘で過ごしている。少女は武者人形の剣に血が噴き出してくるのを確かに見た。あれは去年、母と弟が事故で死亡する直前のことだった。誰かが死ぬとき、武者人形の剣は血に濡れる。それを...

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日影丈吉『月夜蟹』

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 日影丈吉『月夜蟹』(『恐怖博物誌』出版芸術社 1994 ふしぎ文学館 所収) 昨日に続いて日影丈吉作品。この作品にも『猫の泉』と同様にA・ブラックウッドの『いにしえの魔術』の影響が濃厚に感じられる。といっても似たような町を舞台にした美しいオマージュ作品としての『猫の泉』と比べて、本作は『いにしえの魔術』を咀嚼し、新たな世界観を構築している点で大きく異なっている。 蟹に敵対する生き物といえば、迷わず「サル」...

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日影丈吉『猫の泉』

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 日影丈吉『猫の泉』(『恐怖博物誌』出版芸術社 1994 ふしぎ文学館 所収) 南フランスに滞在していた日本人写真家の「私」は、不思議な町の話を耳にする。それは「ヨン」という谷間の辺鄙な町だった。住民はチベット猫とともに自給自足の生活を営んでいるという。興味を覚えた私は道すがら聞き込んだあやふやな情報を頼りに、中世の町並みを残す小さな集落に辿り着いた。 この300年の間にヨンの町を訪れた外の人間はごくわずかで...

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